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ベーゼンドルファー 170 1979年 - 2013.11.13 Wed

素晴らしい時代のベーゼンドルファーがやって来ました。
PB110004.jpg

この時代のベーゼンドルファーを何台か作業したことがありますが、どれも響きに奥行きが感じられ、とろけるような音色です。
pp〜mpがの響きが特に素晴らしく、部屋中に響き渡ります。
170cmという小さなボディーから、なにか秘められているかのようで存在感を表す音の魂が聴こえてきます。
ピアノって大きさではないのだなあと、つくづく感じさせられるピアノの一つです。

ベーゼンドルファーの歴史は様々な所で紹介もされているので、省きますが、その時代時代でピアノの構造が違います。
1980年代に入ると今までの響きに疑問を持って試行錯誤の時代に入ってしまい、構造が定まらず揺れ動きます。
1970年代までの良き時代のベーゼンを探すのは結構大変なことです。



ベーゼンドルファーのその後(2ヶ月後) - 2008.02.05 Tue

昨年の買収騒動から2ヶ月が経ち、いろいろ方向性が出てきたようです。
ミュージックトレードという音楽業界専門誌の中で記事が出ていたのでまとめてみました。


今までは、、、
ベーゼンドルファーの年商は21億円、年間にグランドピアノを308台、アップライトを35台生産。
年商分の買収金額ということですね。



買収目的と再建の施策は、、、
ベーゼンドルファー社の音作りを継承しつつ、ヤマハの経営資源を活用して再建し、ブランド価値を向上させるとした上で、買収する価値ありと判断した。



そしてこの三点を強調、、、
「同社との技術交流により、ヤマハピアノの強化を図る」
「プレミアムピアノ領域における顧客の多様なニーズに対応し事業成長を遂げる」
「楽器業界、音楽会でのネットワーク拡大」



それ以外に、、、
サイレントや自動演奏などヤマハの得意とするハイブリッド技術の搭載や、アーティストリレーションにおけるシナジー効果も高めたいとのこと。



そして約束として、、、
両者それぞれの音作りの特徴はあくまでも堅持。ベーゼンドルファーが外注しているパーツ類の供給は協力できるのではないかとしながらも、ベーゼンドルファー社の生産拠点、従業員を含む生産体制、仕様、製造方法、音作りの方向は変えないと断言。



経営不振の分析、、、
「調査の結果、ベーゼンドルファーの不振は商品力ではなくマーケティングに問題があったと判明しました。」



ヤマハとベーゼンドルファーの相違についてヤマは首脳陣の見解、、、
「ヤマハのピアノは大ホールで音が通り、豊かな響き。一方ベーゼンドルファーは独特の響きの豊かさ、暖かい音色が特徴。ベーゼンドルファー社を訪問してみて、金属フレーム、ウッドフレームーつとってみても、役割に関する考え方が随分違うことがはっきり分かりました。ヤマハのウッドフレームはやや堅めの木、ベーゼンドルファーは響板と同じ木材を使用しています。目指す音が違うのですから、設計思想は当然異なります。また、近代的な設備が多いことや環境問題にも対応していることを確認しました。」



これから、、、
ヤマハ、ベーゼンドルファーそれぞれ別の営業マンが担当し対応する。掛け持つことはない。技術者についても同様で、ベーゼンドルファーについては経験者の起用も考えている。」と両者を明確に分けると明言したそうです。


そしてこの記事の最後にこう締めくくっています、、、
ピアノメーカーとしてのヤマハという一面ではなく、音楽、音響をも包含する総合メーカーとしてのヤマハグループの底力を考えると、ベーゼンドルファーはかつてない飛躍のチャンスを掴んだと言える。





ということですが、技術者として思うには、現場の職人さんの心が技術として入っているピアノがどこまで作れるか、非常に心配です。

弾き手には伝わるから。

ベーゼンドルファー 捜し続けたピアノ - 2007.12.07 Fri

S様のこのベーゼンドルファーは約20年経ったものですが、非常に良い状態で2年前日本に入ってきました。
やはり日本の環境で20年経ったものとは違う、楽器として乾いた状態の安定したものでした。

S様はあるホールでベーゼンドルファーと出会われて、それ以来魅せられたそうです。
そして捜し続けてようやく2年前このピアノのお世話をさせていただけました。
イメージ 1



やはりいろんな所のちょっとした工夫がこのメーカーのこだわりを感じます。
イメージ 2

アクションの中の白い突起物が見えますが、これはスプリングの力をネジ式に調整できるもので、通常は付いて無く、スプリングを伸ばしたり縮めたりしての難しい作業です。
技術者にとっては非常に便利なものです。
また、雑音が少ないのも特徴です。
しかし、コストが高いのであまり採用されていないのが現状です。



イメージ 3

巻き線も工夫個所の一つで、ベーゼンドルファーは真線に銅線を手巻きで巻くのですが、巻き始と巻き終わりに工夫が見られます。
通常銅線を巻いたら、終わった時点でブチッとちぎるのですが、そこからほどけて来てジンジンと雑音の原因になったりします。
でも写真のように、銅線の始めを薄くつぶしてよりしっかりと密着するように巻いています。
これも手間ですね。


イメージ 4

そして鍵盤には通常クロスを使用する所が、鹿革を使用して耐摩耗性を考えています。

ただし、今のベーゼンドルファーはこういう細かい部分がどうなっているかは知りません。
コストがかかるためいつまでも採用しにくい部分でもあります。

イメージ 5

いつまでもこのように
Bosendorfer
Wien
と書かれ続けていって欲しいです。


これからもこのピアノで語りかけるような音楽を、音色を奏でていってください。

ベーゼンドルファーで思うこと - 2007.11.29 Thu

もう皆さんご存知のことと思いますが、ウィーンのベーゼンドルファー本社がヤマハに買収され、日本の総代理店だったハピコ社(日本ベーゼンドルファー)がこの騒動とは関係なく多額の借金を背負い破産しました。

日本のホール、各家庭に納められているベーゼンドルファーのピアノたちの管理、アフターフォロー体制、いっぺんに崩れていきました。
勤めていた私の後輩も即日解雇。
今は失業中。

この世の中ではよくある当たり前のことかもしれませんが、なんともつらい出来事です。
このピアノを弾いて虜になった方、一度は弾いてみたいと思っている方、このピアノの技術を知り、磨き上を目指す技術者。
それぞれの思いはどこへ・・・・

製造元、販売元それぞれが一新して、今まさに日本で大きく流れが変わっていくような気がしてなりません。

良いものを作っているだけで生き残れる時代ではないのはわかっています。
でも心あるものを作らないと見ている人は見ています。
感じる人は感じています。

明日は我が身と気を引き締めて見守っていきたいと思います。

ベーゼンドルファー 200 1973年製 - 2007.10.22 Mon

貫禄のあるピアノです。
イメージ 1




ベーゼンドルファー、ウィーンならではの音、感触、すべてがこのオリジナリティあふれる楽器として、ピアノ界に君臨しています。


イメージ 2

イメージ 3

この持ち主I様はこのベーゼンドルファーに魅せられて買われたそうです。
今は5歳の息子さんが、I様の弾いていたアップライトを自分のピアノとして、練習しているそうです。
ベーゼンはパパの!だそうです。
ちなみに木で作られている譜面台はI様のお父様の作品です。


イメージ 4

低音1Aの鍵盤に 57 と書かれています。


イメージ 5

これは次高音の場所で 47 と書かれています。


全部の機種ではないと思いますが、写真のように鍵盤の重さが書かれていて、このモデルは
 低音57g~高音47g
段階に分かれています。
10gの違いは大きいですね。
でもちゃんと意味があるのだと思います。

スタインウェイの同じサイズのモデルでは
 52g~47g(コンサートモデル)
 通常47g。


この重さのバランスも音として出てくるのですね。
低音のズーンと言う芯のある音、高音の澄み切った透る音。

イメージ 6

支柱も独特です。


この頃のピアノの共通点は象牙の最後の頃でもあるのですが、個性がはっきり出ていて、それによって好き嫌いもはっきりあるように思います。



次回の調律のときは、是非お子さんのいる時間帯に伺うことをお約束しました。
一緒に手伝ってもらい普段見れないところを是非覗いてもらおうと思っています。
奥様と一緒に。

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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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2013年11月13日 (水)
ベーゼンドルファー 170 1979年
2008年02月05日 (火)
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2007年12月07日 (金)
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2007年11月29日 (木)
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