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フッペル完成 - 2017.10.18 Wed

ほぼ一年をかけて修理を行ってきたフッペルが完成しました。
来月納品となります。

作業途中までの物を見たことがないということで、所有者様が見学に来られ、細かな修理状況を肌で感じ取ってくださいました。

本体、ペダル、アクション、鍵盤と組み立てて調整すればするほど見えていなかった不具合も生まれてきます。




新たなフッペル - 2017.05.09 Tue

今年になってオーバーホールのご依頼をいただいたピアノ、フッペル。

うたまくらピアノ工房で行うのはこれで4台目になります。
フッペルは大変珍しいピアノのひとつですが、今までの作業の蓄積で難しい修理の一つではなくなりました。

ご依頼いただいたT様の義母のもので、昭和初期に大阪で購入されたそうです。
当時習われていた楽譜も見せていただきました。

弦の錆、フェルト類の虫食い、外装の劣化など弾けない状態にあるピアノです。
このような状態はかなり時間がかかるので、1年くらいの時間をかけて直していく予定です。




フッペル納品終わりました - 2017.02.14 Tue

先日、無事フッペルHUPFER アップライトピアノの納品が終わりました。

持ち主のI様の立会いのもと収まりました。


長旅を終え冬の冷たさになったピアノを暖かな日差しが迎えてくれました。
玄関の扉を開け、部屋のドアを外し、お部屋に納まったフッペルはようやく奏でてくれる環境に喜んでいるかのようでした。


フッペル 完成、そして新たなフッペル - 2017.01.25 Wed

ようやくフッペルが完成しました。
40~50年前に一度オーバーホールをしている形跡があるピアノだったため、オリジナル寸法が消えていました。
それも含め修理を完成させるのが大変な作業でした。
響板だけの状態の時に叩くと、ドーンと深いしっかりした音が聴けました。
仕上がったピアノの音はそれにも増して、いろんな色が出るピアノになりました。

P1220291.jpg


フッペル 思い出のピアノを次の世代へ Vol.3 - 2016.11.30 Wed

長年の環境に影響されて外装がかなり劣化されています。
当時の塗料を剥がして綺麗な木目が出たら、木目使用にするつもりでしたが、なんとピン板以外は全て無垢材(一枚板)で作られていました。
継ぎ目があったり、黒前提に作られていたので、今回も黒にしました。
当時の雰囲気を生かし艶消しです。

無垢材は反ってしまう、割れてしまうことにつながります。
横の板も40cm位の幅がありますが2枚の無垢材でできていました。
その板も板目材なので見事に反っています。
足も厚さ5cmもある無垢材なので大きく反っています。
これらを真っすぐにするのではなく、今の状態のまま反りに逆らわず取り付けることにしました。







フッペル 思い出のピアノを次の世代へ Vol.2 - 2016.08.17 Wed

ピアノを分解して木工作業を行なっています。
・響板の塗料を剥がす
・響板の割れ修理
・駒ピンが錆のため交換
・駒の割れの修理



響板は15cm位幅の板を貼りあわせて大きな1枚の板を作ります。
張り合わせた時に接着剤を使うのですが、響板の割れはこの張り合わせたところから起きる場合、木目の粗さ、ネジ止めのネジの部分から、起きる場合といろいろとあります。




フッペル 思い出のピアノを次の世代へ Vol.1 - 2016.07.27 Wed

福岡県のI様からご連絡をいただき、修理をしてほしいピアノが直方市にあります、と連絡があったのが6月。
そのピアノは映画でも有名になったフッペルHUPFERのアップライトピアノでした。
やはり九州にこのピアノが多いのでしょうか。

P6160014.jpg

70代のI様が「まだ私が健在のうちに、次の代に渡して弾いてもらえるようにしたいです。」とのことでした。
ピアノは100年近く経っているものと見えますが、I様は60年ほど前に学生時代にピアノの先生から紹介されたこのフッペルを購入されたとのこと。
このピアノは福岡の放送局で使われていて、今まで全く聞いたことのない音色だったそうです。
家にやって来たピアノで高校生まで弾いて、その後は弾く機会が無く、今から20年ほど前からは空き家になっているところでずっと置かれていたとのことでした。
象牙ははがれ、弦は錆で切れ、音も止まらず、ペダルも壊れている状態。

思い出のピアノを、しかも素晴らしいピアノをもう一度弾けるように蘇らせ、次の世代に渡したいとの考えでご依頼いただきました。


再会 - 2015.02.25 Wed

来る3/7(土)、8(日)に山口県岩国市の錦帯橋の近くのカフェ・ギャラリー 光風堂でコンサートが開かれます。
歌枕と、このピアノの所有者高橋様のジョイントコンサートです。

ここで1年ぶりの再会のピアノがフッペルです。

このピアノのオーバーホールは大変なことでした。
既製のものは一つもなく、ないものは手作りで行い、また工房で修理できない大掛かりなところは静岡のシュベスターの岩本社長さんに直していただいたものです。

出来上がったピアノの音色、タッチに心掴まれたと言われた高橋さん。
今は岩国で毎月演奏会もされています。

調律に伺い、あらためて1年経ったピアノを見るのが楽しみです。





フッペル 仕上がりました - 2013.12.05 Thu

HUPFER フッペル
この90年以上は経っているピアノの修理は大変な時間を費やすことになりました。
今はもう現存しないということと、40年ほど前に修理されていてオリジナルのいろんな寸法のデータが変わっているのでオリジナルのタッチ、音色を想像しての調整に大変頭を使いました。

PC030020.jpg


仕上げてみるとかなり重厚感のある響きになっていました。
低音の豊かな響き、中音の奥行きを感じさせる響き、高音の伸びやかで柔らかい響には我ながらびっくりしています。

今まで修理を行ってきて、大変だったことは、全てにおいて規格外という所でした。
規格外と言う事はいろんな工夫が施されることになるのですが、よくよく頭を使わないと二度手間になってしまうことや修正が効かないことになってしまうことも考え、かなり慎重に行わないといけない修理がいっぱいありました。



フッペルが届いた - 2013.10.31 Thu

12月15.16日のピアノ工房でのコンサート「時代を語るピアノの響き」にお披露目予定のフッペルHUPFERが磐田のピアノ工場から修理が終わって届きました。

フッペルは、ドイツの 独ザクセン・アンハルト州 のツァイツ市(Zeitz)—ドイツの南東に位置する人口3万人の小さな町で1874年創業されました。
旧東ドイツ領域ということもあり、第2次世界大戦中に生産がストップし、またユダヤ系の資本の会社だったため廃業に追い込まれたと言われています。
戦前の日本にも入ってきていました。
当時、ヨーロッパでは数多くのピアノメーカーが存在する中から選び抜かれ、日本に輸入されたピアノだったと思います。

そしてこのフッペルには、昭和20年5月末、二人の特攻隊員が飛行機で特攻出撃する前の日に、鳥栖国民学校のフッペルピアノでベートーベンの「月光」の曲を弾き、出撃し戦死されたという実話があり、「月光の夏」と言う映画になりました。
今、日本に現存するフッペルは数台と言われていますが、縁あってその1台がうたまくらに届きました。

90年経っているピアノです、今回大修理という形になりました。





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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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2017年10月18日 (水)
フッペル完成
2017年05月09日 (火)
新たなフッペル
2017年02月14日 (火)
フッペル納品終わりました
2017年01月25日 (水)
フッペル 完成、そして新たなフッペル
2016年11月30日 (水)
フッペル 思い出のピアノを次の世代へ Vol.3
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