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今年最後の仕事は? - 2007.12.30 Sun

仕事納めです。
今年の締めくくりは、明日行われる久石譲さんのジルベスターコンサート2007のリハーサルです。
昨年同様、大阪で大晦日のコンサートの締めくくりをされます。
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これはオーケストラの編成表です。
指揮をしながらピアノも弾くという図です。

リハーサルも念密に数日前から行われ、すべてオリジナルだけに、またクリエーターだけに直前の変更もかなりあるとのことで、周りがピリピリしています。

本番は私の担当ではないので、大晦日は実家の福井に帰ってゆっくりさせていただきます。




本物を追求する何かを伝えなければいけない、またこういう世界があることを知っていただきたい、そして何よりお客様のピアノへの思い、暖かさを伝えたい、こういう所からブログをやり始めて半年が経ちました。
読んでくださった方、コメントを下さった方への感謝を思い、1年間健康で仕事をさせてくださったお客様、そして影で支えてくれた会社、家族に感謝したいと思います。


また、来年はどんなことが飛び出すか、自分でも楽しみです。


どうぞ皆様良いお年をお迎えください!

うれしかったこと 四位一体 - 2007.12.27 Thu

今日伺ったY様のところで知りました。
Y様のリサイタルが去る11月に行われ、
(その時の記事です)
http://blogs.yahoo.co.jp/kinichiaraki/25887450.html

その評論がある音楽雑誌に載りました。
コンサートが多い秋で、しかもほとんど東京の評論で、唯一関西から一つ選ばれたのが、Y様のリサイタル。

そこで評論として書かれていたことが、当日私がY様に向けて言った一言、
「PPの限界に挑戦してください!それがY様の音楽性を大きく広げると思います。」
このことが随所にちりばめられていました。

少し抜粋を。

* * * * * * * * *
某月某日 ○○ホール
フランスビアノ音楽を実に気持ちよく堪能できた演奏会。
~中略~この2曲は ピアノの弱音の美しさを魅力的に弾きこなし淀みない流れが心地いい。
~中略~決して押しつけでない適度な 距離感でピアノの醍醐味を愉しませる。サラバンドでは深い響きと静寂とが 絶妙のバランスで奏され、
~中略~ピアノの音色が一段と輝きを増した感じだ。 しかも音が宙を舞うが如く自在なコントロールで至福の時間と空間を創り出す。
~中略~大きなうねりの中にダイナミックなリズムと音量をバランス 良く表現、弱音を魅力的に歌い上げる技術はすばらしい。
今回の成果をさらにハイドンやモーツァルトの世界にも展開し、いつの日か ステージでその演奏を聴くことのできる機会が楽しみなピアニストである。
* * * * * * * * *



ご本人曰く「これは褒めすぎ!」
いや全然、期待通りのことです。




普段、批評というものをほとんど見ません。
というのも、批評というより批判が多いからです。
本人をつぶすような書き方をしたり、また、本人が意図していないことが書かれていたり、過去にはピアノが悪いのではなく調律師が悪いとまで書かれたのも見ました。




しかし今回は、技術の仕事というのがピアニストよって活かされ、三位一体(ピアノ、演奏者、技術者)いや今回は四位一体(+聴衆)という証明になりました。

ザイラー と スペインの明かり - 2007.12.23 Sun

関東のお客様80年前のザイラーをお持ちの方G様のお宅に伺いました。
最近家を引っ越しして家を建てられ、「荒木さんが歩いて来られる所に引っ越しました。」とのこと。
うれしいような責任が重いような、でも呼ばれればどこまでも行きます!


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このピアノが入っているお部屋で将来レッスンをされるとのこと。
隣に置いてあるピアノはまたいずれ紹介します。

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ピアノの上にある照明はスペイン製の照明とのこと。
デザインがすっきりしていて、雰囲気があって、別空間に来たようでした。
かなりこだわって選ばれたそうで、そしてピアノも同じようにG様に選ばれたわけです。

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ペダルの構造があまり見たことの無い動きで、感心してしまいました。
写真でわかりますか?
天秤の棒ごとひねられて動いています。

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勲章の数々です。
今でも残っているメーカーですが、あまり見る機会はありません。
こういうピアノでのレッスン、生徒さんがうらやましいです。

フップフェルト きれいな象眼細工 - 2007.12.20 Thu

関東のお客様 今度はこの春に購入してくださったY様のフップフェルト
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幼少の頃からピアノを習われていて、高学年になるにつれてピアノを弾いていることが恥ずかしくて、そのことを隠されていたそうです。
そして、大学のときにピアノサークルで火がついたとのこと。
その時買われたヤマハのグランドを引き取らせていただき、このフップフェルトを購入してくださいました。

このピアノにはバッハが似合う、そう言ってくださいました。

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あまり知られていませんが、100年の歴史を誇り、旧東ドイツのライプツィヒで作られています。
そうです、このライプツィヒこそバッハが後半の人生を送った地でもあります。


Y様は今は半導体の技術者で世界を飛び回られています。
仕事でなかなか弾く機会が無いとのことですが、ゆっくりと時間を作ってくつろいでください。

ヤマハ グランドピアノの鉛調整 - 2007.12.18 Tue

関東のお客様、E様宅に7~8年経ったC5があります。
普段演奏活動をされているので、いろんな楽器を弾かれているのですが、最近その演奏を聴かせていただいて、あることに気づきました。
それは音色のバラつき。

根本は何かと考えた所、毎回お邪魔して作業させていただいているご自宅のピアノ、この精度に限界があると思ったのです。
状態の良いホールでのピアノを弾いた時、普段練習している基本となっているご自宅のピアノでのタッチが出てしまいます。
何年かかけて、最高の状態を作って来たつもりでいましたが、最後に引っかかっていたことがありました。
それを前回ご本人にお伝えしました。
鍵盤の重さのバラつき。

数ヶ月前にも取り上げましたが、国産のピアノで鍵盤の重さの微調整をしている所はほとんどありません。
(していたらコストが上がってしまいます。)
やはり白鍵とすぐ隣の黒鍵で平均7~8gは違います。
黒鍵が非常に重たいのです。

かなりシビアに管理していただいているのでアクションの状態も素晴らしく、きれいに鉛調整をすることができました。
いずれハンマーを交換するときのことも考えて、相談して今回は鉛を貼付ける方法での調整です。
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約1時間の調整です。

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鍵盤の裏側です。
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結果これだけの鉛を貼ることになったのですが、素晴らしく反応が良くなり、白鍵と黒鍵のバランスもそろいました。
無意識に黒鍵だけ強く弾いてしまう癖が取れますね。

E様に弾いていただくと「今までは何だったの、早くやってもらえばよかった。」と。


ヤマハはある意味これだけの重さのばらつきも感じさせないくらいの、世界に誇れる弾きやすいアクションということだと思っています。
それをもっとそろえることができるということです。

これがそろうと音色ももっとそろいます。
次が楽しみ!

プレイエル ご夫婦で音楽 - 2007.12.17 Mon

先週関東方面の調律に伺いました。
そこでまたいろんな出会いと、出来事、素晴らしい仕事ができました。
今日から少しずつお話しさせていただきます。

浜松から夜行快速というのに乗り、早朝に着いた横浜で仕事です。
そこにはI様所有のプレイエルがあります。
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I様は仕事を退職されてからピアノを始められました。
そしていろんなジャンルの曲を弾かれ、しばらくブランクがあり、またもう一度弾きたいということでの再開です。
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大変繊細で敏感な感覚をお持ちで、ピアノの音色の不揃いなど的確な指示を頂きます。


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奥様はこのピアノを伴奏にヴィオラをされていて、ピアノの上に掛けられている絵も同じフランスの画家のものだそうです。

いつまでも仲良く音楽を楽しんでください。

身も心も大満足 山口県 - 2007.12.17 Mon

関東から帰ってからすぐ次の日に、山口に飛びました。
と言っても陸路ですが。

山口での今年度いっぱいで休校(後に廃校)が決まった小学校での、歌枕のコンサートスタッフとして行きました。
下関市豊田町。
コンサートのことは改めて書かさせいただきたいと思います。

日本海と瀬戸内海の間ぐらいに位置していまして、そこは海の幸山の幸が豊富です。
そこで次の日、一日休暇をいただきY様U様に案内していただきました。

まずは秋芳洞

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高校の修学旅行以来約20年ぶり。
あらためて大きさと神秘さと時間の尊さを感じました。

そして日本最大のカルスト大地、秋吉台
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ここでは名物の夏みかんソフトクリームではなく、産地でもある有名な梨ソフトクリーム。
寒いのに妙に食べたくなってしまいます。

お昼は日本海に出て長門市。
ここはあの有名になった詩人金子みすゞの生地でもあります。

そしてご飯の、これまた有名な釜飯。(ウニ、いか、あなご、シャケ、、、)
そして行列。
私はあなご釜飯と、茶そば。
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金子みすゞ記念館にも行き、今度は心を満たされました。
そこで、もうサンタはいないと知っている娘(中2)に、父さんサンタがプレゼント用に詩集を買いました。
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金子みすゞ、直筆

帰りの新幹線の駅まで、暗くなるまでご案内いただきましたU様初めY様、本当にありがとうございました。

関東のお客様 - 2007.12.13 Thu

今週はほとんどブログの更新ができません。
というのも、この月曜日から1週間、恒例の関東方面のお客様の調律、調整に伺っています。
またいろんな素晴らしい出会いと、中身の濃い作業になっています。
毎日出したいくらいですが、時間がちょっとありません。

帰阪次第アップしたいと思います。
お楽しみに!

企画レポート、アップしました - 2007.12.08 Sat

遅くなりましたが、先月行われた工房企画、コンサートなどのレポートをアップしましたので、是非ご覧下さい。

時代を語るピアノの響き
http://www.utamakura.co.jp/piano/jidai/071118/report.html

アンコール企画「倍音の秘密・ペダルの秘密」
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/071125/kikakuanencore1.html





次回の案内です。
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/pfkikaku.html

ベーゼンドルファー 捜し続けたピアノ - 2007.12.07 Fri

S様のこのベーゼンドルファーは約20年経ったものですが、非常に良い状態で2年前日本に入ってきました。
やはり日本の環境で20年経ったものとは違う、楽器として乾いた状態の安定したものでした。

S様はあるホールでベーゼンドルファーと出会われて、それ以来魅せられたそうです。
そして捜し続けてようやく2年前このピアノのお世話をさせていただけました。
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やはりいろんな所のちょっとした工夫がこのメーカーのこだわりを感じます。
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アクションの中の白い突起物が見えますが、これはスプリングの力をネジ式に調整できるもので、通常は付いて無く、スプリングを伸ばしたり縮めたりしての難しい作業です。
技術者にとっては非常に便利なものです。
また、雑音が少ないのも特徴です。
しかし、コストが高いのであまり採用されていないのが現状です。



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巻き線も工夫個所の一つで、ベーゼンドルファーは真線に銅線を手巻きで巻くのですが、巻き始と巻き終わりに工夫が見られます。
通常銅線を巻いたら、終わった時点でブチッとちぎるのですが、そこからほどけて来てジンジンと雑音の原因になったりします。
でも写真のように、銅線の始めを薄くつぶしてよりしっかりと密着するように巻いています。
これも手間ですね。


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そして鍵盤には通常クロスを使用する所が、鹿革を使用して耐摩耗性を考えています。

ただし、今のベーゼンドルファーはこういう細かい部分がどうなっているかは知りません。
コストがかかるためいつまでも採用しにくい部分でもあります。

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いつまでもこのように
Bosendorfer
Wien
と書かれ続けていって欲しいです。


これからもこのピアノで語りかけるような音楽を、音色を奏でていってください。

プレイエルとRoHS指令 - 2007.12.04 Tue

今日はプレイエル。
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言わずと知れたショパンのお気に入りです。
実際の所、ショパンの時代のピアノとは全然違うのですが。
詳しくはこちら
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/070321/kikakupleyel.html


S様は化学系の技術者。
毎回の調律を楽しみにしています。
というのもS様にいろんな技術化学系のお話が聞けるからです。
どうも化学は苦手ですが、ピアノもその恩恵を十分に受けているのです。

RoHS指令という言葉をご存知ですか?
プレイエルと関係しているというわけではないのですが、でもいずれピアノ全体にかかわることになりそうなことをお聞きしました。

Restriction of the Use of CertainHazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment
の略だそうで、つまり電気電子機器への特定有害物質の含有を禁止するものだそうです。
これはEU(欧州連合)が輸入製品に対して規制しているもので、該当するものが鉛、カドミウム、6価クロム、水銀、ポリブロモビフェニル、ポリブロモジフェニルエーテルの6物質。
よくわかりませんが、そうなんですピアノも鉛を使っているということです。
それが有害というのですから。
私なんぞ鍵盤鉛調整と称してガンガン触っていますが。

でもおかしなことにEUから他の国への輸出にはまだ規制が無いそうです。

そういえば最近カワイが鉛の無い、環境に優しいピアノを、というふれこみでピアノを出しています。
時代とともに材料も変わって来ていて、仕方の無いことかもしれませんね。
でもこれと調整がしっかりできていないのとは別物ですが。


話が逸れましたが、こういう内容のことを調律に伺った際お聞きできるのですごく勉強になっています。
違う視点でピアノを見られるというのは大変重要なことです。
S様は10年前に初めてピアノを始められ、全く楽譜が読めなかったのに今では楽譜もばっちり。
先生のプレイエルに影響されこのピアノを購入し、かなり難しい曲までも弾きこなしてしまっています。

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また、いろんなことを教えてください!

グロトリアン-シュタインヴェッヒ189の整音 - 2007.12.02 Sun

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このピアノをお持ちのI様から、このピアノに合った整音をお願いしますと言われました。
1979年製。
この時代のグロトリアンはドイツのブランシュバイクに新工場を建てて、効率の良い生産方式で作っていた時代のものです。

色んな意味で昔からの良い部分を受け継いでいるところと、合理的に変化している部分と色んなところが見えてきます。

このピアノに合った整音とは?
正直考えました。

ピアノは良く鳴りますが、今は音の芯が平べったい感じで、太さが足りないと思いました。
まずは、昔のグロトリアンの良さと、現代の高次倍音をうまく含めた音を持たそうと思いました。
マイスターから180cmクラスの楽器というのは設計的にも理想の大きさで、一番作りやすいサイズだと聞いたことがあります。

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ということは負荷がかかっていないので、素直な音が出るはずだ、と思い年数が経って素直さが隠れてしまった部分をもう一度引き出そうと考えました。

結果は????


I様は素晴らしい感性の持ち主で、このグロトリアンの本質を見て、良さがまだ引き出されていないということを感じ取られたわけで、色んな音楽を聴かれて、弾いているからこその言葉だと思いました。
そして、ピアノだけでない広い分野で色んなアンテナを立てられているからこそ、芸術の中の音楽、ピアノを見ておられるのだと思いました。




I様のために語ってください。

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ザウターとピアノ5年生 - 2007.12.02 Sun

今日伺ったのはピアノを始められて5年目のご年配のT様。
このザウターと出会って1年、そこから感じたということを教えていただきました。
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それは
ピアノはそれぞれ音が違う、
このピアノを弾いてそれがわかるようになりました。
そうです、木の音がします。

一番うれしいお言葉でした。

調律が終わってこの12月の発表会で弾かれる曲を披露していただきました。
その理由も、人に聞いてもらっての音楽があり、それは人に聞いてもらうことにより、育っていくという内容のことをおっしゃってくださいました。
演奏は暗譜で、しっかりと弾いてくださいました。

演奏というものはその人の心が見え隠れしていると思っています。
そうですピアノが語ってくれていました。


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ここのメーカーは先日、日本のメーカーに買収されたところと違い、未だにザウター一族で200年近く経営されています。
素晴らしいことですが、大変なことだと思います。
動ける範囲内での精一杯のことをやっているメーカーだと思います。

このザウターで作った音色の感覚を持って、12月の発表会、がんばってください!




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プロフィール

arakipiano

Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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2007年12月30日 (日)
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2007年12月27日 (木)
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2007年12月18日 (火)
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2007年12月02日 (日)
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2007年12月02日 (日)
ザウターとピアノ5年生
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