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黒鉛の良し悪し - 2021.01.27 Wed

長年この仕事をしてきて今回初めて知った事があり、その発見はピアノ技術者に知っていただきたい内容のものです。

「黒鉛(グラファイト)は必要か?」

動画を見ていただくとわかるのですが、先日起こったこと。
YAMAHAグランドのアクションの調整をしていた時、どうしても鍵盤、タッチが重いのです。
スティックを疑いその症状があったため直し全ての動きに問題が無いのを確認しましたがまだ重い。
原因を追求するとそれはハンマーローラーに付いた「黒鉛」でした。




レイモンド無事に納品完了 - 2021.01.20 Wed

昨年オーバーホールしたYAMAHAレイモンドモデルを購入いただき、無事納品が完了しました。


マホガニーの赤がお部屋に似合っています。
そして何より音色やタッチが気に入っていただけたこと、嬉しい限りです。


YAMAHA C3納品終わりました - 2020.09.02 Wed

福知山市の先生の紹介でうたまくらピアノ工房でオーバーホールしたYAMAHA C3をご購入頂き、納品が終わって調律に伺いました。



工房を出る前の最後の調整が3回目の鉛調整で、それまでの調整で見えてきたのが当時の鍵盤の工場でのきめ細やかな鉛調整の跡があり微笑んでしましました。
今のピアノ製造には無いことなので残念ですが、もう一度命を吹き込むために調整を行いました。

修理のピアノは出来上がるまでどういう風になるかわかりません。
技術者とすればこういう風に持って行きたいという思いで作業しますが、結果はピアノの個体差で様々です。
しかし、そこを信用してくださって購入頂いたI様、調律したてのピアノを弾いて、同じモデルの新品のピアノを弾いたのと全然違う!とのこと。


もうすぐ納品 - 2020.08.12 Wed

現在YAMAHA C3のオーバーホールを行っています。
その最終仕上げに入ってきています。

鍵盤を全て貼り替え、特に黒鍵はエボナイトから本黒檀に変更。
ハンマーも膠付け。
鉄骨も再塗装して新品同様になりました。


そしてペダルは2本から3本に変更。 ソステヌート対応となりました。


YAMAHA YUAの雑音処理 - 2020.07.16 Thu

30年前当時最高級機種として世に出たYAMAHA YUAですが、現在のピアノには無い部品を使用していることが原因で雑音が鳴るようになっています。

歴史的に古いピアノやアメリカのピアノによく使われた魚の骨と言われる構造と同じですが、これらのピアノのバネはリン青銅線で作られています。これらのバネは固有の振動が起きにくいですが、YAMAHAの板バネはそのバネを弾くだけでベーンと音が鳴ります。

この音がピアノを弾いている時に一緒に鳴ります。
この症状がYUAの最大の弱点と言われ敬遠されているのですが簡単に直るので動画で紹介いたします。



Antonin RaymondモデルG2 - 2020.05.27 Wed

現在取り組んでいるオーバーホールピアノ、アントニン・レイモンドがデザインしたYAMAHAのピアノG2。



レイモンドはオーストリア・ハンガリー帝国出身で22歳の時にアメリカに移住しました。
アメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが帝国ホテルを建設(1919年)する時に設計施工の助手として来日し彼の元影響を大きく受けました。

フランク・ロイド・ライトは「近代建築の三大巨匠」と呼ばれて日本には彼の作品がいくつかあります。ニューヨークのメトロポリタン美術館のアメリカ館に彼のコーナーがあり目玉となっています。15年ほど前に歌枕とメトロポリタン美術館に行った時に見て感動しました。

歌枕から彼の建築が自分の原点となっているといつも聞かされていたので今回のレイモンドとのつながりに驚きです。



YAMAHA特有の雑音処理 - 2020.05.13 Wed

気が付かない人も多いのですが、30年前後経っているYAMAHAのグランドピアノで起きる症状です。

ダンパーペダルを踏むと踏み終わった底の位置にペダルが来た時に「カチッ」もしくは「ペキッ」と小さな音が鳴ります。
これが気になると踏むたびに鳴るのでどうしようもなくなります。

この原因が今までよくわからず直し切らない状態のままでした。
徹底的に追求した結果、原因が解明できました。
こんな所で鳴っているのかと思うほど想定外の場所でした。





YAMAHA2本ペダルを3本に改良 - 2019.09.18 Wed

YAMAHA C3の2本ペダル時代のものを3本に改良するオーバーホールを行なっています。
年代も古いために全体のオーバーホールですが、特に響板の塗料の劣化が激しいのです。



塗料に粘着性がありホコリが全て表面に付着してしまいます。そのため響板の振動を大きく妨害してしまいます。
鉄骨を外して響板だけの状態になったときに響板の中心をげんこつで叩くと通常ならボーンと鳴るのが、ボムッ。
太鼓の音ではなくタオルを乗せて叩いているかのような音です。

もう一つこの時代の構造の弊害として、、、


YAMAHA S.C. - 2019.08.22 Thu

YAMAHA SCというモデル。
このピアノは1966年製のもので、フルコンサートグランド275cmとセミコン227cmの間に位置する250cmという今ではどのメーカーも採用していない大きさのピアノです。



稀に古くからあるホールなどに設置してることがあり、仕事をしたことがありますが、かなり大きく重いため個人で持たれるというのはなかなかありません。

今回ピアノの調子が悪く今の状態をなんとかしてほしいということで、修理のご依頼がありました。
この機種はYAMAHAの技術者でも知らない方も多く珍しいピアノで、直すノウハウがないのもうなずけます。
ましてや今回は修理の修理のためにオリジナルの寸法が殆ど分からない状態の修理でした。


バージョンアップ - 2018.08.08 Wed

現在ピアノの先生のYAMAHAグランドピアノをオーバーホールしています。
ハンマーを交換して、劣化したクロスを交換して、黒鍵のエボナイトを黒檀に交換して、アクションの質をバージョンアップしています。



ハンマー交換後行う作業で鍵盤重さ調整がありどうしても綺麗な鍵盤の動きが出ません。
鍵盤の動き出し(初動)に抵抗があり重いのです。
その後スコンと軽くなって下がります。
長年経ったYAMAHAの特徴でもあります。
なんとかしたい。




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arakipiano

Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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2021年01月27日 (水)
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2020年07月16日 (木)
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