国産ピアノでも珍しいメーカーでシュヴァイツァースタインの修理をうたまくらでさせていただきました。

N様は今は亡きお父様から買ってもらったピアノで、思い出のいっぱい詰まったピアノだそうです。
購入当時、かなり高額だったそうです。
それをもう一度しっかりと鳴らせて、弾いていただけるように修理です。
湿度が高いところでおきる典型的な修理とも言えますが、ヤマハ、カワイ以外の国産メーカーでよくおきるものです。
金属部分のメッキの表面にホコリが付き、固まって、ヤスリ状になってクロス類を削ってしまいます。


丸い小さいスプーンに汚れがついてザラザラになっています。

そのザラザラで削りとってしまったクロスです。
滑りを良くしようと、当時の技術者は黒鉛を塗っていたようです。
真っ黒です。

綺麗に張り替えました。


鍵盤のバランス部です。
ここの赤いクロスも消耗してしまいました。
アイロンを当てて、蒸気で剥がします。

ひとつひとつニカワで貼っていきます。
ニカワの最大の特徴は修理がしやすいので早いということと、固まった後、木のように硬化します。
音の響きを伝えやすいですね。


鍵盤の修理も終わり、アクションも出来上がり、後は現地での調整を待つばかりです。
果たしてどんな音で蘇るか楽しみです。