ベヒシュタイン B 1971年製 オーバーホール Vol.5 - 2008.12.28 Sun
今年も後わずか。今年中に終わらせておきたい仕事の一つとして、ベヒシュタインの響板の塗装がありました。
冬場は塗料の乾きが遅いため、しっかりと乾くまで時間がかかります。
この冬休みの間にじっくりと乾かして、次の作業の準備をしたいと考えています。


この塗料は以前この響板に使われていたニスをこそぎ落として、改めて溶かして使って刷毛塗りしました。
この飴色がたまりません。
乾いてからの響きが楽しみです。
このニスを塗った直後でも、ド~ンと響いていたので。
来年からの作業は張弦にアクション関係です。
ハンマー付けに、整音。
また、ご報告いたします。
ベヒシュタイン B 1971年製 オーバーホール Vol.4 - 2008.12.24 Wed
ゲルハルト・オピッツ氏のお人柄 - 2008.12.20 Sat
12月は第九が多い月ですが、結構他のコンサートも目白押しです。
昨日はあるオーケストラの定期演奏会でソリストとしてゲルハルト・オピッツ氏が出演されました。
オピッツさんとは昔、イタリア時代からお世話になっています。
イタリアのナポリの、あるピアノコンクールの覇者でもあるオピッツさんはナポリと縁があり、ここでのコンサートでブラームスのピアコン1番を弾かれその仕事がきっかけでした。
それから日本で、あるホールのピアノ開きのコンサート、その他色々と担当させて頂きました。
リハーサルなどではピアノまわりをゆっくりと歩き、さらっとピアノを弾かれ、「後は本番に取っておきます」とその場を和やかにしてくださいます。
今回の曲はベートーヴェンのピアノコンチェルト5番。
王道をいきますね。
あの安心感、重厚感、そして熱いものが伝わってきます。
終わると開場は団員さんも含めブラボーの嵐でした。
満席の会場が湧いていました。
舞台袖に帰ってこられると、水を差し出したスタッフに日本語で「これは焼酎ですか?」「いえいえ!お水です。」ごくごくと飲み干し「焼酎で乾杯できると思ったのに、、、」と笑ってジョークを言って楽屋に帰られました。
ピアノをピアノ庫に片付けてドアを出るとオピッツさんがいらして「今日はありがとうございました。」日本語で言われると嬉しくなります。こちらもお礼を言って最後に「アウフヴィターゼン(さようなら)」覚えている少ないドイツ語で挨拶をすると「また次回!」と。
プロは最後の締めもきれいでした。
次回を楽しみにしています。
アリス=紗良・オット 超絶技巧練習曲集 - 2008.12.18 Thu
今日の仕事は「超絶技巧」この文字が吹っ飛んでしまうほどの迫力でした。迫力というより、さらっとしかも情熱的にこなしてしまう演奏にびっくりしました。
ピアニスト アリス=紗良・オット

今注目のピアニストですが、幼少の頃から才能を発揮されて、今若干20歳。
あのドイツ・グラモフォンからのデビュー記念演奏。
リストの超絶技巧練習曲集、12曲を68分間、休む間もなく演奏し続けました。
数曲を取り上げるコンサートはあっても、全曲のリサイタルはほとんど聴いたことはありません。
決してテクニックが前に出るのではなく、一曲一曲を丁寧にしかも、集中力を切らさず弾き続ける。
よくありがちなテンポが速すぎて指が追いついて行かなくなるようなことなんて全く無く、これだけの曲を安心して優雅に聴いていられるのは珍しいと思います。
その証拠に、ピアノの調律を狂わさない演奏、リストでこれができるなんて不思議です。
調律がうまくなった気分です。
聴衆の皆さんも最後の静寂まで飲み込まれていました。
凄いアーティストが出て来ました。
渡辺貞夫 クリスマスライブ!2008 - 2008.12.13 Sat
クリスマスなのにノリノリのライブ。
あるホールでの仕事でした。

御年74歳のサックス奏者、渡辺貞夫さん。未だ現役で若い人を引っ張っておられます。
今日の仕事はこのナベサダさんの仕事でした。
若いときにコマーシャル、テレビ、ラジオなのでよく耳にしていたサックス、時代を引っ張ってこられた方でもあります。
そして今日はサンバ、ボサノバのブラジルがテーマでした。
もちろんメンバーもみんなブラジル人。
陽気!陽気!陽気!
ナベサダさんの半分以下の年のメンバーばかりで、その人たちをノリも含めて引っ張っておられました。
すごい!
ピアニストもスタインウェイとヤマハのシンセ、そしてフェンダーローズを操っていました。
あのリズム感と雰囲気は持って生まれたものなのでしょう。やはり本場ですね。
演奏が終わって舞台袖に帰ってくる度に、私を見て親指を立てて、グー!
こちらも両手の親指でグー!グー!
そういえばブラジルでのクリスマスは真夏のクリスマス。
ノリノリでもおかしくないのかも。
帰宅時もノリノリでした。