ペトロフがやって来た! - 2008.04.29 Tue
ワーグナーの整音 - 2008.04.24 Thu
このピアノは2つのメーカーで過去製造されていたもので、写真の花文字が旧アトラスピアノ社、大文字のブロック体のものが東洋ピアノです。
大手取扱店のブランドであったため、扱いを辞めた時点で15年ほど前に姿を消してしまいました。
というのも国産ピアノでしっかりとした整音作業を行っているメーカーはあまりありません。
このピアノもすごく硬い音で、金属で叩いているかのような音で、強弱も付けられず、ずっとマフラーペダルを使用されていたとのことです。
ほとんど何も施していないハンマーでした。
そして今回は弾いての変化などでの音色のばらつきのご指摘を受け、再度整音の微調整でした。
S様の耳がどんどん良い音を聴くという耳になってこられています。
また、タッチもその良い音を出すためのタッチになってきているのにも驚きました。
環境は大切ですね。
企画レポート 時代を語るピアノの響き - 2008.04.16 Wed
先月行われたコンサート「時代を語るピアノの響き」のレポートが完成しアップしましたので是非ご覧ください。
いろんなきっかけでお越しいただいていますが、最近の傾向は、自分で買ったピアノは本当に良いものなのだろうか?と疑問を持って来られ、ここうたなくらピアノ工房で確認されるという方が増えています。
何とも複雑な気持ちですが、なにはともあれ基準というものを確かめにきていただけるというのは光栄なことです。
また、技術者、ピアニスト、趣味の方、全くジャンルの違う方などいろんな方面から歴史を語っている、時代を語っている楽器というより文化を見に聴きにきていただいているのだと思います。
このコンサートは年3回行っていきます。
また次回をお楽しみに!
時代を語るピアノの響き
http://www.utamakura.co.jp/piano/jidai/jidai2.html
ツィンマーマン 夢はファミリーコンサート - 2008.04.14 Mon
ツィンマーマンをお持ちで、3人の子供さんがそれぞれ、調律に来るのを楽しみにしてくださっています。
3人が大きくなって離れて行っても,集まったときにアンサンブルが出きれば、、、とT様。
現実なかなかお時間が無くいろいろと難しいとのことですが、今日はいろいろとお手伝いもして,最後には演奏もしてくださいました。
これこそ,ファミリーコンサートです。
長女のお姉ちゃんは調律時間に、お菓子を焼いてくれました。
調律中、密かにいい匂いがしていました。
素晴らしいティータイムでした。
(お姉ちゃんはお菓子で登場でした。)
芯のある暖かい音です。
というより、中を開けたとたん興味津々の大きな目で、触りたいと!訴えているようでした。
期待に応えてあげましょう。
お時間が無い中少しでもピアノを弾かれて楽しんでいらっしゃるT様ご家族。
そのピアノをまた来年も見させていただきます!
世界遺産での調律 - 2008.04.13 Sun
大変づくしでしたが、素晴らしい経験をさせていただきました。
その時の写真ですが、極楽坊という本堂ですがかなり広いところで、音が散ってしまうかと思っていましたが、なんと外にまで透き通るような音が出たのです。
元興寺の木霊とベヒシュタインの木霊が会話をしているようでした。
不思議です。
幻想的な空間だったと思います。
ベヒシュタインGPの整音 - 2008.04.09 Wed
先月行われた企画には遠くからお越しいただいて本当にありがとうございました。
作業しながら話すというのはなかなか慣れませんね。
でも少しでも昔のベヒシュタインの特徴が伝えられたかと思います。
ピアノは本当に生き物だとつくづく思います。
企画レポートを作成アップしました。
どうぞご覧ください。
http://www.utamakura.co.jp/piano/kikaku/pfkikaku.html
今年度からも新たな企画を予定しています。
是非、お越しください!
世界遺産でベヒシュタインが響く - 2008.04.05 Sat
来週の12(土)再来週の19(土)と奈良の世界遺産元興寺でうたまくらのコンサートが開かれます。
毎年恒例となっていますが、今回は初めて生のピアノを持って行きます。
世界遺産で120年前のベヒシュタインのアップライトが歌の伴奏として弾かれるのですが、3年前に100年以上経ってはじめての修理をして、よみがえったピアノです。
当日も調律をしますが、そこは万葉時代1300年前の瓦がそのまま使われているという元興寺(がんごうじ)の極楽坊本堂です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%83%E8%88%88%E5%AF%BA
この創立者のカール・ベヒシュタインが生きていた時代のピアノが、うたまくらから飛び出して弾かれるのは私は初めて聴くことになりますが、大変楽しみにしています。
どんな響きになるのか、お客様の反応は?
歌とピアノとパーカッションで語られる「空海」是非ご興味のある方はいらしてください。
和歌劇「空海」
http://www.utamakura.co.jp/artist/wakageki/eizowakageki/kukai/kukaitop.html
~音楽と映像で綴る日本の物語~
日 時 2008年4月12日(土)・19日(土) 開演18:00
会 場 元興寺 極楽坊本堂 (奈良市中院町11)
料 金
一般 ¥4,500(前売り¥4,000)
応援する会会員 \3,000
学生 \2,500(前売り¥1,800)
交 通 ・JR奈良駅より徒歩20分・近鉄奈良駅より徒歩10分
今日のピッチは444hz - 2008.04.02 Wed
めったに無いピッチ指定が来たコンサートでした。
バイオリンの葉加瀬太郎さんです。
ファンクラブ限定トーク&ライブでした。
通常クラシックのピアノのときは442hzが多いですが、ホールの通常ピッチでもあります。
ピアノソロではピッチ指定はほとんどなく、他の楽器と合わせる時にピッチ指定があります。
でもなぜ444hzなのか。
ピッチが高くなると響きがきらびやかになります。
かのベルリンフィルは指揮者のカラヤンが、もっと高く、もっと高くと言って445hzに定まったのは有名な話です。
葉加瀬さんは通常いろんなアーティストとのライブがあり、その楽器の固定ピッチで制約されてしまうそうです。
今日はバイオリンとピアノ。
自由がききます。
しかもPAを使わず珍しく生音。
やってみたかった、とのこと。
ピアノにとってはどうでしょうか。
実は大変過酷なことなのです。
設計的にはピッチ440hzが基本になっていて、弦の寸法もこれに基づいて決まっています。
(それ以上のピッチでも壊れることはありません。)
ピアノには約240本弦が張られており、その一本一本が約90kgの力で引っ張られています。
ピアノ全体には20t(20000kg)という張力がかかっています。
そのピッチを1hz高くするだけで数tの張力が増えることになります。
この日朝一番でピッチ上げ調律をして、もう一度確認、そして本番前にもう一度、ライブが終わって次のコンサートのためにピッチ戻しの調律をピアノ庫で黙々と、、、
ピッチの変更は弦が元の位置に戻ろうとするので、音程が狂いやすくなります。
ピッチ変更はできるだけしたくないな、、、
ライブの方は葉加瀬さんもファンに囲まれての演奏とあって盛り上がり、ピアニストもノリノリで大成功のようでした。
ピッチが上がったことにより倍音も豊かになり、張りが出て葉加瀬さんのパワーに合っていたように思いました。
良かった良かった。