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ピアノの音の強弱 終了しました - 2007.10.28 Sun

無事に企画が終了しました。
来てくださった方々の感性の豊かさをあらためて知ることとなり、非常に濃い時間でした。
今回は子供さんの参加もあり、素直な反応が本当に新鮮でした。
ありがとうございました。

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毎回そうなのですが、準備していた半分も言えなかったというのが本音です。
企画を行うということは、引き出しがいっぱい無いとできませんね。
まだまだ勉強の日々です。
でも出せた分の反応はしっかりと返っていたように思います。


この詳しいレポートは近日中に音入(おといり)で、うたまくらのホームページ上にアップします。
その時はまたお知らせいたします。

お楽しみに!

ベヒシュタイン 12n 1977年製 字も書けるようになったよ! - 2007.10.27 Sat

まず、ホーランドロップ、モモちゃんのお出迎え。
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S様は子供さんのためと、ご自分のためにということで、このピアノを選んでいただいきました。
教室に通い出したのが4歳のときで、今は5歳になりやっと字も書けるようになりました。
ピアノだけではなく、合唱、ミュージカル、万葉歌、いろんなことに挑戦していただいているパワフル親子です!

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書いてくれた字が写っていません、すみません。


ピアノを弾いてもらうにはしっかりと手伝ってもらわなくては。
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おそーじ、おそーじ。
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この時代のピアノから象牙が無くなってきます。
1975年のワシントン条約以降、象牙の輸出入禁止となるのです。
しかしこの12nはそういうことには関係なく、素晴らしい作りになっています。
そしてなんといっても、この大きさから出てくる音色と音量。


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最後にしっかりと出来上がりをチェックしていただきました。
仕上がりはいかが?

残念なこと 最終 - 2007.10.26 Fri

今回でこのピアノに関しての記事は最後にしたいと思います。

今までの経緯
まずはお客様にピアノの状態が良くないまま、お待たせしてしまったことを謝り、このピアノに対して精一杯の調整、音作りをさせていただきました。


以前指摘されていた鍵盤のスムーズな動きの調整、他アクションの調整後、改めて鍵盤の重さを測ると以下のような結果が出ました。
グラム数の意味は数字の範囲内で徐々に軽くなっていると言うことではなく、そのセクションでバラバラに混在していると言うことです。

低音白鍵 67g~57g
低音黒鍵 68g~65g

中音白鍵 60g~50g
中音黒鍵 64g~55g

次高音白鍵 55g~50g
次高音黒鍵 60g~50g

高音白鍵 63g~50g
高音黒鍵 62g~50g

全体で50g~67gの差があり黒鍵が極端に重く、50gの白鍵のすぐ隣に60gの黒鍵があるという、きわめて不自然な鍵盤重さのピアノの状態が、改めて浮き彫りになりました。

これについてはお客様に現状を申し上げて
1.この状態は鉛調整をしないとアクションの調整だけでは、バラツキの差は無くならない。
2.これをメーカーに言っても購入特約店サイドで、うやむやにされてしまう恐れがある。
3.この状態を購入特約店技術者に言っても、これは通常の範囲だと言われればそれまでで、それがメーカーまで上がって行かない。

つまりこの状態を解消するには、こちらサイドで鍵盤鉛調整をやらなければならない、と言うことです。
お客様もピアノの症状をしっかり把握された上で判断されることと思います。

調整の内容は一般的なことのため省かせていただきます。

そして、音の立ち上がりの状態が、非常にもやもやしているとのことでしたので、とにかく、ふやふやの表面を弦溝を落とさずきれいにしました。
写真参照。
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右2個のハンマーの表面の毛羽立ちを取り除いたところ。
左はオリジナルのまま。これですと、特にppのときに毛足が弦にまとわりつき、音の頭がはっきりと出ません。


調整して感じたこと。
最初、工業製品としてのきれいさは感じるが、楽器としてのぬくもりは感じませんでした。
でもそこに少しでも誠意を持って手を入れることで、音楽を奏でる楽器になることを実感しました。
それを弾き手は望んでいるということも。
なぜなら楽器は木は生きていますから。


最後に、お客様に対しては何を信用していただいて良いか、どういう状態のピアノが理想であり、それに近づけることができるか、ということをはっきりと言いきれる仕事をやって行きたいと思います。

ピアノの音の強弱 3回目 - 2007.10.24 Wed

ピアノを弾く時、人はピアノの中がどんな動きで音が鳴っている、ということを意識している方は少ないと思います。


3回目の今回は、この企画にあたっていろいろと予備知識を知っていただくことを考えました。

なぜ強弱が出るのか。
なぜハンマーはフェルトなのか。
なぜ1cm下がる鍵盤の動きでいろんな変化が可能なのか。
そして人間の指先の繊細さが全てを創る。

1.ピアノを弾くとき鍵盤を押し下げます。その鍵盤の下がる距離1cm。
2.鍵盤が動いた瞬間、ピアノの中のアクションも動き出し、ハンマーも動き出します。
 ハンマーが弦を叩くまでの距離5cm。

つまり、鍵盤を叩くとハンマーが動き出し、弦を叩きます。
鍵盤の動きの5倍の運動量です。5倍のスピードです。

弾き手は1cmの運動量の世界で強弱、音色を変化させています。
ピアノの中は5cmの運動量でいろんな強弱、つまりスピードで弦を叩いているのです。

この企画で、強弱の世界は、この1cmから生み出される不思議をいろいろと体感していただこうと思います。

お時間の許す方、是非お越し下さい。

http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/pfkikaku.html

ベヒシュタイン 11 1997年製 - 2007.10.23 Tue

まだまだ若いピアノですが、I様ご家族の成長の思い出、愛犬の思い出などがこの10年で十分にしみ込んでいるベヒシュタインです。
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ピアノを習っているお姉ちゃんも高校生になり、いろんなものに興味がある中、ピアノをずっと続けておられます。
お母さんもピアノの音が聞こえてくるとホッとします、とおっしゃっていました。

このベヒシュタインは10年前の現代でもしっかりと手作りしています。
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この写真のネジを見てください。
金色に光る真鍮のヒンジを止めているネジ、鉄骨を止めている大小のネジ、すべてがマイナス(-)のネジになっています。
マイナスネジはドリルドライバーなどの機械で扱いにくいのです。
ピアノに限らず一般的にはずいぶん前から、ドリルの先にプラスドライバーを付けてプラスネジをガーッとねじ込んでしまいます。
ネジ馬鹿になるものなど、手への感触がわかりにくいのです。
その反面、スピードが早く作業効率はすごいです。

対するマイナスネジは、一本一本手で硬さを感じながら回して止めて行きます。
真鍮のヒンジのネジなどは、すべて一定方向にきれいに並んでいます。
こだわっているメーカーのみ未だに採用しています。
ホームセンターなどにはマイナスのネジはほとんど売られていません。

それにしてもベヒシュタイングリーンのマフラーフェルトは奇抜ですね。

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そしてアーベルのハンマーにアクションレールも木に塗装がしてあり、高級感があふれています。




I様はこの音色に惹かれて、購入を決められたとおっしゃっていました。
この音色をずっと保ちつつ見させていただきます。
I様のご家族の軌跡も一緒に。

ベーゼンドルファー 200 1973年製 - 2007.10.22 Mon

貫禄のあるピアノです。
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ベーゼンドルファー、ウィーンならではの音、感触、すべてがこのオリジナリティあふれる楽器として、ピアノ界に君臨しています。


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この持ち主I様はこのベーゼンドルファーに魅せられて買われたそうです。
今は5歳の息子さんが、I様の弾いていたアップライトを自分のピアノとして、練習しているそうです。
ベーゼンはパパの!だそうです。
ちなみに木で作られている譜面台はI様のお父様の作品です。


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低音1Aの鍵盤に 57 と書かれています。


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これは次高音の場所で 47 と書かれています。


全部の機種ではないと思いますが、写真のように鍵盤の重さが書かれていて、このモデルは
 低音57g~高音47g
段階に分かれています。
10gの違いは大きいですね。
でもちゃんと意味があるのだと思います。

スタインウェイの同じサイズのモデルでは
 52g~47g(コンサートモデル)
 通常47g。


この重さのバランスも音として出てくるのですね。
低音のズーンと言う芯のある音、高音の澄み切った透る音。

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支柱も独特です。


この頃のピアノの共通点は象牙の最後の頃でもあるのですが、個性がはっきり出ていて、それによって好き嫌いもはっきりあるように思います。



次回の調律のときは、是非お子さんのいる時間帯に伺うことをお約束しました。
一緒に手伝ってもらい普段見れないところを是非覗いてもらおうと思っています。
奥様と一緒に。

ヤマハ G7 1967年製 - 2007.10.20 Sat

オール木です。

この時代のものは手を入れれば良くなるという実感がありますね。
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ここにもベヒシュタインの香りがしています。
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特にこの鍵盤押えの加工の仕方などは、ベヒシュタインそっくりです。
手で削るか、機械で削るかの差はありますが。
もちろん、アクションレールなどほとんどの部品は木製です。

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きれいな木を使っています。
鍵盤を抜いたところです。

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この支柱はちょっと簡単な作りのようにも見えますが、

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この写真は何かわかりますか?
本体を撮るのを忘れてしまいましたが、クラリネットのベルの部分です。
ちなみに一個うん万円で、本体はその何十倍のお値段だとか。

このピアノをお持ちのクラリネット奏者A様は来月リサイタルを控えられています。
このベルも材質、カーブ、厚みなどで音色が違ってくるそうです。
どれだけ息をストレスない状態で出せるか、お話を伺ってピアノと共通するものが多いなと感心して聞いていました。
(ピアノの音もストレス無い状態で出したいですよね。)



ですからピアノの調律もしっかりしてくださり、メンテナンスも気を使ってくださいます。
木の楽器の共通点をあらためて知るきっかけとなりました。

信じられな~い ハンマー - 2007.10.19 Fri

またまた修理がやってきました。

ハンマーパンク!
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パックマンではありません。

そうです、ハンマーフェルトの接着がはがれてしまうのです。
ここまでのはがれはひどい!
ある意味、見事です。
手でさわると簡単にポロッとフェルトが取れてしまいました。
これはもう新しいハンマーに取り替えなければいけません。


原因
それは湿気!

湿気でフェルト部分が膨張して接着が耐えきれずはがれてくるのです。

でも、ちゃんとしたハンマーであればこうなることはほとんどありません。

隠れた原因
●ハンマーの製造行程のコストダウンによるハンマーリベット部品の省略
●ハンマーリベットの本来の使い方ではなく、簡単な取り付け方法の採用(ホッチキスの針のようなもので、折り曲げてなくただ刺さっているもの)

(ハンマーリベットとはフェルトとフェルトを巻き付ける木部を、接着だけでなく穴をあけて金属のリベットを貫通させて、上下で折り込み、はがれないようにしっかりと止める役割のもの。写真参照)
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ハンマーのレントゲン写真です。
黒く横たわっているものがハンマーリベットです。
しっかりと貫通しています。




このピアノはハンマーリベットがありません。
これはメーカーの廉価版ピアノの部品だからです。
はがれなかったらラッキーというところでしょうか。
悲しすぎます。


しっかり直すまで待ってて下さい!

ザウター 113 センターピン調整 - 2007.10.19 Fri

ザウター 113 ようやくアクションの修理の方が終わりました。

その途中経過ですが、アクションの動きはすべて円運動で成り立っています。
ということは円の中心、つまり軸があるわけで、その軸の動きがスムーズかどうかをしっかりチェックしないと、88鍵そろったタッチになりません。

その円運動が硬いときは削って動きやすくして、柔らか過ぎのときは太い軸に交換。
この軸となるピンが1台のアクションでアップライトだと約330カ所あります。
この動きをすべて同じ感触でそろえるのですから、ちょっと気の遠くなる作業ですが、これが肝心です。

20年以上やっていてもこの作業は難しいです。
その大きな理由は
1.今はよくても何年後かには変化する。
2.木の変化は環境、材質で違ってくるので変化の先読みが難しい。
3.クロスの材質(つまり感触)が年代、メーカー、製造国で違う
4.不具合で技術者が塗った薬品のしみ込んだものはもっと厄介


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センターピンを抜いて硬さを調べ、硬いときは削ります。
使用とするセンターピンよりひとサイズ細いセンターピンにヤスリでキズを付け、それで削ります。

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入れようとするセンターピンと穴との感触をチェック。

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入れて、

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差し込んで長い部分を切って、バリを削っておしまい。



後はピアノに入れて調整です。
次回は本体の調整です。

ピアノの音の強弱 2回目 - 2007.10.17 Wed

今月のうたまくらピアノ工房連続企画での準備に取りかかっています。

前回のハンマー製作に続き、今回は以下のようなハンマーを用意しました。

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左から
1.硬化剤でガチガチに固めたハンマー
2.水にぬれたハンマー(湿気を含んでしまったハンマー)
3.整音で針を刺しすぎでパンク状態になったハンマー
4.長期間の使用で消耗が激しいハンマー(弦の跡が極端に付いている)

ちょっと写真ではわからないかもしれませんが

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1.硬化剤でガチガチに固めたハンマー:ある意味形が整っています。
2.水にぬれたハンマー:表面が縮んでいます。さわると柔らかい。
3.整音で針を刺しすぎでパンク状態になったハンマー:縦にも横にも膨れ上がっています。
4.長期間の使用で消耗が激しいハンマー:弦の溝が長いです。

さて、どんな音が出るのでしょうか?
そして、強弱のコントロールは?

正常なハンマーでの強弱をあらためて考えて、演奏でのポイントを体感してみましょう。


ベヒシュタイン 9 1925年製 - 2007.10.15 Mon

このピアノはH様が昨年購入してくださった物ですが、珍しくずっと日本にある物でした。
つまり1925年、大正14年から日本にあり戦時中も焼けずに残っていたわけです。

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戸塚さんの著書「ベヒシュタイン物語」によりますと、当時このピアノは2000円、物価がわかりませんが家が建つくらいの金額と聞いた記憶があります。
当時はヤマハがベヒシュタインの総代理店をしていました。
また、ベヒシュタインから技術者を呼んで技術の指導を受けていたのです。
詳しくは下記ページをご覧下さい。
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/070218/kikakushowa.html

そしてこのピアノはぼろぼろの状態で、弦の間には松の枝が挟まっているくらいの汚れようでした。
ん、しかし、よく見ると松ではありませんでした。
それはトカゲの白骨化した物が挟まっていたのです。

とにかく汚れを拭いたりしてきれいにしていると、このピアノは部品が殆どオリジナルのまま使えるということがわかりそのような修理をさせていただきました。

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作曲をされているH様もいろんなピアノを探された中でこのピアノの音色に魅せられて購入してくださったわけですが、優しい弾き方で、ピアノに語りかけるように弾いておられます。


いろんなピアノが消えていく中、次の弾き手が見つかったピアノは本当に幸せだと思います。

ポーランドという国 - 2007.10.13 Sat

ポーランドという国をどこまでご存知でしょうか。
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今年は日本・ポーランド国交回復50周年だそうです。
ピアノをされている方ならポーランドと聞いたなら真っ先に思い浮かぶのは、ショパン。
大阪で記念祭が開かれ、コンサートもオールショパンプログラムの演奏がありました。

私自身、ヨーロッパをいろいろまわった経験はありますが、ポーランドは行ったことがありません。
ほとんど知らない国の一つです。
20年ぐらい前の話になりますのでその時は、まだヨーロッパが東西に分かれていました。

日本とも深いつながりのある国ということを今日あらためて知りました。


細かい歴史は不得意なので省略させていただきますが、ポーランドという国は「狭間の国」と言われています。
西にドイツ、東にロシア。

そして一時は占領されて国が無い状態の時もありました。
ショパンの生きていた時代も国がありませんでした。
国境が無かったのです。
日本では考えられないことですが。
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写真のようにロシアとドイツに領土が分けられています。


その時、地下組織で日本と国交をつないでいたそうです。
第二次世界大戦中は多民族国家ポーランドの中のユダヤ人を助けるために、在ポーランド日本大使館代理の杉原千畝が日本行きのビザを発行し、1000人以上のユダヤ人を助けた話は有名です。
日本のシンドラー。

そして、戦後その恩返しとして阪神大震災で被災した子供たちをポーランドに招待して元気づけてくれました。



今はEUに加盟して発展していっているそうです。
EUの経済成長率が2~3%に対してポーランドは6.2%
日本の企業も155社あるそうです。

そしてポーランドの若者は日本語を勉強している人が多いということだそうです。
しかも日本書紀、古事記などを読んでいるとか。
勉強不足です、、、はずかしい。

ピアニストは遠藤郁子さん
戦後20年のショパンコンクールを受けられたのがポーランドとの出会いと言われていました。
曲間でショパンと、ポーランドのお話を交えてのコンサート。
着物の衣装も遠藤さんならではです。
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ポーランドの国旗も白と赤です。
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今月下旬に今度はポーランドでジャパン・ウィークが開かれます。
http://www.iffjapan.or.jp/japan_week/new_info/

そこに日本の文化を発信するために歌枕直美が行きます。
http://www.utamakura.co.jp/artist/concertjoho/concertjoho.html

私は日本でヨーロッパから来たピアノを見てます。

グロトリアン-シュタインヴェッヒ 185 1924年製 - 2007.10.09 Tue

3年前にうたまくらピアノ工房で新生させていただいたピアノです。

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このピアノは大阪のとある学校に廃棄寸前のゴミとして捨てられそうになっていました。
とにかくピアノの形をしているのでキューバには売れるということで、業者が引き取ったところを見せていただきました。

蓋を開けてびっくり。
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グロトリアンではありませんか。
すぐにうたまくらで引き取らせていただいて、命を吹き込んでいきました。
この模様はまた是非お伝えしたいと思います。

現在のグロトリアンとまた違います。
当時のアップライトもよく似た鉄骨をしています。
一つの特徴としてはとにかくシンプル!
鉄骨のネジも当時のベヒシュタインと比べても1/3の本数です。
しっかり計算されているからこその設計だと思います。
写真撮り忘れましたが、裏の支柱はグロトリアンの特徴でもある放射状です。
次回お見せできたらと思います。





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N様はこのピアノの音色、響きの虜になられて手に入れてくださいました。
今はお嬢さんの舞ちゃん、凛ちゃんがその響きを奏でてくれています。
そして舞ちゃんは自然と響き、音色を感じているので、そのダイナミックレンジの広さを見事に弾き分けて演奏しています。
本当に素敵です。

でもピアノの周りを走り回らないでね!

ベヒシュタイン8 1927年製 と 12n1973年製 - 2007.10.08 Mon

今日は富士山の見えるお宅Y様のお宅に先日納品されたベヒシュタイン8の調律に伺いました。
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朝はあいにくの雨でしたが、昼過ぎからどんどんと青空が見えてきました。



80歳のベヒシュタインですが何ともこのお部屋(仮住まいだそうです)にもぴったりです。
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長い距離の移動の変化を見させていただきました。
丈夫なもんです。
調律もあまり変化していません。
強いて言えばアクションの動きのバラつきとペダルの雑音。
これはちょちょいのちょい。



そして手間取ったのはこの12n
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木目はきれいなのですが、弾いてびっくり。
重い!
音色が一つ?

原因は湿気でアクションの動きが鈍く、この状態で販売店から買われたそうです。
ご本人曰く「このピアノ12nはこんなもんかと思っていました。」
とのこと。

いえいえ、このピアノは小さいボディーで信じられない音量と音色を出すのです。

本当なら修理というところですが、簡単にもって帰れる距離ではないのでその場での応急処置となりました。
乾かして、動きを見て、ハンマーのブワブワをきれいに削って、、、
5時間後にようやく本来の12nの音が出てきました。

半分あきらめかけていたY様。
ご家族のみなさんの笑顔が見れてホッとしました。
これで34歳、80歳のベヒシュタインを弾いて時代の音を楽しんでください。


長い時間失礼しました。

残念なこと 続き - 2007.10.07 Sun

何週間か前にヤマハの新品グランドのクレームがあったお客様の件で動きがありました。

『調律師としてすべきこと、判断すること』
今回はこのことをすごく考えさせられることとなりました。

お客様はまず
1.弾きにくい
2.タッチの不揃い
3.鍵盤が重い

を言われていてそれを見に行った結果、かなりの狂いを確認してこの状態があまりにもひどいと感じて保証期間内でもあるので購入先の販売店で一度確認してもらった方が良いです、とお伝えしました。

すると、技術者と営業の方が訪問されたそうで、そこから私宛に電話がかかってきました。

「あなたは調律師としてこの状態が恥ずかしくないのでしょうか?しっかり調整をしてから重さを測るべきではないのでしょうか。」と販売店調律師(30数年の経験者ベテラン調律師)。

「私が手を加えてしまうと現状がわからなくなるので、あくまでも今の状態を見ていただいた方が判断できるとしてそのままにしました。そして、過去に他の支障の件で問い合わせたところ、ヤマハの技術者以外がさわったものは保証できません、と言われたのでそのままお見せすることが良いと判断したわけです。」

このようなやり取りがあって、最大のポイントの鍵盤の重さはどうなっているのかを聞きました。

「ヤマハでは公表していません。また、私も知りません。大体55~60gに納まっていればいいと思っています。この一件があって以来ピアノを30台近く測っていますが、同じような感じです。ところでスタインウェイはどのくらいですか?」

「・・・(このかたの基準は?今まで他のピアノへの興味は?)
スタインウェイは小さい機種は47gで大きいものは47~52gです。」

「軽いんですね、もっと重たいのかと思っていました。
とにかく見解の違いですね、このピアノ狂いかたは普通です。ヤマハの範囲内です。」

「わかりました。」

でも最後に救われたのは
「同じ技術者としてお客様の意見が一番だと思います、それに向けての良くしようとする技術者としての意見だったと思いますので、あなたのとった行動の意味はわかります。また、電話では顔を見て話しできないので私としたら本意ではありません。」
と販売店調律師。
そして、荒木さんに調整してもらってくださいと何もせず帰られたそうです。




今回の件でわかったこと。
1.鍵盤の重さの基準が無い。(現場ではあったとしてもこれくらいという曖昧なもの。でも設計段階では絶対あるはず。そう思いたいです。)


教訓
新しい国産ピアノへの調整の提言がより難しくなりました。
手を加えれば絶対良くなるということはわかっていますが、基準をどこまでのレベルに持ち上げるかピアノの状態で変わります。
それを言い続けていかなければとも思っています。


お客様の立場に立って考えているのはどの技術者も同じだと思います。
でも何がお客様にとって良いことなのか、大変考えさせられることになりました。

ピアノの音の強弱 1回目 - 2007.10.05 Fri

今月の連続ピアノ工房企画で行う内容ですが、ピアノはどうして大きい音、小さい音が出るのでしょうか。

強く叩けば大きい音が、弱く叩けば小さい音が出ます。
でもこの奥にはいろんな秘密が隠されています。

ピアノの前身である鍵盤楽器は今のピアノのように強弱がしにくい楽器でしたが、改良により今のようになったわけです。ではなぜ強弱が付くのでしょうか。

演奏のときに少しでも意識していただけるような企画にしたいと次のことを考えています。
ピアノの中身を細かく分析するというよりも感触を実感していただけるように行いたいと思っています。
その中の実験の一つにハンマーの状態を知るということを行います。
つまり弦をたたくハンマーの状態一つで音の強弱の基準が変わります。

通常弦を叩くハンマーは羊毛フェルトで作られていますが、ピアノの変遷の過程ではいろんな材料が使われていました。
極端な例を作ります。
今回羊毛の性質を全く持たない写真のようなハンマーを作りました。

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一つはゴム、もう一つは木。
いったいどんな音がするのでしょうか。
これで強弱は?

ゴムは多少の弾力があります。
木は弾力が全くなく固いままです。

これらを弾いて意識を高めていただけるきっかけになったらと思います。

企画までのお楽しみ。

次回はすり減ってしまったハンマーと、新品ハンマー、パンクしてしまったハンマー、硬化剤でカチカチのハンマーについての強弱についてです。

第二の人生 - 2007.10.02 Tue

今日はT様のお宅の調律でした。
T様は今年60歳、この春定年で今はピアノと水彩画を習われていらっしゃいます。

ピアノはPruthner(プリュートゥナー)。
マホガニーの国産です。
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実は二字違いでドイツの有名なメーカーがあります。
Bluethner(ブリュートゥナー)1853年創業(スタインウェイ、ベヒシュタインと同じ年です)

日本で一昔前ピアノがバンバン売れた時代がありました。
その中でいわゆるヤマハ、カワイ以外の中小メーカーは30社ぐらいあったのですが何か特徴付けるためにいろんな工夫をしました。
そして、なまえも日本の名前ではなく、いかにもヨーロッパという名前をつけたのです。

このプリュートゥナーは当時ヤマハ、カワイが既に樹脂製のアクションを作っていたのに対して、すべて木でできていることの重要性を武器にしていました。
実際に何年経っても修理が可能なのは言うまでもありません。
T様もそういう部分を考えて買われたそうです。

お子さんが結婚され離れてしまい、ピアノは家に残されました。
誰も弾かれずに残ったピアノをもう一度定年を機にご自分で弾こうと思われたそうです。
今では楽譜も全く読めなかったのが半年のレッスンで、「星に願いを」を弾かれています。
そして、お子さんが帰ってこられたときにもピアノがあることで家の中にピアノの音楽が流れるようになったということです。

ピアノも生き返ったことでしょう。
半年前の調律のときにはすごい狂いかたでしたが、今回はしっくり落ち着いて微妙な変化だけで済みました。


次回は是非レパートリーを増やして一曲披露してくださいと頼んでいます。
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また来年が楽しみです。



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arakipiano

Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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2007年10月28日 (日)
ピアノの音の強弱 終了しました
2007年10月27日 (土)
ベヒシュタイン 12n 1977年製 字も書けるようになったよ!
2007年10月26日 (金)
残念なこと 最終
2007年10月24日 (水)
ピアノの音の強弱 3回目
2007年10月23日 (火)
ベヒシュタイン 11 1997年製
2007年10月22日 (月)
ベーゼンドルファー 200 1973年製
2007年10月20日 (土)
ヤマハ G7 1967年製
2007年10月19日 (金)
信じられな~い ハンマー
2007年10月19日 (金)
ザウター 113 センターピン調整
2007年10月17日 (水)
ピアノの音の強弱 2回目
2007年10月15日 (月)
ベヒシュタイン 9 1925年製
2007年10月13日 (土)
ポーランドという国
2007年10月09日 (火)
グロトリアン-シュタインヴェッヒ 185 1924年製
2007年10月08日 (月)
ベヒシュタイン8 1927年製 と 12n1973年製
2007年10月07日 (日)
残念なこと 続き
2007年10月05日 (金)
ピアノの音の強弱 1回目
2007年10月02日 (火)
第二の人生
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