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舞台裏 Vol.2 世界最先端の音楽 - 2007.08.31 Fri

武生国際音楽祭のもう一つの顔として、現代音楽があります。
今まさに活躍されている、作曲されている、演奏されている人たちがこの越前の地に集結しています。
昨日はこのコンサートが行われました。

何をもって最先端かわかりませんが、世界初演であったり、楽器によってのいろんな演奏方法が発明されたり、ある意味実験現場でもあります。

この音楽がどこまで理解されているか、浸透しているかはかなり疑問はありますが(個人的にはついていけない部分はあります)、しかもこの田舎でどこまで盛り上がっているかは難しいものです。

しかし、舞台裏は計算された動きを行わないとコンサートは成り立たないのも事実です。

そのちょっと舞台裏を覗いてみましょう。


いろんな編成パターンがあり、その都度ピアノの入れ替え、椅子の位置高さ、譜面台の位置の印(業界用語:バミリ)をバミっておかないといけません。
その印です。
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貼った人しかわかりません。


譜面台の数、椅子の数も都度の編成に合わせ出します。
誰にどの譜面台?
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最先端のピアノの音楽
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弦をたたき、弦をはじき、弦を押さえ倍音を出し、ピアノの中に他の楽器を入れ音を出す。
こんなにもいろんな可能性があるのかとびっくりします。
(ピアノに決していいことばかりではありませんが)

リハーサル
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本番、この世界をリードしていく人たちの集団の思いと、舞台裏の動きは絶妙でした。

しかし、疲れました!

織田信長 - 2007.08.30 Thu

越前市の隣に越前町織田というところがあります。
市町村合併前は丹生郡織田町と呼ばれていました。

そしてこの織田はあの織田信長の子孫が出た町として有名です。
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織田町文化歴史館も最近できたので行く機会があれば是非。

そして剣神社というのがあり織田信長の子孫は越前織田の荘の荘官として、また越前二の宮の神官として代々奉仕してきた由緒ある家柄だったそうです。
神官の子に「常昌」という立派な人物がいまいしたが、時の越前の守護斯波氏にその才能を見出され、家臣として取り立てられ、尾張の国に派遣されました。苗字は故郷の地名をとって織田氏を名乗るようになったそうです。


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私自身18歳まで地元にいながら何も知らなかったことで、なんと恥ずかしいかぎりです。

越前市(武生)の伝統 - 2007.08.29 Wed

武生国際音楽祭で訪れていますが、少し地域的なところ、簡単な歴史などを少し。
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越前市は昔から地場産業として打刃物が有名です。
しかし、どこの地域でも問題を抱えているようにその産業、伝統が続けていけるかという難しさがあります。
刃物も伝統があるが故、それを守らなければいけない、しかし食べてもいかなければいけないため、難しい問題です。

これらを受け継いでいこうとする若者がいて、出くわした局面は昔からの考えやり方を変えられない、新しいことができないということで、古い考えの団体を飛び出して新規に団体を作り、伝統を守りつつ新しいデザインを取り入れて取り組んでいます。そしてそれらが軌道に乗り、グッドデザイン賞を受賞したり、観光客の観光ルートになったりと栄えて来ています。

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手に職の職人の技の数々。
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タケフナイフビレッジ
http://www.chuokai-fukui.or.jp/~tkv/index.htm

伝統を守っていくことは難しいですね。
でもそれを大切に感じている若者がいるということはたのもしいものです。

舞台裏は? - 2007.08.28 Tue

武生国際音楽祭の仕事に来て5日が経ちました。
この音楽祭は今年で17回になるのですが、毎回地元のボランティアの力無しでは成り立たないというぐらい協力体制にあります。

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ホール職員の方々も、音響、証明、舞台裏、駐車場誘導、警備と何でもやりこなします。
また、一カ所のホールだけではなく地域のいろんなところへ出張コンサートも。

学校、駅、企業のホール、おそば屋さん、、、

ピアノを運び、チェンバロを運び、、、

いろんな編成でのコンサートがある中昨日はピアノリサイタルでした。
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今回いろんなピアニストが来ている中、それぞれの主張が違うので調整には大変苦労します。
今日の方は日本独特のお世辞も無くドライで、良ければ素直に喜んでいただける分、悪ければ何を言われるかわからないという感じで非常に緊張しました。

ピアノに対して奏者の言い方一つで伝わりやすいもの、感覚がわからないものいろいろありますが、今日はピアノの年代、音色、プログラム、奏者、そして技術の内容がマッチした感触はありました。

しかし、本番までどういう評価かわかりません。

一曲目で戻ってこられたときに「ピアノが良く鳴る、ありがとう。」と言われホッとしました。

実は大阪で何度か仕事をしたことがあり、その時は取り巻きも多いので本人はそういう方面に気を使われて、裏方への言葉はほとんど何も無い状態で、印象悪かったのですが、今日は田舎というところと、周りが素直にお疲れさまの拍手で迎えられたので心開かれた感じでした。

舞台裏の皆さんは無事終わるまでは心配です。
この中での動き一つが裏方さんのまとまりになっていくのと、その場の空気を奏者も感じるので大変重要です。

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アンコールに応えられたときに花束を一度受け取って机に置かせていただきました。



後5日。

ヤマハ SC 1962年製 現役ピアノ - 2007.08.26 Sun

音楽祭の仕事で福井県越前市(旧武生市)にやってきました。
実はここは私の生まれ故郷でもあるのですが、結構な田舎ですがなぜかホッとします。
万葉集、紫式部、織田信長にも縁があるところですが、来月のうたまくらの茶論みやびうたコンサートには1300年前に武生にいた遊女が題材になっています。
http://www.utamakura.co.jp/artist/wakageki/eizowakageki/kosinoyuujo.html

その武生でまたうれしい出会いがありました。

音楽祭で使われるピアノはスタインウェイを始めアップライト、グランド合わせ全部で10台ぐらいありますが、これら調律管理する仕事を任されています。
その中でも大中小のホールに設置されているピアノはホールの歴史でもあり、開館当初からの物語が見えてきます。


準備のために調律をしたホールの中に、YAMAHA SC という一風変わったピアノを見ました。
昭和38年に開館したホールに納入されたピアノです。
そのピアノを知っている友人と会って、話すことができました。
素晴らしいピアノだけど、もうあまり弾かれていないの、ということでした。
素晴らしいということ自体を感じていることが、この友人の持っている感性で、こういうことが通じるということが本当にうれしいと思いました。
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今は生産されていないモデルで240cmという何とも中途半端な大きさです。
今のフルコンは275cm前後ありますが、それより30cm小さいだけのもの。
しかしこのピアノにベヒシュタインとタローネの考えが入っていました。



弦の並び、格子状の支柱はオールドベヒシュタインそっくりです。
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前回でもお伝えしました、独立アリコートブリッジ
これはタローネそっくりです。
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アクションも今とは違ってすべて木でできています。
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ダンパーアッセンブリー
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大変珍しいのが、アクションが乗る棚板という部分があるのですが、通常真っ平らですが、これはアクションの白鍵ライン、黒鍵ライン、支点のセンターライン、鍵盤後ろのバックライン部分がふっくらと浮き上がっている状態にされています。それぞれが鍵盤おさと棚とで密着していなければいけないラインです。
木工技術の腕の見せ所でしょうか。
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まだまだ使われて欲しいものです。
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こういうピアノはどんどん忘れ去られていくのと、どんどん新しくされていく状況なので残念です。
でもこうやって現役で使われているところもあり、この期間だけでもしっかりと見させていただきたいと思います。

オーガスト・フェルスター 1928年製 - 2007.08.25 Sat

遠出をしたもうお一方S様のお宅には日本ではあまり見ることの無いオーガスト・フェルスター(チェコ製)があります。
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このピアノをS様は留学先のチェコでご購入され、破格値で日本に運ばれたそうです。
何度か見させていただいて、今回写真を撮らせていただくことでいろいろと眺めてみるといくつかのびっくりすることがありました。

まずアクションは多分チェコ製だと思いますが、スプリングも今のレンナーアクションではコストが高すぎるためなかなか採用していない方式を使っています。
きれいなアクションです。
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そしてリム(外枠)の作りは外側がベーゼンドルファーと同じ角材を立てに並べての作り方になっていて、支柱はスタインウェイと同じ一点集中型です。
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このメーカーのピアノを何台か年代の古い物を触ったことがありますが、共通して柔らかい音、木の音、そしてレンジの広さと表現力の豊かさです。
やはりドヴォルザークなどの豊かなメロディーが生まれて来た土地ならではのボヘミヤの香りがします。


そしてお嬢さんのみきちゃんもS様が弾くこのピアノの音、自分で触る音で育っていかれるのでしょう。
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9月にはご実家の福山市のふくやま芸術文化ホール リーデンローズ でチェコの楽団「プラジャーク弦楽四重奏団演奏会」のピアニストとしても活躍される予定です。
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/r-rose/






スタインウェイ ニューヨーク パデルフスキーモデル 1897年製 - 2007.08.24 Fri

大阪から少し遠出をしてK様のお宅に伺いました。
このピアノも何年か前にうたまくらでお世話させていただいたピアノです。
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古いスタインウェイがいっぱい出回っている中、このモデルはオリジナルのパデルフスキーモデルです。
150年記念モデルがこのピアノの復刻版として2003年に出て再度日の目を見たのは有名です。
譜面台の透かしも、凝っていますね。
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100年以上前の物がしっかりと新生されて使われています。
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昔の鉄骨響板にはいろいろと自社のアピールが書かれています。
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4年前にニューヨークのスタインウェイ・ショールームに行ったときの写真です。
同じモデルの復刻版が展示されています。
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K様は奥様も一緒に音楽を大変楽しまれています。
もちろんクラシックにとどまらず、ワールドミュージックをいろいろ生活の中に取り入れられています。
年一回の訪問がどれだけ楽しみか。
家族で迎えてくださり、いつも感謝しています。
今年は家族ももう一人増えて、緋亜之(ぴあの)くん と しょぱんくん(4月4日生まれのピアノの日です、漢字を聞くのを忘れました)。

緋亜之(ぴあの)くんにとってもこのピアノが基準となっていくことでしょう。
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パスタもおいしかったです。
是非来年もよろしくお願いいたします。

世界のピアノ - 2007.08.22 Wed

イメージ 1オリジナルのサイズの画像を見る場合はクリックしてください。

心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

荒木欣一

株式会社うたまくら
http://www.utamakura.co.jp/index.html
araki@utamakura.co.jp

スタインウェイ 点検 - 2007.08.22 Wed

8月は夏独特のイベント、コンサートがあるか、もしくは暑いので催し物が少なくホールを閉めていろんな点検をする季節でもあります。

今回はあるホールのスタインウェイの保守点検を行いました。
2日間かけての点検ですが、何をすると思われますか?
一般家庭では2時間ぐらいで掃除、調律、その他の作業になりますが、ホールとなると別の意味が隠されています。
それは後ほど。


まずはなんといっても今ピアノがどんな状況になっているかの判断です。
弾いてみて、音を出して、タッチを確かめて、いろんな角度から眺めます。
そして一番大切な“おそうじ”が始まるのです。

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こんなにバラバラにしてちゃんと元に戻るのでしょうか。

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スタインウェイのアリコートブリッジ、タローネのとは違います。
このシステムをほとんどのメーカーが真似ています。

鍵盤もこの通りバラバラです。(番号が書いてあるので間違えません)

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しっかりと鉛の位置も一本一本鍵盤で位置が違いますね。
手作業の証です。

ここからが本領発揮です。
鍵盤のいろんな穴、クロス部分の汚れを取り、常にスムーズな動きができるようにします。
刺さっているピンもきれいに磨きます。
車で言うとエンジンを分解して磨き上げている感じでしょうか。

次はアクションの動きのチェック。
見えない部分を見るために上を下にしたり、消耗部分をチェックしたり。

そしてこれらを組上げて行き
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調整に入ります。
こういう作業を2日間かけて最後に音色の調整をして仕上がりです。



でも、一般家庭と一番の大きな違いは?
最高の状態に引き上げて、かつニュートラルな状態を保つことです。
個性を出してはいけません。
これが別の意味の答えです。
ピアニストによって最後の残りの何パーセントかを仕上げてもらえるように余白を残します。
ここでピアニストの色づけができるのです。

何をもってニュートラルかということが一番難しいかもしれません。



今週末から音楽祭の仕事で出張です。
舞台の裏側をお伝えできればと思っています。





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うたまくら音楽教室サマーコンサート - 2007.08.21 Tue

明日から行われるのが4日間で計8回の発表会です。

うたまくらピアノ工房でのタローネを使っての生徒さんの演奏と、うたまくら茶論へ移動してお茶を飲みながらの歓談、そして古楽器や1889年製のベヒシュタインを使っての歌枕のコンサート。

今日はその最終準備です。
明日からの熱い皆さんの思いに答えられるよう、すべての楽器を調律し本番に備えます。

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タローネの調律

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ベヒシュタインの調律

子供から大人までの生徒さんそれぞれの思いの込められた演奏が、心安らぎます。

是非、見学(お茶付き)も受け付けていますので、もしご都合付く方はお越し下さい。
お電話で受付いたします。
06-6317-3873







株式会社うたまくら
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ヤマハ 1968年製 復活! Vol.4 - 2007.08.21 Tue

K様お宅への納品が完了しました。

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以前は写真のピアノの位置に黒いピアノがあったそうです。
雰囲気がかなり変わったと言われていて、フローリングの床にもマッチしています。

3年生のお嬢さんがピアノを習われており、お母さんのK様自身も「少しやってみようかしら。」と。
これがピアノを囲んでのコミュニケーションだと思います。
是非親子で楽しんでいただけたらと思います。

これから末永くお願いいたします。




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タローネ Vol.2 - 2007.08.19 Sun

今回はタローネの新生中のことを少しお話しします。

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まず、張弦を行ったときのことです。
見るからに他のピアノと違って、チューニングピンの刺さっている周りの部分の木部、ピンブッシュの径が大きいのです。

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そして何とも言えないピン味(業界用語:チューニングピンを回して操作する感触)で、きれいな繊細な調律が可能だったので、このままの状態を保ちたいと思いました。

よくオーバーホールで弦、ピンの交換がありますが、必ずオーバーサイズでの交換になるのでそう何回も交換するわけにはいきません。
なるべく状態がよければそれを保っておきたいと思っています。
よってこのタローネはチューニングピンをそのままに、張弦のときに弦コイルを作ってオリジナルのチューニングピンに巻き付ける方法を採用しました。

通常の張弦よりも時間がかかって結構大変でした。
特に太い弦はコイルを作るのも指先が痛くなります。

そしてタローネの最大の特徴である鉄骨の上に乗っている真鍮製の独立アリコートブリッジです。
写真参照。
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次高音、高音で真鍮の厚みが違います。
一音一音独立していることで、求める倍音の調整が可能です。
また、一音につき3本の弦が通常張られていて、それが隣の音に干渉しない方法を採用しています。
ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、グロトリアンなど他の方法で同じ効果を求めている物もあります。

またこの位置が微妙でで、通常きれいな音階になっているのが、そうではない宇宙的な音階になっていて、計算ができないピアノでした。
でもこんなところに秘密が隠されているのだと思います。

他のメーカーは一音づつの調整はできません。
でもスタインウェイは多少の誤差はあっても、ほとんど良い位置にきています。
他のピアノもいろいろと調べましたが、これはどう考えても画一的な物がずれていてそれを現物合わせをせず直していないピアノや、全くそういう音を求めない、フェルトで止めた物などがほとんどです。

次回は是非響板、裏側のお話をしたいと思います。





うたまくら工房企画 「タローネの秘密」
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/070527/kikakutallone2.html








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うたまくらピアノ工房ニュースメール配信 - 2007.08.18 Sat

うたまくらでは毎月20日にピアノ工房ニュースメールとして入荷状況などのピアノに関係すること、うたまくらの企画のご紹介、そして私のエッセイ他を配信させて頂いております。

ご希望の方は是非下記アドレスに

utasha@utamakura.co.jp

「ピアノ工房ニュースメール配信希望」という件名にてメールをいただければ登録させて頂き、配信いたします。
よろしければお名前、知ったきっかけなど教えて頂けると嬉しいです。

よろしくお願いいたします。






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鍵盤鉛調整の秘密 企画レポート - 2007.08.18 Sat

タローネ Vol.1 - 2007.08.17 Fri

うたまくらの原点でもある新生ピアノ。
これは古いから良いということだけではなくて、古いからこそ現代でも楽器として使えるように、現代の技術で新しく生まれ変わらせ、ピアノが楽器として人とかかわっていけることを取り組んでいます。

今まで新生されたピアノを少しずつ紹介させていただきます。
うたまくらのサイトでも紹介していますが、より写真も含め中身の話もできればと思います。

このピアノは私がイタリア時代に一緒に仕事をしていた仲間、アメリカ人のトーマス・グッドマン氏が紹介してくれた物です。
イタリアに行ってすぐ、勤めていた楽器店の年配の技術者が
「イタリアに来たのなら絶対、TALLONE(タローネ)を見なきゃダメだ。」

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その頃の私はピアノのメーカーなんてほんの数社しか知りません。
ましてや聞いたことも無い名前で、日本と縁が深いということも全く知りませんでした。
そして、「イタリアに来てもこのピアノに巡り会えたらいい方だぞ。」
歴史的なことも含めこの業界に足を踏み入れたばかりの未熟さを思い知らされました。

イタリアでも若い人はほとんど知りません。
幻のピアノと言って良いのではないでしょうか。

そしてグッドマン氏から手放す人がいるという情報を教えてくれ、縁あってうたまくらにやってきました。

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このピアノは象牙鍵盤でもあるのですが、実はこの象牙が原因で日本に入るときの審査で苦労したのです。
1975年にワシントン条約で象牙の輸出入が禁止になり、1975年以降のいっさいの象牙製品が取引できなくなりました。
このタローネはワシントン条約以降に作られているので、このままだと輸入できないのでグッドマン氏に頼んで泣く泣く象牙を剥がして送ってもらいました。

日本に着いて行った作業は
まず、同じ年代の頃の象牙を探してこのタローネの品格に合う物にしました。
ハンマーが消耗しきっていたので、同じメーカーの同じサイズの物に交換して、整音しました。
(新生前の疲れきった音からピアノの本質を感じ取って、新たな音作りをしました)
弦も金属疲労などで切れていたので張り替えてます。
鍵盤関係の消耗部分も交換して、他気がついたところ部品交換修理を行いました。

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中身の詳しいところは次回ご紹介します。
お楽しみに!





詳しくはうたまくらのサイトでも紹介していますのでご参照ください。


うたまくら工房企画 「タローネの秘密」
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/070527/kikakutallone2.html







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ヤマハ 1968年製 復活! Vol.3 - 2007.08.15 Wed

完成しました。
あとはK様宅への納品を待つだけです。

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外装は小キズがかなりありましたが、元々つや消しということもあり、一番細かいスチールウールでキズを消しながら表面を磨きました。
また、金属部分の変色汚れも、このとおり!
ペダルもピカピカです。
象牙の白さも引き立ちます。

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しっかりと裏もきれいにしました。
何十年というホコリがいっぱいでした。

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40年経っているピアノには見えません。
これからまだまだがんばってもらいたいと思います。




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ザウター バロック113 塗装完成! - 2007.08.13 Mon

ようやくザウターの塗装が完成しました。


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鍵盤が入っていませんが、、、

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再塗装はどうしても色が濃くなりがちなのですが、そうすると微妙な木目が見えにくくなるのでもったいない。
極力薄い色でしかも日本の家屋に合うように。



後は中の修理をどんどん進めていきます。







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企画のご報告 - 2007.08.12 Sun

今日は本当に暑い日でした。
日本全国猛暑だったそうです。

そんな中、東京からK様、静岡からY様ご一行、A様、大阪のK樣、S樣、M樣、奈良からM様、山口からT様本当にありがとうございました。

初めての方も何人かいらっしゃり、そんな中私も大変緊張しましたが有意義な時間だったと思います。
この内容は絶対メーカーではできない内容で、うたまくらピアノ工房ならではのいろんなピアノとの比較もできての物だと思います。

皆さんピアノ大好きな方々の反応というのが、何よりも次への活力となりました。
休憩も取らずに3時間突っ走ってしまい申し訳ございませんでした。

細かい内容のレポートは後日うたまくらのサイトでアップいたしますので、どうぞご覧下さい。
しっかりとまとめたいと思います。
あらためてお知らせいたします。

そしてこれからも大阪から発信して行きます。





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鍵盤鉛調整の秘密 - 2007.08.12 Sun

明日、と言っても日付的には今日ですが、うたまくらピアノ工房恒例の、連続企画が行われます。
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/pfkikaku.html



来てくださる方々は内容からいって当然技術者がほとんどだろうと思っていました。

しかし、東は東京から西は山口までほとんどの方が技術者ではなくピアノを普段弾いておられる方、愛好家の方々でした。
おなじみの方、初めての方と明日お会いできるのが本当に楽しみです。

でも、考えてみるとなぜ技術者ではなくピアノが好きな方々なのでしょうか。

明日の企画でもお話ししたいと思っていますが、技術者が弾き手の立場になって普段の作業をどれだけ行っているか、もしくは弾き手の普段の疑問などにどれだけ答えられているか、ということをつくづく考えさせられました。

そして、技術者も弾き手もどういう状態のピアノをもって正常と感じているか、が問われると思います。

そういう種明かしも含めて、作業を体感していただくことや考え方をお伝えできたらと思います。





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ヤマハ 1968年製 復活! Vol.2 - 2007.08.11 Sat

先日の続きです。
ようやく白鍵の漂白が終わりました。
出来上がりは最後の写真で。

漂白後は表面がざらついていますので、磨きをかけないといけません。
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バフでぴっかぴかに!

そして側面も長年の弾き込みで汚れています。
汗と涙の結晶ですが、それもきれいに!
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下:作業前
上:作業後


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白鍵全体です。
白さがわかっていただけましたか。
以前のはVol.1でご覧頂けます。


そして黒鍵の掃除と殺菌。
以外と黒鍵の側面も手あかなどがしっかりと付いています。
それもよく弾く中音ではなく、低音や高音です。


鍵盤のバランス部分のクロスも消耗していたため交換しました。

そして組み立てて行き中身の調整に入って行きます。

でも鍵盤が白くなっただけで見違えるようです。
仕上げの状況は次回です。




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ザウター でジャズを! - 2007.08.10 Fri

今日伺ったT様は大変ジャズがお好きで、絵が好きで、芸術が好きで、、、
その一部屋にザウターが置かれています。
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このメーカーは190年近く経っている老舗で、しかも直系で経営されている珍しいメーカーです。
以前このザウターの社長もよくうたまくらに来ていただきました。
T様もザウターさんによろしくと言われるぐらい、気さくな社長です。

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またもう一つの特徴は複雑そうな機構を簡単な装置で、雑音も無く作ってしまっているところです。
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マフラーペダルは結構複雑な装置になりがちですが、これはいとも単純な作りです。
これでしっかりと機能が果たせています。

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そしてアーベルハンマー
昔レンナー社でハンマーを製作していた人が独立しました。

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しっかり掃除もして
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ベダルも磨いて




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出来上がり。
この輝く音色でT様はお好きなジャズを弾かれています。
私も年に一度お会いできるのを楽しみにしています。





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ヤマハ 1968年製 復活! Vol.1 - 2007.08.09 Thu

現在急ピッチで取りかかっている仕事が、昭和43年製のU7です。
K様から「実家にあるヤマハが40年経っていますが、これから使えるかどうかを見ていただきたいのです。」というお電話を頂き、見に伺いました。

弾かれなくなって数年が経つピアノですが、最近までしっかりと調律もされ、除湿器で管理もされていたどのこと、うれしいかぎりです。

お兄さんがこのピアノは絶対取っておいて欲しいと言われていたそうで、このピアノとともに練習、受験などいろんな思い出が詰まっていらしたのだと思います。
なによりも当時の最高級ピアノですから”ピアノ 売って ちょ~うだい”では悲しすぎます。

K様も理解があり、このピアノをお子さんに使わせ、次の世代にと決められました。
しかし長い年月弾かれていたので消耗している部分、弾きにくい部分、タッチが極端に重い部分などいろんな症状が出ています。
それにできるだけのことをさせていただきたいと思い、お子さんが使いやすいように引き取って修理、調整することになりました。

まずは象牙です。
ご家族の汗の結晶です。
汗を吸っため黄ばんでいます。
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これからどんどん白くします。
隣の駐車場で、、、夏は絶好の漂白日和です。
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白鍵が抜けたピアノもあまり見ることが無いでしょう。
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どこまで白くなったでしょうか。
出来上がりは後日報告します。



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スタインウェイ 1916年製 この背の高さ - 2007.08.07 Tue

新品ヤマハの整音 - 2007.08.04 Sat

最近、購入後1年のヤマハのピアノを見る機会がありました。
あまりにもうるさくて、しかも細かいパッセージがよく聞こえません。
この原因は整音にありました。

新品なのになぜ整音が必要か?

これは大変難しいことですが、本来ピアノのハンマーはどうあるべきかという観点から見てみると、ヤマハなどの国産ピアノの仕上げはかなり荒い状態になっています。

もちろん最高の状態がわかっていてコストの問題で、レベル、時間をかけられないということも考えられますが。

でもヤマハでもやればきれいな音色に、しっかりと音が立って輪郭がはっきりとなるなど、かなりハイ・クオリティーなピアノに仕上がります。

現状がどうかというところから検証します。
写真を見てください。
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まずハンマーの表面の状態は毛足が長く、毛羽立っていて柔らかい状態です。
そして、表面がそっていて平ではありません。
ですからppで弾く時このフェルトの表面の毛足が弦にまとわりつくような感じで、音の輪郭がもやっとしています。
ppがはっきりと出ないためどうしても気持、強く叩いてしまいます。
これではppの意味がありません。

まずは表面をきれいにファイリングします。
メーカーによっては細かいサンドペーパーで毛羽立ちを取る、アイロンで毛羽立ちを寝かす、などいろんな方法があります。
いずれにせよ細かい面倒な作業なので時間がかかり省いてしまいます(一番肝心なところなのですが)。
湿度の多い日本では湿度管理がきちんと施されていないと、表面の状態も変わりやすいので特にアイロンの効果は薄れます。

今回は細かいサンドペーパーで表面の毛羽立ちを落としました。
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写真では見にくいと思いますが、表面の毛羽立ちが取れ平らになりました。

この作業は慣れれば1時間弱でできます。


そして弦の状態も見直しが必要です。
ピアノは1音につき3本弦が張られていますが(中、高音)、この3本が必ず水平にきれいに並んでいると思えば大間違いです。
必ず誤差という物があり、この小さな誤差、弦の段差が倍音が出やすかったり、音が詰まっり、音色には大きな影響を及ぼします。
低い弦を上に持ち上げ、3本のレベルをそろえます。
手順など細かい内容は省きますが、この作業を完璧に行っているメーカーは少ないです。
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このピアノに関してはffで音が割れてうるさすぎていたのでffのレベルを落とすために、ハンマーにクッションを付ける針を入れました。

これでppの繊細な音の輪郭が出て、より大きすぎないffが引き立ちます。
ピアニストもコントロールしやすくなると思います。

整音と言っても針を刺すことばかりではありません。
むしろ針入れは整音の中の20%ぐらいの位置しか占めません。
それよりもハンマーの状態、弦の状態、接する状態の方が神経も時間も使います。

状況の判断により、これらの作業の重要性がお客様に理解していただければ、是非施してみてください。


注:pp ピアニシモ
  ff フォルティシモ

* * * * * * * * * * *
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ベヒシュタイン 12 n 1964年製 - 2007.08.02 Thu

まさにこのピアノはベヒシュタイン一族が最後の経営をしていた時代の物です。
このピアノはS様が2年前に購入してくださり、大事にきれいに使っていただいています。
今ではすっかりS様の音になってお部屋にたたずんでいます。
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この美しい流れるような縦の木目。
薄い化粧板を表面に貼っているのですが、縦の木目に沿って曲げるのは難しい技術です。
それを会えてこの一番小さい機種に施しています。
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アクションもレンナーの中の最高級です。
ハンマーレールはマホガニーで透明な塗料が塗られそこに大きくRENNER、ハンマーのウッドの方にも艶出しの塗料。
見た目だけの豪華さではなくそれに伴う質の音色が出ています。
そしてS様の出す音色がアクションを見るだけで伝わってきます。
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鍵盤を外すとその下には、見事なまでの木で作られている枠が見えます。
昔はこれが当たり前でしたが、今となっては大変貴重です。
合板、チップ材、鉄枠、いろいろと作られていますがこの時代のまま作っているのは珍しくなってしまいました。
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こういうピアノを見極める力、というよりも何かビーンと来る感触をS様はとらえられたのだと思います。
やはりピアノは語ってくれる物だと思うのです。






ベヒシュタインの秘密企画レポート
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32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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