ベヒシュタインの嫁ぎ先 - 2012.06.03 Sun
嫁入り - 2012.03.05 Mon
3年前にオーバーホールをしたピアノの嫁入り先が決まりました。
40年前のピアノ、BECHSTEIN ベヒシュタインのグランドです。Made in WestGermanyです。
1971年というと私はまだ7歳、その時にできたピアノです。
冷戦まっただ中の時代。
もう少し大きくなって歴史の勉強をやりだした頃、世界は西と東にわかれていて、、、
文字だけのことでは私の頭の中には何も残りませんでした。
その15年後にドイツ、ベルリン行くことがあったのですが、東西の違いは雲泥の差でした。
住んではいないので、その過酷さはわかりませんが、東ベルリンに行く機会があり、駅で飲んだ生温くて、炭酸の少なく薄味の東ドイツ製コーラの味は忘れられません。
その数年後壁は崩壊します。
そして、すぐベヒシュタインの工場研修に行く機会が出来ました。
40年前のピアノ、BECHSTEIN ベヒシュタインのグランドです。Made in WestGermanyです。
1971年というと私はまだ7歳、その時にできたピアノです。
冷戦まっただ中の時代。
もう少し大きくなって歴史の勉強をやりだした頃、世界は西と東にわかれていて、、、
文字だけのことでは私の頭の中には何も残りませんでした。
その15年後にドイツ、ベルリン行くことがあったのですが、東西の違いは雲泥の差でした。
住んではいないので、その過酷さはわかりませんが、東ベルリンに行く機会があり、駅で飲んだ生温くて、炭酸の少なく薄味の東ドイツ製コーラの味は忘れられません。
その数年後壁は崩壊します。
そして、すぐベヒシュタインの工場研修に行く機会が出来ました。
ベヒシュタインの音源 - 2009.09.18 Fri
トータルセンス抜群 ベヒシュタイン - 2009.05.20 Wed
お嫁入りが決まったベヒシュタイン。
そのK様宅への納品の日お邪魔しました。
玄関の曲がり角も何のその、いつもの運送屋さん阪神ピアノ運送に任せておけば安心です。

狭いドアのところもゆっくりとスイスイと。
置かれたピアノを見てびっくりです。
ベヒシュタイン トロピカル仕様 隠れた技Vol.3外装編 - 2008.11.09 Sun
トロピカル仕様の外装編です。
大きく違うのは接着剤です。
そう膠(ニカワ)を使用しているために湿気で剥がれてしまわないよう、全てネジ止めされています。

木目の装飾のところ。(真鍮ネジの向きを揃えています)
鍵盤蓋のカーブのところは接着されていません。(実はカーブになっているように見せて、裏からはL字の真鍮金具で支えているだけ)

ロゴもどことなく雰囲気が違います。

最後に鍵盤です。
通常、白鍵は上面と手前のところとで2枚の部品を貼付けていますが、そこも剥がれやすいので一体化になって、しかも真鍮ビスで止めています。
その2つづつの点がチャームポイントかもしれません。
このトロピカル仕様の音色は今度の土曜日曜のコンサートで!
ベヒシュタイン トロピカル仕様 隠れた技Vol.2 - 2008.10.18 Sat
ベヒシュタイン トロピカルの第2弾です。
写真では見にくいかもしれませんが、普通木でできているところが真鍮でできています。

特にアクションのあらゆる部品がいくつものパーツの組み合わせで、それぞれに湿度の影響があっても、極力変化の少ないものを作ろうとした技には脱帽です。
フレンジと言うネジの下にある平らな部品も普通は木でできていますが、真鍮です。
そしてそのフレンジに付いている緑色のひもも、例のごとく真鍮の糸が編み込んであり、切れないようにできています。
この真鍮製フレンジの極み付けをもっと100年以上前のエラールのアクションで見たことがあります。
いつの機会かにお話しできたらと思います。
そしてフレンジを取付けている鉄板も普通は木の板です。

そして、ピン板の上面には真鍮のプレートが覆いかぶさっています。
また、弦の下にある真鍮の板も、通常はフェルトでできています。
通称「弦まくら」です。
見た目にもトロピカルかもしれません。
でも音色は決して派手ではなく、ベヒシュタイントーンのより洗練されたものを感じました。
内部の細かな技には挙げるときリがありませんが、次回は外装を取り上げてみたいと思います。
ベヒシュタイン トロピカル仕様 隠れた技Vol.1 - 2008.10.05 Sun
あまり聞き慣れない言葉だと思います。
ピアノのトロピカル仕様。
3年前にある方の紹介で、古いお屋敷にピアノが置いてあるというので、一度見てもらえないかということで伺いました。
この日がダメなら2~3日中に屋敷ごと取り壊すので、絶対この日と指定されて行ってみると、すすけたピアノがホコリまみれになって、音が出ない状態で置いてありました。
鍵盤蓋のホコリを払いロゴをよく見るとC.BECHSTEINとなっています。
これはベヒシュタインですよ!
でも今まで見たものと何かが違う?
木目もホコリで真っ黒になっていて、その外装にいくつも突起物が、、、
それはネジでした。
是はもしかして、スタインウェイの工場にいた時見たものと同じような、トロピカル仕様?
鍵盤や中のアクションを見るとまさしく、トロピカル仕様でした。
東南アジア向けの湿度の高い地域用ピアノでした。
当時華僑などアジアの貴族、お金持ち用に作られていたそうです。
そのからくりは後ほどじっくりと写真で説明します。
すぐ運送屋さんの手配をさせていただき、オーバーホールさせていただきました。
このお屋敷におられた方が80年ほど前にドイツへ行って買って持って帰ったというもの。
当時の接着剤は膠(ニカワ)を使っており、(今でも一流メーカーは音として肝心な部分は膠で接着しています)今と違ってボンドはありませんでした。
利点はいろいろあります。
詳しくはこちらで。
最大の欠点は湿気。
湿度が高いとニカワが溶けて接着が剥がれてしまいます。
それを防ぐための技の数々。
隠れた技1
アクションの全ての接着部分を糸で縫って補強してある。

ハンマーバットと呼ばれる部品で、皮、フェルと、クロスなどが接着されています。
その部分が剥がれないようにしっかりと縫ってあります。

ダンパーフェルともしかり。
あえてこの時代のものを残して修理しました。

そして皮などは真鍮ビスを打ち込んでいます。

そして圧巻は緑色に見えるテープの部分です。
通常これは布製でできています。
一カ所だけちぎれていたので交換しようとして切ろうとしても切れませんでした。
よく見ると(写真では見にくいです)細い真鍮の糸を編み込んで、切れにくくしていました。
次回は
隠れた技2
木部をなるべく使わず、真鍮にしている。
をお届けします。
ピアノの全容はこちら。
お楽しみに!
ベヒシュタイン 136cm - 2008.08.27 Wed
ベヒシュタイン 100歳100歳Vol.3できあがり! - 2008.07.11 Fri
ベヒシュタイン 100歳100歳Vol.2 - 2008.07.08 Tue
今週の日曜日に行われるコンサートに間に合うように、今一生懸命修理調整しています。
この時代のベヒシュタインを何台か修理してきましたが、30~40年ずっと同じ形式で,同じ設計で同じ材料で作られているのがすごいです。
今ではどうやってコストダウンするかを日々追求しているので、どんどん部品も変わっていくピアノを見ていると、本当に良い時代だったのだなと思います。

写真はペダル部分を分解したところですが、スプリングは真鍮でできていまして、磨くと金ピカになります。
ピアノの下のフタを開けると,金色に輝くところがいっぱい!
でも今は汚れなどで曇っているので,ひたすら磨いています。
このペダルの構造もずっと変わらずきていました。
外しやすく修理しやすく、組み立てやすい。
何世代も保たせる目的で造っているので、当然かもしれません。

外装もハゲハゲだったので、この当時の塗料、植物性ニスを使って表面を保護します。
出来上がりはまたアップいたします。
外見もですが、なんといっても音が素晴らしいので驚きです。
うたまくら茶論のベヒシュタイン・パリッサンダーの系統に似てると思うのは私だけでしょうか。
パリッサンダーの音はこんな感じです。(本当は実際に聴いていただきたいのですが)
このピアノでどんな曲が聴けるかは今度のコンサートでのお楽しみですが、早く完成させないと!