野路菊って知っていますか? - 2008.11.30 Sun
野路菊ってご存知ですか?
今日調律で伺ったI様の地元、姫路市の東の端、大塩というところですが、野路菊の群生地の最北端だそうです。
その野路菊がほったらかしにされ荒れ果てていたところをお父様が復活されました。
この花は背が低いので周りの草木で隠れてしまうとすぐに小さくなってしまうそうです。
人の手が入って初めて広がっていくとのこと。

この写真はI様撮影
野路菊の向こうに家島が見えその奥に四国の香川県が見えます。

11月が一番見頃で、散る寸前に写真のようにピンクに染まるそうです。
荒木の携帯での写真。

この写真はI様撮影
野路菊と桜の紅葉です。
復活された山では春には桜、秋には野路菊でまっ白になるそうです。
3年前からの活動で、今ではこの花の咲く期間1ヶ月で1万人の方がこの大潮にやってこられます。
是非来年機会があれば是非、満開の野路菊を見てください。
ピアノ弾き語録 Vol.7 ピアノから教えてもらった - 2008.11.25 Tue
今日伺ったのは100年前のベヒシュタインをお持ちのO様。
このピアノと出会って数年、「このピアノに教えられた」とおっしゃってくださいました。

ご主人がトロンボーン奏者、ご本人はピアニスト。
二つの地下の練習、レッスン室を壁を取り払って、一つの大きなお部屋にされ、音響、防音にこだわられた作りの中にベヒシュタインとトローンボーンが置かれています。
毎回伺って、この修理をしたベヒシュタインと会話しながらの作業です。
ピアノを見ていると、弾かれている人の普段が見えてきます。
どんな曲をどんな感じで弾かれているのか。
ご本人曰くこのピアノと出会って、よく音を聴きピアノを感じるようになったということと、その時代時代のピアノの良さが少しずつわかるようになったとのこと。
ピアノに教えてもらうということはこのことだと思いました。
環境づくりも大切で、その環境が基準となっていくのだと思います。
ピアノ弾き語録 Vol.6 線が細い! - 2008.11.24 Mon
大変な仕事でした。
コンサートの仕事でしたが、5年ぶりに伺ったホールとピアノ。
以前の状態を想像していたら、とんでもないことが待っていました。
この春にハンマーを交換したとのこと。
しかも、その状態が右から左へとポンと交換したような形で、その後の調整、整音などが何とも中途半端。
「今日は演奏会ができるだろうか?」という不安から始まりました。
でもピアニストはそのような状態を想像していないわけで、ちゃんと普通に弾ける状態でピアノが待っていると思っています。
限られた時間の中、一からの整音をやらざるをえませんでした。
なんとかリハーサルまで間に合わせ、リハーサルがはじまると、3分も経たないうちに「今日ハンマー削りましたか?」鍵盤のうえのハンマーのホコリをしっかりと払っていなくて、ざらついて注意を受けました。
しまった!基本的なことが、、、。
コンサート1部終了後戻ってこられ、開口一番「線が細い楽器ですね。」
短時間での作業の限界を感じつつ、何も返す言葉が無く、うなずいていました。
でも弾き手はそんな状態でも本番をしっかりとこなさなければ行けないのです。
大変な仕事だと思います。
最後の仕上げは弾き手なので、そこの責任は大変大きな物だと思います。
コンサート自身は無事終わったのですが、納得のいかない仕上げでの本番、未熟でした。
言葉の裏に隠れている意味の重さに、つぶされないよう次につなげなければ!
ベヒシュタイン B 1971年製 オーバーホール Vol.3 - 2008.11.20 Thu
コンサートの季節、企画の季節 - 2008.11.19 Wed
先日うたまくらピアノ工房で、一日を通しての企画がありました。
秋はコンサートのシーズンでもあります。
ちょっと視点を変えてのコンサート。煌めきピアノコンサート!
修理仕立てのオーガスト、蘇ったトロピカル、宇宙の響きタローネ、いろんなピアノが生い立ちも含め、いろんなエピソードも添えて紹介し、それぞれの音色が奏でられました。
お客様もいろんなところから,いろんな方がいらして本当にありがとうございました。
さて、午後に「倍音の秘密」という企画を行い、聞き慣れない言葉と、聞いたことはあっても詳しくは知らないことと思います。
私自身も結局のところ苦手だったことから勉強するようになりました。
学生時分なんとなくやっていたことが,よく考えると意味がつかめていなかったり。
とにかく、初めての人でも倍音ってこんなのか、と少しでも理解していただけるよう内容を掘り下げ、視覚的に工夫をしたつもりです。
以下の内容を検証、実験,体感していただきました。
人間の可聴域は16~20000Hz
20歳?
35歳?
47歳?
ピアノ?
周波数をとらえるグラフでどのように見えるかの実験。 倍音がはっきり見え、いろんな特長がわかります。
1. 弦長の1/2を打弦
2. 弦長の1/3を打弦
3. 弦の端を打弦
4. よってピアノは?
5. 最高音の音に倍音が少ない理由?
6. ヴァイオリン奏者は?
7. ピアノの歌う音とは?
8. 良いピアノかそうでないかの違いは?
演奏状の効果のお話
実際の音での倍音の聴き比べ
1. 人の声でどう違うか 。いろんな方に声を出してその特長を見て説明。
2. 硬いハンマーと柔らかいハンマーでの違いは?
3.グランドピアノでのソフトペダル使用時の倍音は?
4.ピアノの種類によって違うか ?
5.調律で整音できる?(倍音を変える)
とにかく汗だくになって良くしゃべりました。
でも来ていただいたピアノの先生、生徒さん、ピアノ愛好家、そして調律師の皆さん、何となくわかっていたことがわかりやすく入ってきましたと、嬉しいお言葉。
あらためて、どのように説明するか、次回が見えました。
次、もちろん自分も楽しめる企画を考えたいと思います!
まだまだ勉強せねば、、、。
ベヒシュタイン B 1971年製 オーバーホール Vol.2 - 2008.11.12 Wed
ベヒシュタインの最高傑作と言っていいモデルでもあります、B型。
205cmという少々大きめではありますが、ピアノの理想の大きさでもあり、昔から定評があります。
このピアノを修理していっていますが、まずは外装の修理となりました。
塗料の下の化粧板がはがれてきていたので、そのはがれから塗料が割れてきて、いたる所にヒビが入っていました。
はがしてみてその原因がわかったのです。
黒塗りというのは化粧板の木目をあまり気にしなくてよいので、おろそかになりやすいのでしょうか。


細かいパーツがいろいろ。
奥に見える鉄骨も掃除します。
それにしてもきれいな木を使っています。
また、響板のヒビも少し発生していたのでそれもしっかりと直します。

これから冬場になっていくと日照時間が短くなるので、今のうちに!ということで象牙の漂白を先に済ませました。

以前は

これからは響板の修理に入っていきます。
ベヒシュタイン トロピカル仕様 隠れた技Vol.3外装編 - 2008.11.09 Sun
トロピカル仕様の外装編です。
大きく違うのは接着剤です。
そう膠(ニカワ)を使用しているために湿気で剥がれてしまわないよう、全てネジ止めされています。

木目の装飾のところ。(真鍮ネジの向きを揃えています)
鍵盤蓋のカーブのところは接着されていません。(実はカーブになっているように見せて、裏からはL字の真鍮金具で支えているだけ)

ロゴもどことなく雰囲気が違います。

最後に鍵盤です。
通常、白鍵は上面と手前のところとで2枚の部品を貼付けていますが、そこも剥がれやすいので一体化になって、しかも真鍮ビスで止めています。
その2つづつの点がチャームポイントかもしれません。
このトロピカル仕様の音色は今度の土曜日曜のコンサートで!
子どもの反応は最高! - 2008.11.05 Wed
先日、うたまくらの企画でのピアノってどんな楽器?はとにかく子どもの反応が大変面白いものでした。
ピアノの中に動物がいます。
さてどんな動物でしょう?

(ハンマーを削ったフェルト(羊毛)を触ってもらっています)
いろんな動物の写真を床に並べて、ピアノに使われているいろんな部品、しかも動物のものを当ててもらいました。
すると、ある小学生の子が
「そんなん、決まってるやん、この写真のパンダやん!」
「なんで?」
「鍵盤が白黒やん!」
なるほど!
単純なことやん。
と新たな発見でした。
これは次使える。

そして、どんどんピアノを分解していくたびに、
「うゎ~!」
「へぇ~!」
「すごぉ~!」
その反応でこちらもわくわくなっていきました。
弦も直接たたいてみてね。


全部ふたを外した状態で先生にベヒシュタインを弾いてもらいました。
「音が大きい!」
「わぁ~、たたいてるぅ~。」
最後に、ピアノというのはこういう自然のものでできているんですよ、ということを伝えられたと思います。
次は11/24です。
次の反応はどんなんかな!