90年経ったピアノの調律が保たないというところから依頼が始まった修理が大きなポイントにきました。
チューニングピンが刺さっている板の穴が広がってしまい保持ができなくなってしまいました。チューニングピンを太くする方法もあるのですが、過去に苦い経験がありました。
チューニングピンを太くしても3~4年でまた広がったのです。またズルズルになってしまいました。最後には1番太いピンを入れてもダメなのでピン板の交換となりました。
この経験を踏まえ今回はダメなところは最初からしっかり交換しておこうと。
この作業をしてもらえるところは機械がなければなかなか出来ないので静岡県磐田市のエスピー楽器さんの千田社長にお願いしました。

何層にもなっているピン板を一層ずつ崩していきます。

1番下の板が出てきたらそれまでの板を綺麗に剥がします。
この時代のはニカワなので最後は蒸気で。

ピン板の厚みを調整するプレス。数ミリ足りなかったので厚みを増します。

削って形を整えます。

鉄骨を乗せて厚みを見て、弦圧を測りちょうど良くなるまで削っていきます。

この時代のYAMAHAはチューニングピン周りの鉄骨の厚みが5mmと薄く、ブッシュは入っていません。

鉄骨を留めるネジの位置を確定して、接着後穴あけをしていきます。
そしてチューニングピンの穴を開け、張弦で完成です。
こういう修理がこれから大事になってきます。
古いものを活かす技術が必要な時代です。
10月後半に戻って来るのを楽しみに待っています。