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気付き 黒鍵 - 2023.01.09 Mon

2023年を迎えました。
年末から年始にかけて行っていた作業のひとつでスタインウェイの黒鍵上部部位の交換です。
なぜこの作業を行なったかというと、お客様から「同じスタインウェイでもホールのピアノの黒鍵を弾いている時の方が指が乗りやすく落ち着いて弾きやすいのに、自宅のはなぜ黒鍵から指が落ちやすいのでしょうか?」と聞かれ答えることができませんでした。
「同じメーカーで年代も近くて鍵盤会社も同じなのに黒鍵のサイズが違うなんて考えられないですよ。」と話しましたが、どうしても弾いた感じが違うのですということで、部品の誤差なのかどうかを調べるために新しい黒鍵(黒檀)を手に入れてサイズを測ることにしました。



するとどうでしょう!

反物 - 2021.06.16 Wed

ピアノの修理にはいろんな部品が使われます。
その中でピアノの材料で種類が多いのがフェルト、クロス類です。


この写真はごちゃごちゃしてますが、これでも一眼でわかるように綺麗にまとめられた状態です。

さて、どんな種類があるのでしょう?
色は赤、白、濃い緑、黄緑、茶、黒など。
厚みはクロス1.0mm 1.1mm 1.2mm 1.3mm 1.5mm 1.8mm 2.0mm 3.0mm 7.0mm
フェルトは1.0mm 2.0mm 4.0mm 5.0mm

落書きの場所 - 2021.04.10 Sat

こんな所になぜ落書きをと笑ってしまう出来事がありました。
小学四年生の女の子が弾いているアップライトピアノ。
毎日練習を楽しくやっているとのこと。

お母さんとお嬢さんが作業を見ている中、ピアノを開けて調律をする前の掃除をするとき鍵盤を外していると、ある鍵盤に差しかかったところで、
「荒木さん、これ見てください!こんな所に落書きしますか?!」と言われその鍵盤を見せてくださいました。

それには可愛い可愛い理由が。





このご時世ですが - 2020.03.07 Sat

日本にとどまらず世界は今大変な状況に置かれています。
今回のコロナウィルスの影響は様々な面に影響を与え、私たち音楽に関係する業界でも多大なる損害が出ています。
アーティストが何ヶ月もかけて練習準備したものが中止になりその保証もありません。
それに関係するピアノ調律も全てキャンセル。どんどん増えています。
終息はするのでしょうがまだ先が見えません。



しかし、ありがたいことにうたまくらピアノ工房では変わらず修理のご依頼、オーバーホールをしている国産ピアノのご購入、家庭調律のご依頼を順次頂いてフル回転しています。

この状況に負けず今だからできることを誠意を持って行っていきます。
ご要望があれば是非お問い合わせください。
utasha@utamakura.co.jp

鍵盤のふた - 2016.09.21 Wed

武生国際音楽祭2016も終わり、大阪に戻って通常の作業に移っています。
今日伺ったお客様のお宅で気になる出来事があったので、是非お伝えしたいと思い、書かせていただきます。



現在の新品ピアノは鍵盤蓋がゆっくり閉まる「ソフトランディング機構(スローダウン機構)」を取り入れている物が多くあります。
フタがゆっくり閉まる、指を詰めない、という意味合いです。
多くのアップライトピアノと、グランドピアノは鍵盤蓋の構造が違うため、ソフトランディング機構が違う場合があります。
また、後付けの物も出回っています。

しかし、本当にこれらが必要でしょうか。
実はある時、こんなことが起きました。




便利さの裏にあるもの - 2016.05.11 Wed

渾身の演奏をして録音しました。
その録音を一度聴いていただけないでしょうか、と言われました。
その理由はホールで弾いた響きと、録音した自分の演奏を聴いて、かけ離れているように聴こえるのはどういう理由か教えてほしい、ということでした。

ホールは1000人入る規模のホールでピアノはスタインウェイのフルコンサートグランド。
曲はバッハの平均律。
聴いた音源はスマートフォンの録画機能で撮ったものでした。
それを小さな小さなスマートフォンのスピーカーで聴かれていたのです。
これ以外の環境では聴いたことがない、という点に違和感を覚え、お話しを伺いました。

本物のピアノの音と、そのスピーカーから出てくる音との差は歴然でした。
録音をしたものが、現場で聴いたものを捉え、全て表すことができる、という思い込みが原因でした。
録音するマイク、録音する機械、をれを聴くスピーカーでオリジナルの音からはかけ離れたものになっていきます。
つまり作られた音。

便利な世の中になって、いつでもどこでも録音録画ができる時代です。
音楽も簡単に持ち歩け、生演奏を聴く機会が減ってきました。
今の環境からどんどん手軽で便利な方向へと進んでいます。
便利さは悪いとは思いませんが、本物はどういうものかという基準をしっかりと持っていないと、便利さに消された基準で感性が出来上がってしまうということを知って、考えさせられた出来事でした。

本物のピアノの音を的確に自分の言葉で表現される感性をお持ちの方なので、ちゃんと方向性を見定めれば大丈夫だと思います。
本物を聴いて基準を作る、大切なことです。

「こなす」仕事から「いただく」仕事へ - 2012.02.24 Fri

だれだれさんからの紹介でお電話しました、メールしました。
と嬉しいご依頼がありますが、昔以上にこれらの仕事を真剣に考えるようになっています。

だれだれさんにしてみれば、今まで不具合があったり、調律師とうまく行かなかった中で、誰か今の状態をより良くしてもらえる調律師を紹介して欲しい、話の分かる人を紹介して欲しい、と切羽詰まった状態で相談を受けられているはず。
相談する方も、今の状態を良くするのに、誰に頼んだら良いか信頼出来るピアノの先生に相談するしかない、もしくは、ネットで自分の感覚を信じて探すしか方法がないと必死に探しておられるかもしれません。

いずれにせよ、頼まれたピアノに誠意をもって仕事をしないと、紹介して下さった方、そして持ち主に対して申し訳ありません。

昔は、技術があってあたり前でそれを見て頼んでくださるのは当然のこと、と思っていた時もありました。
技術というのはなかなか眼に見えないものです。
たとえ技術が見えても、良いのかどうかの判断は難しいところです。

技術的に作業はクリアーできたとしても、それを伝える手段やコミュニケーションがまずいと、技術を含めたトータルで否定されてしまいます。

悲しい事です。





「これは、こんなもんですよ。」の怖さ - 2011.07.13 Wed

最近、伺ったお客様のお宅で連続して聞いた話です。
自分のピアノに何か疑問を感じて、不都合を感じて、調律師に聞いたら返ってきた言葉が、
「このピアノは、こんなもんですよ。」
「この症状はこんなもんですよ。」
と言われて何もしてくれなかった、ということです。

目線の違いでもあるかもしれませんが、調律師の仕事は、調律師の感覚でピアノを見た後、最終は弾き手視点で見ないととんでもないことになります。

弾き手にしてみれば、何か違う、何か不都合を感じると思って解決して欲しいのに、その不都合が普通のことだとプロに言われたら、元も子もないということです。
もっとも、全く見当違いのことを言っていれば別ですが、一回じっくりと言われた言葉を噛みしめれば見えるところがあります。

今回の具体例は



押す文化と引く文化 - 2010.03.18 Thu

つまり西洋と日本ということなんですが。



今日から尾道で仕事です。
毎年ここに来るたびに見に行く所があります。
そこは打ち刃物屋さん。

とにかく、良く切れて長持ちするはハサミ欲しいのです。
日本刀から包丁まで、もちろんハサミも売っています。


和バサミと洋バサミ

改めて文化の違いを見ました。




それ本当ですか? - 2009.12.15 Tue

関東方面の仕事から帰ってきて、今日伺ったお客様と先日伺った東京のピアノの先生の話がかぶったので、びっくりしてしまいました。

関東と関西という地域差はあると思います。
ましてや他の地域ではこんなことがありえるのかと、調査したいくらいです。

東京のピアノの先生のお話。
子供さんを教室で30人ぐらい教えられているそうです。
その子供さん、誰一人としてピアノを持っていないとのこと。
ピアノの代わりはデジタルピアノ。
調律の紹介が無いのを、「ここは東京の真ん中で、地域的にピアノが少ないところかもしれません。」と言われています。

そこで、先生は生徒さんにまず教室のピアノでレッスンをする時、最初に言うことがあるそうです。
それは、




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arakipiano

Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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気付き 黒鍵
2021年06月16日 (水)
反物
2021年04月10日 (土)
落書きの場所
2020年03月07日 (土)
このご時世ですが
2016年09月21日 (水)
鍵盤のふた
2016年05月11日 (水)
便利さの裏にあるもの
2012年02月24日 (金)
「こなす」仕事から「いただく」仕事へ
2011年07月13日 (水)
「これは、こんなもんですよ。」の怖さ
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2009年12月15日 (火)
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