12月にお預かりしたスタインウェイの修理がようやく仕上がりました。
今回の修理で難しかったことは60年近くたったピアノは現行の部品とは合わない場合が多いということです。

言い方を変えると、現存するメーカーの修理は現行の部品が手に入るため、その部品を使うことになります。
しかし、数々の仕様変更、設計変更が行われている場合が多いので、どんどん合わないサイズの部品が出てきていることになります。
合わない部品を無理やり取り付けるとどこかに支障が生じ、音色やタッチに影響します。
または現存するメーカーが無い場合の修理はオリジナル部品が手に入らないため、そのサイズに一番近い部品を選んだり、オリジナルに忠実に作成するということをやります。
今回の修理もメーカーオリジナル部品を使いますが、合わせて合わないものは細工してオリジナルに近づけて作っていきました。

そして難しかったのが木部の割れ。
その割れをひとつずつ直していき、また割れないように細工して作成していきました。

音が出るようになって何より響板の復活で音の膨らみや太さを感じることができ、反応の良いタッチが生まれ、ここからいろんな音楽が作れるようになりました。
それはさすがSTEINWAYです。

最終と思っての微調整はいくらでも変化とともに見えてくるので終わりがありませんが、28日のお披露目コンサートを終えるとお客様宅への納品です。
これからの何十年を楽しんでいただけますように。