アンコールの意味 - 2007.09.28 Fri
今日はピアノリサイタルのダブルヘッダーでした。
あるホールに13時間いました。
こういうことはめったにありませんが、いろんな曲が聴けました。
お昼のコンサートは2000人の大ホール。
そこではプログラムだけの曲で終演しました。
有名な曲がいっぱいでした。
アンコールはありませんでした。
夜のコンサートは400人のホール。
お腹いっぱいになるプログラムでもう満腹という感じでしたが、お客様の熱烈な拍手でアンコールが2曲。
そこでふと疑問に思ったことがあります。
アンコールの意味って何?
アンコールはするものなの?
どう思われますか。
いろんな背景、感情、パターンがあります。
もちろん音楽のジャンルでも違うでしょうが、今回はクラシックということで。
拍手が鳴り止むまでアンコールを弾き続ける。
演奏会と同じ時間アンコールを弾き続ける。
演奏会がすべてなので力を出し切りアンコールの余裕は無い。弾かない。
アンコールの予定は無かったが、聴衆の熱烈な拍手でプログラムの曲をもう一度。
本番よりどんどん乗ってきてアンコールで本調子。
いろんなアンコールがありますが、感動的なアンコール、そうでないものありましたら教えてください。
ちなみにイタリアではアンコール(ancora)という言葉はありますが、演奏会では使いません。
演奏会用のアンコールはbis(ビス)再び、を使います。
Bravo,bis!(うまいぞ、もう一度!)Bis bis bis......拍手と一緒に......
それでは明日も良い仕事ができるようにアルコールで Bis bis bis......
ワンコイン・コンサート - 2007.09.26 Wed
2000人のキャパで1日2回公演が毎回満席です。
クラッシック音楽の地元への定着
若手演奏者(35歳まで)への環境提供
ホールに極力足を運んでいただく
この¥500という値段でも決して手を抜かないということです。
つまり、コンサート前後の誘導案内などすべてのサービスが通常のコンサートと同じ条件でされているとのこと。
もちろん全席指定。
このホールは全国で一番稼働率が高いということで昨年表彰されたそうです。
実は今週7日の内5日調律が入っています。
うたまくら京都宇治教室 - 2007.09.25 Tue
ここにはうたまくらの直営音楽教室があります。
チューニングピンのところは鉄骨がくりぬいてあり、チューニングピンがより深くまでピン板に埋め込まれています。
チューニングピンの3分の2は木部の中です。
調律が安定します。
(しかし、チューニングハンマーの操作に慣れないと調律は非常に難しいです、というより不安定になります)
そして、鍵盤バランスブッシングクロスが貼っている木はマホガニー。
この部分にマホガニーを使っているピアノをほとんど見たことがありません。
総アグラフ、グランドには無くなってしまいましたがアップライトには採用され続けています。
岩城講師もこの楽器だからこそ教えられる、伝えることができることがあります、と言っています。
またその成果を発表会で聴かせてください。
新鮮! - 2007.09.25 Tue
その土地ではならのもの、その季節ならではのもの、調律かばんよりも大きなものを頂くこともあります。
N様のお宅に伺って玄関に入るなり、「今日はこれもって帰って!朝一番で取ってきてん。おいしいで~!」(京都弁です)
新鮮なきゅうり、なす、ゴーヤ、そしてししとう。
楽しみにされていました。
来年はお芋さんの時期に少しずらして伺おうかな。
今回の企画 - 2007.09.23 Sun
今回の企画は都合により延期させていただきました。
予定をしてくださっていた方には大変ご迷惑をおかけいたしました。
この場を借りてお詫び致します。
大変申し訳ございませんでした。
なお、時期を改めて行いたいと思いますので、そのときにはまた是非お越し下さい。
株式会社うたまくら
荒木欣一
恐るべし中国パワー - 2007.09.20 Thu
今度の日曜の企画のためにいろんな資料を集めていたところ、ピアノの300年の歴史の中で過去のことがよく取り上げられますが、これからというのはどうなっていくのでしょうか。
この5月に出たDVDで「ピアノ、その300年の歴史」というのを見つけ購入しました。
今度の企画にぴったりと思い見てみると、当たり前ですが昔のことがメインになっています。
この100年の歴史は戦争もありましたがその変遷たるや凄いものだと思います。
でもアジアからこのピアノがデジタルになり、コンピューターにつながりうんぬん、、、
これからいったいどうなっていくのでしょうか。
今、世界のピアノ生産台数の60%がアジアで作られているそうです。
もちろん日本もその中での数字は高いでしょうが、今世界一の生産台数は中国です。
日本から韓国、そして中国へ移っていきました。
また、世界の有名ブランドがこぞって中国へ進出しています。
そして一流の技術が中国に集まっています。
スタインウェイも中国でエセックス(パールリバー社)というブランドを作り出したのは有名な話です。
そしてこのパールリバー社は大きいピアノを作りました。
今まではファツィオリの308cmでしたが、なんと328cm!
大きいことはいいことだ、が通じる時代ではないような気がしますが。
ちなみに世界一のピアノはアメリカで作られています。
ルービンシュタイン・ピアノ
378cm
http://www.rubensteinpianos.com/index.html
また、440cmの中国製のピアノも先日見たのですが、流してしまったので正確な情報が見つかりません。
わかり次第お伝えします。
その中でこんな手作りのピアノも見ました。
http://www.klavins-pianos.com/index_en.htm
このピアノは実際に20年前のドイツ・フランクフルト・ミュージック・メッセ(楽器見本市)
で弾いたことがあります。
繊細さはともかく、発想、アイディア、音量は凄かったです。
これから先ピアノはどのようになっていくと思われますか?
一技術者として本質を忘れずしっかりと見つめていきたいです。
ピアノの歴史300年企画 - 2007.09.18 Tue
ピアノ300年の歴史の秘密
ピアノの歴史は約300年。
ピアノの変遷のデザインはその時代の建築様式を映し出しています。
作曲家との絡みも含めて歴史をたどっていきます。
一般に知られていないところにスポットを当て秘密を探っていきます。
フォルテピアノを分解して現代のピアノと比べます。
どう変わってきたか、音、タッチから見ていただけます。
そしてこれから先ピアノはどのように変わっていくのでしょうか。
問題提起も含め見ていきたいと思います。
日 時2007年9月23日(日・祝) 14:00~15:30
会 場うたまくらピアノ工房
料 金¥1,500.- (税込み)
お 話荒木欣一
使用楽器うたまくらピアノ工房展示楽器
(ピアノ:タローネ、フォルテピアノ:ノイペルト)
ご都合のつく方、是非お越し下さい。
お待ちしています。
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/pfkikaku.html
オケ中ピアノ その役目 - 2007.09.16 Sun
カラオケの中でという意味ではありません。
ご存知の方も多いと思いますが、今回はオケ中ピアノにスポットを当てましょう。
この写真の中でピアノがわかるでしょうか。
左端(業界では下手)のハープの奥にあります。
ピアニストは10数年来の知りあいのE様。
読売日響のピアノのエキストラをされています。
ルトスワフスキの交響曲第4番の中でピアノはソロのようにメロディーが出てきます。
そしてE様からの直前の注文は「地味な曲ですが、時々壊れたような即興のようなピアノソロがあるので、押さえなくて大丈夫。楽しみにしています。」とメールが入ってきました。
そしてベルリンに留学され数年前に帰国。
たまたまここ大阪でのある演奏会で知り合ってから、いろんな意味での意気投合があって音楽を作る上でお互いに刺激しあえる方です。
現代曲ですね。
ソ連政府の一切の文化的抑制に対して屈しないことを公的に表明しての作風だそうですが、この日の指揮者も同郷のスクロヴァチェフスキ氏(ポーランド)で84歳で読売日響の常任指揮者になられたそうです。
第二次世界大戦の負傷でピアニストの道を断念して指揮者になられたそうです。
80歳代で元気な方はどこか芯がしっかりしていて、普通の人ではまねのできないものをお持ちのような気がします。
ピアノの前かまち(鍵盤の上に横たわる木の部分)をうまく利用して楽譜をのせ、譜面台の角度を調整されているのを見たときには、さすがと思いました。
この仕事を長年されていないとわからない裏技だと思います。
東京のサントリーホールの公演もがんばってください。
残念なこと - 2007.09.14 Fri
購入後9ヶ月のYAMAHAのC3LAを見る機会がありました。
この機種は過去にも何度か見させていただいたことがあり、良くまとまったピアノだという印象でしたが今回は手の施しようが無い状態でした。
音がぐるぐる回って低音が芯の無い音、と言われました。
弾いた感じ
音がもこもこしている、かと思えばカンカン出るところもバラバラにある。
タッチ
異常に重たい
調律
437Hzまで下がって狂っている
整調
異常なくらい変化している
でもこれらのことはここ数年少なくとも感じていたことで、この感覚が私だけなのかどうかが問われます。
弾き手が弾きやすければそれでよいと言えばそれまでなのですが。
とにかく鍵盤の重さを測ると
低音白鍵:70gの重りで下がらない(重りのリミット)
低音黒鍵:白鍵以上に重たい
中音:52g~62gでばらついている 黒鍵は+5g
高音:68g 黒鍵は+5g
つまり88鍵で20gの誤差がありばらついているピアノということです。
湿気ている訳でもなく通常の管理をされていて、これだけひどい状態のピアノは初めてです。
やはりこの土台ではいくら詰めた整調を行ってもタッチはバラバラのままです。
どうしてもこれ以上作業を行うことができず、現状を報告して理解していただきました。
そして次の手はメーカーに訴えることです。
ヤマハの鍵盤重さの調整はどういう状態で正常なのか。
電話していただきましたがピアノを見てみないと何とも言えない、近くの特約店の技術者を向かわせる、などのやりとりがあったそうです。
ヤマハの技術者が見ないと保証できないということはわかりますが、何をもって正常な状態かを知っているヤマハの技術者はどれだけいるかが疑問です。
とにかく被害者はピアノの持ち主なのでこういう状態のものは早く解消しなければと思うのですが、保証が絡む難しい問題です。
落ちたペンの取り方 - 2007.09.14 Fri
ペンをグランドピアノの鍵盤ぶたの隙間に落としてしまった~!
以下のやり方でいとも簡単にペンを取り出すことができます。
1.グランドピアノの方
2.ペンが鍵盤ぶたの隙間のところで止まっている
3.編先がとがっている(キャップが付いているのはできない可能性があります)
1.A4ぐらいの薄い紙一枚を半分に折ったもの
(反射して2本の鉛筆が見えますが1本です)
見える位置にペンを落としてしまいました。
この時絶対に鍵盤ぶたを動かさないでください。
少しでも動かしてしまうと、コロンと中に落ちてこれこそ取れなくなってしまいます。
いったん鍵盤ぶたの下に見えなくなってしまったら、鍵盤ぶたを外さない限り取れません。
外せる方もまれにいらっしゃいますが、なかなか外せないピアノもあるので本当に厄介です。
特に先生ともなれば楽譜にいっぱい書き込むこともありますので何度かご経験が無いでしょうか。
ある先生から伺ってなるほどと大きくうなずいたのでした。
無理をしないで下さい。
難しいときは調律師さんを呼んで対処してもらってください。
淡路島 - 2007.09.13 Thu
そしてこの橋が明石海峡大橋。
阪神大震災のときにはまだ建設中でしたが、地震で本土と淡路島側で1mずれたそうです。
でも今はしっかり付いているので大丈夫なんでしょう。
大阪からでも車だと1時間でいける便利なところになりました。
天気の良い日には東の方に関西空港が見えます。
227cmあるので大きいとなったらB型(211cm)になってしまい、このセミコンクラスが一番ややこしい大きさでもあります。
要するに北海道の夕張市のような感じで、赤字の町が合併してより大きな赤字のまま立て直していけるのだろうとか言われているとのことです。
今、こういうホールが多くなってきています。
帰りの明石海峡大橋から眺めた瀬戸内海の夕日です。
日没間近。
帰りのバスでうとうと、、、
サンプル音源アップしました。 - 2007.09.12 Wed
うたまくらピアノ教材としての音源CD全てをサイトにアップしました。
どうぞお聴き下さい。
http://www.utamakura.co.jp/kyouiku/ongaku/kyouzai/hanbai.html
時間的に短いですが雰囲気だけでもお伝えできればと思います。
なお昨日、上記のページににアクセスしていただいた方、大変申し訳ございませんでした。
同じページにプラグインをいっぱい貼り付けてしまい、そのページが開くまでに相当な時間がかかったか、固まってしまったのではと思います。
今回その修正を致しました。
どうぞよろしくお願い致します。
ベヒシュタインでの録音 - 2007.09.10 Mon
うたまくらでは毎月ピアノの教材として楽譜とその見本となる音源CDを出しています。
今日はその録音でした。
http://www.utamakura.co.jp/kyouiku/ongaku/kyouzai/hanbai.html
このピアノは119年経っているベヒシュタインです。
うたまくらの象徴でもあるのですが、所有者の歌枕直美(うたまくら社代表)がこのピアノと出会ってから会社の楽器部門ができたというピアノです。
このピアノの新生はまた次回にご報告致します。
録音という作業はピアノのコンディション、奏者のコンディション、機械のコンディションそれぞれがベストな状態が望ましいのですが、これが毎月となると大変です。
そしてこの教材の最大の特徴は原曲の楽譜にこだわらず、ピアノ曲だけにこだわらずいろんなジャンルをピアノで弾ける選曲と、原曲の雰囲気を壊さず簡単に演奏できるようにして作られているので、そこまで編集する作業が大変なのです。
私はただピアノを見て、録音をするだけなのですが。
でも録音中、「どこかで雑音が、、、。」
「ピアノの中から聞こえる?」
「上の板のはめこみから?」
などといろんな対応をしてようやく録音ができる状態になります。
サンプル音源も聴いていただけるので是非一度お聴き下さい。
http://www.utamakura.co.jp/piano/shozou.html
また、教材の音源もこれから聴いていただけるようにしていきたいと思っています。
お楽しみに!
ザウター 113 アクション分解 - 2007.09.09 Sun
スタッフの水野君と一緒に30年経ったピアノのエンジンをすべて分解して動きのチェックをします。
88個の部品が4列これらを分解するだけでも時間がかかります。
スクリュー(ネジ)の色も白くなってしまっています。
部品すべて円運動になっていて、この赤いクロスと、ピントの間に摩擦があるのですが、この摩擦が大きければ動きが硬くタッチが重い。
なさすぎるとガタガタになって動きに雑音が出てしまいます。
これらを一つ一つチェックしていきます。
ここもたいがい汚くなっているはず。
案の定、ホコリだらけの真っ黒になっていました。
これをほっておくと、ある部品の極度の摩耗につながります。
ここによく油などを塗って動きをよくするやり方をやる技術者もいますが、この油によって年数が経つと、よりべとべとになったり、硬化して動きが悪くなったりするのを見て、修理の修理をすることも多々あります。
一番肝心な部分ですね。
どこまで細かい仕事と、時間とつきあっていけるかです。
左:磨いた後
中古ピアノの一つのポイントでもあると思います。
(新品でもひどいのはありますが)
水野君がんばってください。
フッペル 現代でも生き続けるピアノ - 2007.09.07 Fri
このメーカーはある意味忘れ去られていたピアノでもありますが、数年前の日本映画「月光の夏」でその存在が知れることとなりました。
館長からお話を伺うと、「このピアノはある方からお借りしているもので、もう少しで本人に返さないといけないのです。」と言われていました。
記念館には日本に2台しか無いと書かれていましたが、実はその当時うたまくらでこのフッペルのアップライトの新生を手がけていました。
そして大修理が始まったのですが。
どういう理由でどこの誰に寄贈されたのかは今はもうわかりません。
ドイツ、独ザクセン・アンハルト州 のツァイツ市(Zeitz)―ドイツの南東に位置する人口3万人の小さな町です。
今は現存しないので旧東ドイツ領域ということもあり、第2次世界大戦でなくなったことも考えられます。
100年前ヨーロッパではかなりのピアノメーカーが存在しています。
その中からなぜこのフッペルが日本に選ばれてきたのかは不明です。
でも外国人の商社が取り扱っていたでしょうから、ヨーロッパの中でも選び抜かれたピアノだったことは間違いないと思います。
そして数台がしかも西日本中心に納入されたということだと思います。
パバロッティの思い出 - 2007.09.06 Thu
71歳だったとのことです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070906-00000510-reu-ent
当時イタリアのナポリで仕事をしていたときにナポリのオペラ劇場、サンカルロ劇場に何年かぶりにパバロッティが来るということで大騒ぎでした。
イタリアきっての世界的テノール歌手。
そしてナポリで歌うカンツォーネ・ナポレターノ!
ナポリ人がこれを聴かないわけにはいけません。
調律師ということを言うと信じてもらえず、鞄の中身を見て初めて納得してもらえました。
しかもサンカルロ劇場は手前数メートルは下っています。
ピアノがまっすぐになりません。
高音側が下がってしまうため、足の下に木の板を敷きます。
だいたいがオーケストラのバックでのコンサートが多いのですが、今回はピアノ一本。
ピアニストも大変緊張します。
リハーサル風景。
途中風でピアノの楽譜がめくれてピアノの演奏が止まってしまいました。
すぐ後ろの観客が拾って手で押さえなんとか切り抜けたのですが、もし舞台上に観客がいなければ完全に止まっていたかもしれません。
これがなんといってもイタリア的でしょうか。
最後の1曲だけ後ろ向きで歌ってくれました。
一番緊張していたのではないでしょうか。
タローネ Vol.3 サウンドボード - 2007.09.04 Tue
スタインウェイの工場で研修していたときも、毎日通っても響板作製の工場には入らせてくれませんでした。
小さいメーカ-などは響板メーカーに作らせているのも多いのですが、このタローネは一台一台手作りです。
低音側の端がえぐられているのがお分かりでしょうか。
響板をぐるっと一周しています。
こういう作りをしているメーカーはドイツのザイラー社があります。
このえぐりをどのように作っていると思いますか。
今の技術であればルーターなどで削り落としていくものですが、タローネはスクレーパー(金属の板)をカンナで削るように少しずつ落としていきます。
ピアノの前足を2本取り外し、鍵盤側を地面に付け傾けた状態で削っていきます。
(もっと楽な方法がありそうなものですが)
それも中心が円状になるように。
タローネは中心が円状で厚みを増してボリュームが出るように、響くように。
スタインウェイなどでも中心に行くほど響板の厚みを厚くしています。
響板裏側。
スタインウェイのサウンドベルに近い用途のもの。
鉄骨の高さ、つまり弦圧を調整することができるように。
実はこの金具はファツィオリにも同じものが使われていました。
実際タローネの工場が無くなってから職人たちがファツィオリに行ったのは有名ですが。
(ファツィオリ氏自身タローネとは一切関係がないと言っています)
支柱も中心に集まっています。
そして響板の表側の円状に削られている弧の位置に裏側からはしっかりと木枠が取り付けられています。
振動する部分、しなくてよい部分を分けています。
でもこのこだわりが音になっている訳ですから、これを体感してしまった以上伝えていかなければと思うのです。
ここから出てくる音はいかようにも自分の染めたい色に染まってくれるような音です。
舞台裏 フィナーレ - 2007.09.02 Sun
年に一回の催しということと、トップクラスの指導者による勉強でいやが上にもテンションが上がります。
トップクラスの学生が集まるとこうも素晴らしい音楽を奏でられるのかと思うくらい鳥肌の立つ音楽でした。
コンマスから2~3列目までは真剣でそれ以外は弓の振りも半分くらいかと思うほどのどこかのプロオーケストラと違い、全員が同じ目的で1週間で作り上げた音楽は、取り組む意欲が出ていました。
リハーサル準備。
バッハ。2人のソリストとのアンサンブル。
グリークはフィヨルドが浮かんでくるようでした。
合唱の照明合わせ、スポットが当たっているようです。
疲れた体と耳を本番の音楽に傾けています。
本番の一コマ。
大歓声の中終了しました。
すべてが終わり、楽器も楽器庫の中に方付けられ、反響板も定位置に。
他の部屋では演奏者、関係者、来賓などがパーティーをしています。
また、次の音楽祭に会う約束をして、帰路につきました。
運営するための資金、スポンサー、収入源をどう確保するか、そして広報は。
中身があっても聴いてくれる人を増やさない限り、自己満足で終わってしまいます。
続けることが大切なことはわかっていても、本当に意味のあることを広めない限り本当の国際音楽祭とは言えないかもしれません。
まだまだ課題はある音楽祭ですが、何より取り組む地元の人々の心がきれいなところが誇れます。
舞台裏 Vol.3 夏草や兵どもが夢の後 - 2007.09.01 Sat
メインホール調律、楽器運び、図書館キッズコンサート準備、本番、いろんなものが重なって戦のようです。
通常のコンサートはそれほどでもないのですが、音楽祭という特殊な場合はいろいろ詰め込みお腹いっぱいになる内容です。
音は抜群!
ヴァイオリンと違って一歩控えめなところでもあるのですが、そこが何ともアットホームの感じで良いのです。
25年前の現役スタインウェイから出て来る甘い音色も盛り上げてくれます。
ピアニストからは「調律の一つのポイントがはまるとパッと全体の音が広がるの。それを探して。」とリハーサルのときに言われ、どこまで本番に持っていけたか?
そのあと拍手でステージに向かい入れられたときに、そっと置かれた弓と花束。
サッサと方付けて次の日の準備に取りかかります!