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企画レポート - 2007.07.31 Tue

企画レポートをアップしました。


「時代を語るピアノの響き」 コンサートレポート
素晴らしい感想をお寄せいただきました。



「調律・音合わせの秘密」企画レポート





是非ご覧下さい!




株式会社うたまくら
http://www.utamakura.co.jp

鍵盤の重さ 鉛調整の技術研修 - 2007.07.29 Sun

8月12日(日) 鍵盤鉛調整の秘密


鍵盤の重さを決める重要な作業がしっかり行われているピアノは大変少ないです。
鍵盤が下がるスピード、上がるスピード、感触、全てが兼ね備えられ最良のタッチに仕上がります。
ワンランク上の調整の秘密に迫ります。


日 時2007年8月12日(日) 15:00~18:00
会 場うたまくらピアノ工房
料 金¥3,000.- (税込み)
お 話荒木欣一
対 象技術者(一般の方でご興味ある方も受け付けます)
使用楽器うたまくらピアノ工房展示楽器



なぜこの企画を考えたかと言うと、ある家庭調律がきっかけでした。
YAMAHAのグランドピアノの整調を頼まれて、かなり細かい作業を行うとびっくりした結果になりました。
精度の高い調整を行って、それに伴う繊細なタッチが出来上がると思ったのですが、結果タッチはそろいましたが、鍵盤の重さがバラバラになってしまいました。
つまり、最初から工場出荷時点で鍵盤の物理的重さのバラツキがあって、アクションの調整がきちっとできていなかったのが、その物理的重さのバラツキをオブラートに包んだように曖昧にしていました。

スタインウェイのように一流のメーカーは工場での製作段階で、何度も手間ひまかけて鍵盤重さ、鉛調整を行います。
それだけ整調や、アクションの変化で重さが変わってくるのです。

国産ピアノの多くは設計時点での鉛の位置決めしか行っていません。
同じようにやっているとコストが上がってしまいます。
鍵盤は1本1本重さが違います。
ハンマーも、アクションも同じく一つ一つ違うために、それに合わせた鍵盤の鉛調整が必要なのです。
特に国産メーカーで物理的重さが重すぎるピアノもよくあります。


そして、オーバーホールを行ったピアノで鉛調整が施されているピアノも少ないです。
よくメーカーでオーバーホールしてもらいました、と言われ見ますが、実際始めより弾きにくくなったと聞くこともよくあります。
たいがい鉛調整がされていません。
特にハンマー交換とセットの作業になるのに完全に省かれています。
国産的な考え方ですと部品は右から左への交換すればそれでよし。
交換だけではそろう物ではありません。

技術者の方へ
この作業を行うことにより、より高度な整調が可能です。
それによって弾く方の満足度もかなり上がってくるはずです。
お客様にもご案内できます。
ワンランク上の作業を行いませんか。

演奏者の方へ
うまくトリルなど早いパッセージが弾けないとお感じの方、ppが弾きにくいとお感じの方。
ご自分の演奏上の鍵盤コントロールは決してテクニックが未熟だからではありません。
ピアノのせいかも知れません。
ご自分のピアノの鍵盤重さを一度測ってみてください。
右ペダルを踏んだまま10円玉を手前に載せて、何枚で鍵盤がゆっくり下がり始めますか?
それが低音、中音、高音とそろっていますか?
(湿度の高いお部屋、長年調整を行っていないピアノは正確な数値は出ません)

ヤマハなどの精度の高いアクションではかなり効果があると思います。
そういう作業が十分できるピアノだとも思います。

一般の方も含めて是非重さの秘密に触れてみませんか。



株式会社うたまくら
http://www.utamakura.co.jp/

ベヒシュタイン 「縁」 - 2007.07.28 Sat

このベヒシュタインをお持ちのO様はあるご縁でお会いでき、修理前のピアノを見初めていただき購入してくださいました。

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ご夫妻そろって音楽をされており、ご主人はオーケストラのトロンボーン奏者。
また、気さくな方で、かつ何事も熱い方です。
奥様とそろって本当に仲の良い音楽家族です。

ご夫妻そろってドイツに住まわれていたことがおありで、本当にドイツの音をご存知です。
今回はピアノが来て1年経っての変化を見させていただきました。
O様が弾いている楽器を見るといろんなことが見えてきます。
繊細な音が出しにくい状態になっています。
O様とのコミュニケーションで、お部屋には大きすぎる音量と音色をそろえることになりました。
よく練習されていますね。



ピアノは1896年製で、ベヒシュタイン社の創始者カール・ベヒシュタインが生きていた時代のピアノです。

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ベヒシュタインならではの特徴のアグラフ。
今では採用されなくなってしまいましたが、この時代のピアノを触ればその木の音が空から降ってくるように感じます。
ピアノの周りのリムも形が特徴的です。

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奥にはご主人のトロンボーンも見えます。



この修理はかなり気を使いましたが、100年前の物も蘇る一つの良い自信となりました。

またこの時代の物は、当時の職人魂が伝わってきます。
アクションにまでしっかりとブランドと、住所まで刻印されています。
ちなみにフランス、パリ製アクション、シュワンダーです。
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いろんな形でむかしの本当に良い物を現代に伝えることはできると思います。
すべてがオリジナルというのは楽器として非常に難しい物があります。
使用に耐えられない物は楽器として意味が無いので、それ相応の修理が必要になります。
これからも新しく生まれ変わらせて現代に通じる物を紹介していきたいと思います。




本当に縁とは不思議な物で、最後には楽器だけではなく人間が「縁」を運んでくる物だと信じています。
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是非O様のブログもご覧下さい。
この秋にはこれもある「縁」で(実力です)ドイツの音楽祭に呼ばれてリサイタルをすることになったそうです。
がんばってください。
http://blog.livedoor.jp/hirokoelsch/


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うたまくらピアノ工房 新生楽器
http://www.utamakura.co.jp/piano/sinsei/sinsei.html

ボールドウィン 母の思い出 - 2007.07.27 Fri

今回はボールドウィンの紹介です。
昨年うたまくらで修理させていただいたピアノです。
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というよりこのピアノをお持ちのD様のことを少しご紹介できればと思います。
今年72歳で今でもピアノを習われています。

ピアノをされたきっかけは戦争時代になります。


小学校の頃に神戸にいらしたD様は戦火が悪化したなか、疎開先である香川県に行かれました。
生まれつき心臓の弱かったD様は子供だけで行く学童疎開ができず、縁故疎開をされました。

その香川県の地でヴァイオリンの響き、室内楽の響き、合唱の心地よさを知りました。
それが縁でヴァイオリンを始めたのですが、あまりの音の凄さにお父様から「もう辞めてくれ!」と言われ、自分も自身の音にびっくりしたそうです。

そしてそこで歌った荒城の月、いろんな唱歌。
高校まで7~8年いた香川での音楽の思い出が、強烈に心に残っていました。



そして戦後、年月が流れ娘さんのためにピアノを買ってあげるときに、絶対自分も気に入る物をと思い、ボールドウィンを決められました。
娘さんが弾いていても、やはり自分が買ったピアノという意識が強かったそうです。
そして、ピアノを弾くのが夢だったそうです。


親戚からは心臓が悪いため長くても20歳ぐらいまでしか生きられないだろうと言われていて、それが今では長生きしている自分は何のために生きているのだろうと。
そのとき、生んでくれた母を見るために自分は今生きているのだと、思いました。

そして、D様のお母さんが寝たきりになったときにピアノどころではない生活が始まりました。
移動のお風呂を部屋でするのですが、それがピアノの置いてあるリビングでの入浴です。
お母さんとピアノが一緒にお風呂に入っているような気がして、ずっとピアノを気にしていました。
ここでの環境がピアノを錆びさせ、修理になってしまったようです。


しかし、ここで奇跡が起きました。
寝たきりのお母さんはほとんど会話もできません。
なにげに弾いた唯一片手で弾ける荒城の月をポロンポロンと弾き始めると、なんとお母さんが荒城の月を歌い出したのです。
D様は涙が止まりませんでした。




その後お母様は亡くなられました。




ようやく自分の時間ができ、子供の頃の夢だった音楽、しかもピアノをするということを考えましたが、鍵盤が動きません。
移動お風呂が原因で湿気などで動かなくなってしまいました。
近くの楽器店の調律師を呼んでみてもらうと、「これはもうダメですね、何なら買い取りますよ。」
鍵盤の下にアクションがあるドロップアクションだったため、技術者にとっては大変面倒なピアノです。
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自分の夢だったピアノ、娘のために買ったピアノ、そして母の思い出の詰まったピアノをいとも簡単に投げ捨てるように言われたときの悲しさはありませんでした。



そして、縁あってうたまくらで修理することになり、ピアノが蘇りました。
何よりもうれしく、生涯このピアノを手放しません、と言われていました。


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D様に取っては世界一のピアノだと思います。
それに少しでもお力になれて本当に良かった思いました。


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株式会社うたまくら
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グロトリアン-シュタインヴェッヒ 110 - 2007.07.26 Thu

GROTRIAN-STEINWEG 110 1964年製

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このピアノをお持ちのT様は三世代に渡って使われています。
おじい樣がドイツにいらした時に購入され、しかも日本に持って帰るときに車かピアノかという選択でピアノを選ばれたそうです。

それが今、小学2年生のたっくんが弾いています。
ちょうど夏休みなのでよりピアノに興味を持ってもらおうと、一緒にピアノの掃除をお願いしました。

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すると目をキラキラと輝かせて興味津々と手伝ってくれました。
この経験が一つの思い出となって残ってもらえればと思っています。

子供さんがいるご家庭では極力子供さんに、ピアノに触ってもらえるよう手伝ってもらいます。
ピアノの中身はこんなになっているんだ、こんなにバラバラになるんだ。
自分で掃除をすることによりきれいになり、愛着が増します。
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きっとおじいさんの買われた意味、お父さんが引き継がれた意味、それを使って弾いていく意味が分かる時が来るよう願っています。

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この時代のグロトリアンは通常鍵盤にクロスを使用するところに、皮を使用していました。
こんな小さな機種にまで差別をしないこだわりと自信が見えます。
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一人の人間よりも長生きするピアノ、次の世代にしっかりと渡せる仕事をあらためて心がけたいと思いました。
本当にピアノを通して見えてくる物があると実感しています。
そしてこういうピアノをお持ちのお客様と出会えるということが、この仕事を続けていく一つの魅力となっています。

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グロトリアン-シュタインヴェッヒ 企画レポート
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/070415/kikakugroton.html

株式会社うたまくら
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ベヒシュタイン 1892年製 - 2007.07.24 Tue

今日はうたまくら茶論にあるベヒシュタインとほぼ同じ時期のピアノの調律でした。
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透かし彫りの上前板で、何ともうっとりする音色です。
このピアノはM様がお持ちでこの時代のこの音色に惹かれたそうです。
ほとんどがオリジナルの状態にありますが、あらためてこの時代の職人技に脱帽です。
何世代にも渡って残る良い物を作ろうとしてできているので、100年以上経っても伝わって来る物があります。

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型番があまり良くわからないのですが、とにかく大きいピアノです。
140cm近くはあるかと思います。

その証拠にアクションはフランス製シュワンダーアクションのエクステンション付きアクションになっています。
通常のよりも長く高くなっています。
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M様は115年目にしても毎年調律をやっていただいているので、こちらも引き締まる思いで作業をさせていただいています。
先人から怒られないように。

来年もよろしくお願いいたします。


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ベヒシュタインの企画を行ったときのレポートもありますので是非ご覧下さい。
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/070624/kikakubechup.html


株式会社うたまくら
http://www.utamakura.co.jp

調律、音合わせの秘密 - 2007.07.21 Sat

明日、うたまくらピアノ工房で毎月行われている企画を行います。

毎回テーマを設けて、その時ならではの企画の内容にしています。
今回は以前から取り上げてみたかった調律の企画です。
単純に音合わせがどういうものなのかをいろんな実験を交えて、熟練調律師の技をお見せ、お聞かせできると思います。

自分でも疑問に思っていたことを解明できること、何よりもやる本人が理解して楽しまなければ伝わらないと思います。

結果はまたレポートでお知らせしますが、興味のある方は是非ご参加お待ちしています。



今までの企画レポートです。
このページの下の方にあります。
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/pfkikaku.html

ニューヨーク スタインウェイ - 2007.07.20 Fri

今回のピアノは昨年夏大変苦労した修理のピアノです。
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Sさんがアメリカで買ってもって帰って来られたもので、しかしこのピアノはスタインウェイの歴史の中でも汚点を残した時期のものでした。
雑音、音色のばらつきなど。
作業効率、コストダウンを考えるのは当たり前なのですが、しかしそれによって発生する問題をしっかり考えなくては最終ユーザーに降り掛かってきます。

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本来クロスを使用するところを写真のように白いテフロンを使用したのです。
(現在はクロスに戻っています)
この期間20年。

詳しくはレポートをご覧下さい。
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/060813/kikakusteinway.html

いろんな調律師がこのSさんのピアノを触りまくり、最後にはさじを投げていきました。
根本的な解決はこのテフロンをなくせば済むことなのですが、これがまた難しいことで、お金をかけ手間をかけるのか、買い替えるのか。
実際には1200個あるテフロンをすべてクロスに交換するという修理と、弦、ハンマーを交換して始めからの音作りをさせていただきました。
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結果は見事に蘇り、180cmというサイズからはフルコンのような音量と音色が出てきました。
さすがスタインウェイ!
ボディーは申し分ありません。

ただし、修理したてはすぐに古い部品と新しい部品とのマッチングの答えが出ません。
しばらくは細やかな調整が必要です。

Sさんは「ここまで仕上がるとは思っていませんでした。ピアノごとおまかせです。」
と言ってくださっています。

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また、長いおつきあいをさせていただけるピアノとの出会いでした。

時代を語るピアノの響き コンサート - 2007.07.17 Tue

時代を語るピアノの響き コンサート

今日で無事2日間のコンサートを終えることができました。
遠くは埼玉、静岡からまたお近くの教室の生徒さんなど、お時間を作ってくださり感謝しております。

「探し続けていた音に出会うことができました。」

このお言葉で何より今までやってきたことは間違っていなかったと再確認した次第です。
本当にうれしいお言葉でした。
ありがとうございました。

近日中に詳しくはうたまくらのホームページでレポートをアップしますので是非ご覧ください。





前回のレポートです。
http://www.utamakura.co.jp/piano/jidai/070321/repot.html

グロトリアン ベビーグランド - 2007.07.14 Sat

I様の調律でグロトリアンーシュタインヴェッヒ 140 のグランドをさせていただきました。

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なんと、奥行き140cm。四畳半のお部屋にソファーを置いて、テーブルも置けてしまいます。

しかし、響きはしっかりとしたグロトリアン・トーンです。
柔らかい奥行きのある音色。
低音の最後の数本は三重巻き線。
これだけ小さいと何かが犠牲になることが多いのですが、小ささからは想像ができないぐらいの響きが出ています。
こういうモデルが今でも販売されていればと思います。

1934年製、この頃は年間400台の生産でしっかりとした職人技が小さいピアノから随所に出ています。
象牙、黒檀、シュワンダーアクション。


このピアノは縁あってうたまくら社に来て、そこからI様に渡っていきました。
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このピアノの出会いからI様は教室を開かれ、近所の方にもお貸しし、この楽器の素晴らしさを広めてくださっています。
うたまくら社の取り組みに共感され、いろんな場面でご協力いただいている方ですが、ピアノがピアノだけでは終わらない、うたまくらの理想的なピアノのあり方を実現されています。

企画の準備しています。 - 2007.07.13 Fri

来週の16(月・祝)17(火)に行われるうたまくらピアノ工房での「時代を語るピアノの響き」コンサートの準備中です。

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この日にピアノを弾く歌枕にピアノに対しての意見を聞いて作業を施していきます。
そしてコンサート当日には最高の状態にして、素晴らしい音色が奏でられるようになります。

これらの作業はかなりレベルの高い要求が歌枕から出て、それに対しての作業なので、ある意味ここでかなり鍛えられることにもなります。
ピアニストが言葉で要求することを、技術的に理解をして、作業に移す。

はたしてその方向性が当たっているかはもう一度弾かれてからの感想でしか判断できません。

こういう作業を数台のピアノに対して行い、最高のコンディションで皆様をお持ちしています。

ヤマハGPのアクション雑音の処理方法2 - 2007.07.13 Fri

前回の続きです。

20数年使い続けていると、鍵盤をゆっくり下げたときに滑らかさが無く、鍵盤が10mm下がる底の方でクククッと抵抗があり雑音が発生します。
勢い良く弾いている時にはこの雑音は、ピアノの音にまぎれてわからないものですが、ppなどで弾いているとキコキコと鳴っていることがわかると思います。

原因はレペティションレバーの下のスプリングが納まるくぼみとWスプリングの摩擦です。
レペティションレバーを指でゆっくりと上下運動してください。
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クククッと抵抗があり、ある時点でwスプリングの頭がグイッと「へこみ」にはまって、レペティションレバーがそれ以上下がりにくくなります。
特に中音。
低音、高音にはこの症状はあまり出ません。

本来、wスプリングの頭のRとレペティションレバーの裏側のくぼみの接点は”点”のはずです。
しかし長年のwスプリングの押し上げる力でレペティションレバーの裏側のくぼみに新たなwスプリングのRの「へこみ」ができてしまうのです。
そして、点での接触面のはずが、大きなR状の長い接触面になり、抵抗が大きくそこで雑音が鳴り出します。

単純にスプリングの頭を磨いただけでも消えますが、長続きしません。
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レペティションレバーの裏側の「へこみ」を無くして、wスプリングが裏のくぼみの中でスムーズに動くようにすると、雑音も消えタッチも滑らかになります。

その方法を考えました。
アクションを外して一つ一つ無くしていく方法が確実なのですが、一般家庭ではなかなかそういう時間が取れないのが現状です。
そこでアクションを外さず「へこみ」を無くします。
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写真でおわかりいただけるでしょうか。
工具をくぼみに入れ上に押し上げながら前後に滑らせて「へこみ」をならします。
工具は自家製です。

スプリングを外しておくとやりやすいでしょう。

所要時間30分

私の経験では、よく弾かれるヤマハだと10年前後でこの症状が出てきます。
先生のピアノ、音楽を専門にされている方のピアノなど、使用頻度が多いものは数年で出てきます。
木も柔らかいのでしょうか。
スタインウェイだと30年は大丈夫です。

この作業で引き心地は格段に良くなります。
というよりこの状態が普通なのです。

是非お試しください。

ヤマハGPのアクション落下音の処理方法 - 2007.07.12 Thu

20年ぐらい経ったヤマハGPのアクションは、かなりいろんなところが雑音し出します。

1.ハンマーが弦を打った後の落ちるときの落下音が硬くて大きい。
2.鍵盤をゆっくり降ろしたとき、もしくはゆっくり上げた時のギシギシ雑音。

これらの症状はお部屋の環境にもよりますが、湿度の高いところでは、よりフェルトなどが硬くなり、黒鉛に粘りが出るので顕著に出てしまいます。

そしてこれらの症状が出ているピアノのタッチの感覚は
1.pp~mpで滑らかに弾こうとしても、カタカタ落下音の方が大きな音がして、音に滑らかさが無い。
2.鍵盤の滑らかな上下運動が、アクションの抵抗のあるぎこちない動きによって遮られてしまう。

まず、1.の原因は
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写真をご覧のようにハンマーローラーにレペティションレバーの黒鉛がテカッとついてしまっている。
長年使用しているため本来球状のローラーが、接触面が平らになってしまっている。
この両方の平らな面でハンマーが打弦後落下するときに、レペティションレバーと黒鉛のたっぷり付いたハンマーローラーが当たり、カタカタと音がします。

処置方法は
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べっとり付いている黒鉛を棒ヤスリなどで取る。
その時なるべく平らになった部分の角を削り、球状になるように削る。
要するに面でなく点でローラーとレペティションレバーが接触するようにする。

違いは
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これだけでごつごつしたタッチが、新品のときのように滑らかなコロコロとしたタッチに仕上がります。
作業時間はものの15分。

注意点:製作年代、、機種によってローラーの皮が伸びやすかったり、削れやすかったりするので削りすぎて皮が薄く伸びないように気を付けてください。
あまりにもひどい場合は、ローラーの交換をお勧めします。
また、レペティションレバーの黒鉛を取ってしまう場合もあります。
むかしのヨーロッパ産のピアノなどは黒鉛が塗ってないものも多いです。

2.については次回ご報告します。

ザウター 113 猫足 - 2007.07.10 Tue

この数日前にピアノが入ってきました。
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ザウター バロック 113
ドイツ製 1973年製

これからこのピアノの修理調整に入っていきます。
このピアノは1819年創業という200年近いメーカーで、業界では珍しくなった直系での経営をされています。
今のザウター社長もよくうたまくら社に来てくださいました。
弦の響きが美しいピアノですが、このピアノは疲れが見えるので修理です。

まず外装の再塗装、

アクションを分解して動きのチェック、
そして組み立て、
鍵盤関係の消耗品交換
整調、
整音、

鍵盤重さ調整(鉛調整)かなり重いんですよね。

これらをうたまくらスタッフとともに行います。
画像できるだけアップしていきます。

コンサートの結果は? - 2007.07.10 Tue

昨日の続きです。

ピアニストから鍵盤が重いと言われ、今日は朝8時よりホールに入っての調整です。
しかも1時間で調律の見直しと、調整、そして整音。

この作業時間配分が後の本番直前の作業に影響してきます。
作業を終えるとちょうど9時、そしてそこにはピアニストが立っていました。
早速弾いていただいたら、「昨日と雲泥の差ですね。」
ホッとしました。

後は本番まで練習で変化した場所、またピアニストの指示で動きます。

演奏曲はモーツァルト、ショパン。
これらの曲をどの形で演奏するかは、ホールの大きさ、響きなどで違うと思いますが、このピアニストはまだ若く自分の思った表現そのままをストレートに出されていました。
このホールには大きすぎたかもしれません。大ホール向け演奏ですね。

とにかく昨夜のピアノの状態からは信じられないほど、素晴らしい音楽が出てきたと言うことには変わりありません。
少しでも力になれてホッとしています。

音のバランス - 2007.07.08 Sun

コンサートのダブルヘッダーでした。

朝一番からホールへ行き、ピアノコンチェルト用の仕事をしてきました。
ここで、ピアニストから言われた注文とは、、、

「調律の問題というより、ピアノ自身の響きの奥行きを出して欲しいのですが。」

「う~ん、、、わかりました。」

と全然わからないのですが、とりあえずピアノに慣れていただくよう弾き込みをお願いしました。
つまり、曲と、ホールの響きと、自分の思っている音の出し方のバランスが思い通りに行っていない様子です。

大変難しい問題で、本番に観客が入って響きが変わる、温度湿度も変化する、そしてなにより本人のテンションが上がる。

調律で音の響きを少し変えてみました。
本番は本人は絶好調で、終わってから「凄く弾きやすかったです。ありがとうございました。」
調律というより何より気持よく弾けたことからの言葉だと思いました。
ほっ。

そして、40km離れた次のホールへ移動!
明日の本番のための調律に向かいました。
しかしそこで待っていたのは、無惨にも狂いまくって音の輪郭が無くなってしまったピアノとそれを弾くピアニストでした。

イヤーな雰囲気の中ピアノの感想を聞いて作業の参考にしました。
「低音、中音、高音のバランスが狂っている!一つ音が止まらない!鍵盤の戻りが鈍い!」
すべてのバランスがずれているとのことです。
かわいそうなピアノ?ピアニスト?
それともそれを作業する私?

2時間の作業で言われたことをザーっと行い、見ていただきました。
「以前よりまし、まだ鍵盤が重いです。」

残りは明日の作業に取っておいて帰って思案します。
この二つのテンションの違う仕事はどっと疲れが出ます。
後の結果は明日のお楽しみ!

時代を語るピアノの響きコンサート - 2007.07.06 Fri

うたまくらピアノ工房で調整されたピアノを使ってのコンサートです。

コンサートのためにこれから全てのピアノの調律、調整に入っていきます。



前回のレポートも是非ご覧ください。
http://www.utamakura.co.jp/piano/jidai/070321/repot.html

80年前の音色から、世界に500台と無いピアノまで、そのピアノに合った選曲で奏でられます。

ぜひお越し下さい!
お待ちしています。

人生師匠 - 2007.07.05 Thu

昨日の続きです。

Wさんのお宅に伺い調律をしてきました。
とにかくこの方は、人生師匠とうたまくらの中で言われています。
イメージ 1


数年前に奥様を亡くされ、家には奥様の習われていたピアノがあり、誰も弾く人がいなくなりました。
そしてある時近くの駅に行く時、ふと通り道にピアノ教室の看板がかかっていました。
それも“楽譜が読めない初心者でも30分で両手演奏ができる、大人のためのピアノ教室”。
これだと思い習い始められたそうです。
http://www.utamakura.co.jp/kyouiku/ongaku/ongaku.html

楽譜は読まれませんが、この数字譜を使ってどんな曲も弾いてしまわれます。
イメージ 2オリジナルのサイズの画像を見る場合はクリックしてください。
イメージ 3


そして究極は数字譜をご自分で作られてしまい、今では弾き語りをされています。
イメージ 4


このWさんの音といったら涙が出てしまうほどきれいです。
テクニック的には決してうまくはありませんが、誰にもまねのできない、人生を語ってしまう音をお持ちでした。

仕事をしながら人生の勉強ができました。

濃い仕事 - 2007.07.04 Wed

今日は濃い仕事をさせていただきました。

S先生は1930年製のベヒシュタイン10をお持ちで、良い音を醸し出しています。
以前うたまくらから購入していただいたピアノです。
http://www.utamakura.co.jp

イメージ 1
イメージ 2



うたまくら社とかかわってピアノ教室を開かれています。
こんな素晴らしいピアノでレッスンできるなんて、とよく生徒さんに言われるそうです。
そこへ意識を持っていかれたS先生が素晴らしいのですが。

このピアノの特徴は弦が垂直に張られていて、現代の交差弦ではありません。
ちょっと見にくいかもしれませんが。
イメージ 3


当時のアクションもしっかりとした形で残っています。
イメージ 4

アクションメーカー:LEXOW.Berlin JNTERN.MUSIK AUSSTELLUNG GENF 1927

鍵盤にも刻印がありました。
イメージ 5

Belin Buchholtz G.m.b.H
Barila SW,Kranzbargstrasse.8
lot.927
4.Marz.1929

音はなんと言っても単音の透き通った感じが、80年経った今でも奏でられていると言うのが素晴らしいです。
子供の生徒さんもこの音を聞きながらのレッスン。

この環境はうたまくらの直営教室、またピアノ工房でのレッスンで実施しています。

この後大人の生徒さん75歳のWさんのお宅の調律。
そこでまた、びっくりでした。
これは是非次回にとっておきます。

人格が変わる? - 2007.07.01 Sun

先日イタリアのナポリ民謡、カンツォーネのコンサートの仕事に行ってきました。
大きなホールでのこのようなコンサートはいまいち合わないような気がしています。
酒場で歌われたり、洗濯物がいっぱい干してある建物の窓から歌声が聞こえてきたりと、土着的なものを聴いてきました。

そして、特にナポリの方言でカンツォーネなどはよく歌われており、この方言の発音が難しいのです。
関東の方が大阪弁を無理矢理使って歌うとどうでしょうか。
たまたま、ナポリに住んでいたこともあり期待してメンバーが来るのを待っていました。
すると、ピアニストを始めほとんどがナポリ人ではなかったのでがっかりです。

また、日本では「ナポリ民謡」「カンツォーネ」と聞くと有名な曲が思い浮かんでくるのでしょうか、年配の方が結構聴きに来られていました。
日本ではまだ、このようなコンサートの需要があるのでしょう。
コンサートというよりイタリア人の陽気さのパフォーマンスを見せるショーの用になっていました。


でも、久しぶりにイタリア人を前に大声で身振り手振りで話しているラテン系自分がいました。
日本人の中で浮いたようになってしまいましたが、イタリア人の彼らにとっては何か安心したものを感じたようです。
異国の地で母国の言葉を話している現地人がいるのですから。

ほんの30分ですがナポリ人になっていました。
できればお酒を飲めるところで聴きたい!

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プロフィール

arakipiano

Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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企画レポート
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