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フッペル アットホームコンサート - 2008.02.20 Wed

以前このブログでも紹介させていただいたフッペルを、3年前に購入してくださったN様のお宅に伺いました。
このN様もフッペルのストーリーはよくご存知です。

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ご参考までに前回の記事です。
http://blogs.yahoo.co.jp/kinichiaraki/20051258.html



N様は以前のお仕事を定年退職され、その記念としてもこのピアノを買われ、ベートーヴェンの月光を弾き、今ではお孫さんとの連弾も楽しまれているとのこと。
そして、こういうピアノをみんなと共有したいということで、昨年からホームコンサートをされています。
ピアノの先生との連弾、先生の演奏など、お部屋に20人ほど集まってのコンサート。

リサイクルセンターの倉庫で眠っていたピアノが、こういう形でまた、当時の音を奏でてくれるということは修復させていただいた身としてもうれしいですし、なによりピアノも喜んでいるのではと思います。

ここで少し、フッペル このピアノの特徴を。

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アクション、ハンマーはドイツ・ベルリンの
SCHLTZE & FREUND(シュルツ&フロインド)
今は現存していないと思います。
戦争で無くなったかもしれません。
スプリングは一つ一つオリジナルのサイズで手作りして取り付けました。
また、引っかかっているコードもオリジナルです。(ヤマハは10数年で切れてしまいますが、、、)


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アクションを止めるネジも両端にあるだけで、普通この大きさのクラスのピアノは大体3カ所無いし4カ所で止めています。
結構しっかりしたアクションでした。
ハンマー、響板がオリジナルなので、当時の音がそのまま出ています。


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足も下に行くほど太くなっていて全体的にも荘厳な感じです。
外装の板も合板ではなく、無垢の木を使っていますので、割れてきたりしていますが、外装も響板のようでした。
この大きさから素晴らしい音色の響きと、音量が出てきます。



次回は5月にアットホームコンサートの予定だそうです。
今から楽しみです。

フッペル 現代でも生き続けるピアノ - 2007.09.07 Fri

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このメーカーはある意味忘れ去られていたピアノでもありますが、数年前の日本映画「月光の夏」でその存在が知れることとなりました。


私も会社の社員旅行で、鹿児島に行き、知覧の特攻隊記念館を見に行ったときにこのフッペルのグランドピアノを見ました。
館長からお話を伺うと、「このピアノはある方からお借りしているもので、もう少しで本人に返さないといけないのです。」と言われていました。

四国のあるピアノの先生の持ち物と伺いました。
記念館には日本に2台しか無いと書かれていましたが、実はその当時うたまくらでこのフッペルのアップライトの新生を手がけていました。

関東のある方が、このピアノを九州の方で見つけられ、ガラクタ同然になっていたピアノをなんとかして助けたいと言われ、うたまくらに相談されました。
そして大修理が始まったのですが。
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このピアノは当時の門司市からの寄贈となっています。
どういう理由でどこの誰に寄贈されたのかは今はもうわかりません。
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このピアノの歴史は調べてみてもあまり詳しくわからないのが現状です。
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HUPFER Zeitz 1874

フッペル 1874年創業


(PIERCE PIANO ATLAS 参照)
ドイツ、独ザクセン・アンハルト州 のツァイツ市(Zeitz)―ドイツの南東に位置する人口3万人の小さな町です。
今は現存しないので旧東ドイツ領域ということもあり、第2次世界大戦でなくなったことも考えられます。

メーカーの情報としてはこれしかわかりません。
100年前ヨーロッパではかなりのピアノメーカーが存在しています。
その中からなぜこのフッペルが日本に選ばれてきたのかは不明です。
でも外国人の商社が取り扱っていたでしょうから、ヨーロッパの中でも選び抜かれたピアノだったことは間違いないと思います。
そして数台がしかも西日本中心に納入されたということだと思います。

こういうピアノを学校などに寄付をする、当時の方々の感性は素晴らしいものだったと思います。





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プロフィール

arakipiano

Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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2008年02月20日 (水)
フッペル アットホームコンサート
2007年09月07日 (金)
フッペル 現代でも生き続けるピアノ
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by AlphaWolfy

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