もちろんアクションなどにいっさい樹脂は使っていませんし、基本的な状態はいたってスタンダードです。
そのスタンダードが今までの中国製にはありませんでした。
どこか癖があり、支障があり、壊れており、など挙げればきりがありません。
25年前の話ですが、中国製のピアノの調律をした時、ピアノを開けてびっくりです。
弦の色が3色でした。
赤錆の赤、黒錆の黒、カビの白。
番手ごとに違っており、まるで3色シマウマでした。
こういう時代から、今では世界中のピアノメーカーが中国に来て、生産しています。
と言うことは、世界一流の技術もどんどん入って来ているのです。
良くならないわけがない。
悪いピアノは売れませんからね。
今では世界中のピアノ生産台数の6割がアジア地域(日本含む)だそうです。
ヨーロッパからどんどんアメリカから日本、そしてアジアへと西へ西へ生産拠点が移動していきました。
そして、スタインウェイまでもが中国で廉価版を作っているということになっているのです。
でも正直、へたな国産よりしっかり木で作っていて、きれいで、安くて、デザインもしゃれててとなれば、世界的に売れるのもうなずけます。
日本というマーケットは難しいかもしれませんが、最後はピアノがものを言うかもしれません。
恐るべし、中国!
ところで、このエセックスは本当に嫌な癖もなく、作業もやりやすく、音色も落ち着いていて、しっかり手入れをつづければ、楽器として育っていくような気がしました。