ベヒシュタイン B 1971年製 オーバーホールVol.1 - 2008.09.26 Fri
手作りチェンバロとベヒシュタインの大移動 - 2008.09.23 Tue
K様はご自分で写真のチェンバロを作られました。
プロではなく全くの初心者なのですが、この腕前。
調律師でもなかなかこうはいきません。

そして響板の中の絵もご覧の通り。

ここで問題です。
なぜ鳥の絵、花、草木が描かれているのでしょうか?
昔は貴族の楽器でした。
その当時はもっともっと派手な装飾が施されているものも少なくありませんでした。
楽器職人は宮廷のお抱えでもあり、しっかりと守られていたようです。
生きた木を切って楽器にするので、その木が生まれ変わって楽器になっても以前のように木に花が咲き、鳥がとまり、また命が芽生えているかのように絵を描いたと言われています。
絵の腕前も素晴らしいの一言です。
このチェンバロが239cmあるのでエレベーターに入りません。
いつもの運送屋さんに頼み、8階階段上げです。
そしてベヒシュタインも移動で、最後の1階の階段上げの模様です。



新天地で楽器も喜んでいるようです。
ヘレン・メリル ラスト コンサート 究極の音響 - 2008.09.18 Thu
大阪に帰って来てお客様以外の最初の仕事はジャズの歌姫ヘレン・メリルの日本でのラストコンサートでした。
歌手生活65年ということでステージでの最後のコンサートにしたいということですが、79歳で会場のテンションを上げ、熱気に満ちたステージにするということは凄いことです。
また、「ニューヨークのため息」と言われるように、ハスキーな声でのささやきも素晴らしいものでした。
また、ツアーの影の立役者として裏方の方々をちょっと紹介。
このツアーで音響をされている方のポリシーは「生音を活かす」ということで、それはいかに楽器の自然な音を聴かせるかにこだわっておられます。
マイクの立て方、楽器の配置と間隔。
スピーカーの音が基準ではない、生の音の良さ。
サウンドチェックではマイクが無いかのような自然の音で度肝を抜かれました。
ジャズですとだいたいPA(マイク・スピーカーなどの音響システム)が入って来るのですが、大物アーティストなどのときは大手音響会社がここぞとばかりに大きくすることが多いのです。
そこを、おかしい!いろんな経費削減ができる!と指摘した今日の音響やさん、無駄を省きツアーのおおきな仕事を全て任されて20年になるそうです。
影の立役者がそろっての信頼しきっているツアー。
「You'd be so nice to come home」
で、余韻に浸りながら帰りました。
ホールでのコンサートが最後とは残念。
第19回武生国際音楽祭 ファイナル! - 2008.09.18 Thu
第19回武生国際音楽祭 今日のバミリ - 2008.09.09 Tue
第19回武生国際音楽祭 今日のゲストは? - 2008.09.07 Sun
今回の音楽祭が開かれることに際して、FM福井の番組でゲストとして呼ばれました。
突然だったということもあり、何を話すのか打ち合わせ段階で、「長年音楽祭にかかわって来たことでの裏方からの目線でのメッセージを。」ということでした。
この越前市文化センター(旧武生市文化センター)の職員の方々がホール舞台、音響、照明、裏方全てを何役もこなされています。
ピアノ調律師という立場で調律以外ではふんぞり返ってという状況でありません。
ということはいろんな場面でいろんな役をまかされることとなりました。
ある時は調律師、ある時はカーテンの開閉人、ある時はステージマネージャー、そして演奏者にお水とおしぼりを出して一声かけて、、、
FM福井のアナウンサーが番組の最後に
「、、、ありがとうございました。今日のゲストはピアノ調理師の荒木欣一さんでしたー!」
生放送の番組でした。
でもよく考えると、ピアノを触っていてもピアノにかかわるいろんな仕事をやっているので、今日のピアノはどのように調理しようかという視点はおもろい!と思いました。
第19回武生国際音楽祭 今日から開幕 - 2008.09.04 Thu
今夜から福井県越前市(旧武生市)で武生国際音楽祭が開かれました。
今回のテーマはオーストリア。
オーストリアと言えばいろんな有名な作曲家がいます。
バッハ、モーツァルト、ブラームス、シェーンベルク、などなど。
前夜祭はジャズで始まり、

多いに盛り上がり、オープニングの今日は出演者総出のコンサートでした。
武生と言う地は源氏物語にも縁がある地で、今年は源氏物語千年紀ということもありいろんな催しが予定されています。
その源氏時代からある楽器「笙」(しょう)という楽器にもスポット当て、現代音楽にも取り入れ注目します。

また、バッハ時代の日本では尺八があり、その奏法の一つである、フラッターという舌を巻き舌にしながら音を出す奏法は西洋と日本では考え方が違ったということです。
日本ではその震える振動の音は自然界に存在するいろんな雑音、つまりあるべき音という意味だそうで、西洋はそういう物を一切否定して純粋な音だけを求めたのだそうです。
そして現代、その奏法がいろんな楽器で当たり前のように、無くてはならない物として取り入れられています。
つまり300年前日本では300年後の音楽の最先端のことをやっていたのです。
ここでピアノはあくまでも一つの楽器として取り上げられるのですが、いろんなピアニスト、曲が目白押しで、熱い1週間となりそうです。
体力の維持を地元の味で補っています!