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生まれ変わりますヤマハC7 Vol.2 - 2009.03.31 Tue





お預かりしているヤマハC7のオーバーホールが始まりました。

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作業内容は全弦交換、ハンマー交換、それに伴う整調、整音ほかです。


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外装の分解から、錆び付いている弦を外していきます。


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そして、鉄骨を降ろしてわかったことは、この時代のヤマハは響板のふちに特に鉄骨の乗っているカーブした側に黒の塗料を塗っています。
それは鉄骨と側板の隙間が黒くなっているということになります。

この隙間は時代で、メーカーでいろんなことをしてあります。
・毛虫みたいなリボンをぐるっと貼付ける。
・黒く塗る
・全く白木のままにする

このヤマハの塗料が実はくせ者でした。
響板のニスと、黒の塗料が分離して黒の塗料が剥がれてきて、浮き、割れて、響板の上に落ちて、それがビリビリと雑音の原因になるのです。

ご覧のように刃物で剥がすとペキペキといとも簡単に剥がれます。
しっかりとふちの塗料を剥がしました。


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もう一つ見つけてしまった修理
響板と響棒の剥がれ。
隙間にサンドペーパーを入れてみるとかなりの隙間でした。
ちょうど木の板と板が貼り合わさっているところが盛り上がり、響棒から剥がれてしまいました。
これもしっかり直さなくては。


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修理は新品以上の仕上げができるので、今からどんな音に仕上がるか楽しみです。



緊急事態!鍵盤が動かない! - 2009.03.25 Wed





突然のお電話。

「荒木さん!ピアノの真ん中の音の鍵盤が急に下がったまま上がってこないのです。どうなったのでしょ~。」

と、助けを求める電話でした。
ピアノのI先生、鍵盤が動かないためその日のレッスンを全てキャンセルしたとの事。
ピアノを弾く人は鍵盤と外装ぐらいしか見えません。
技術者はこういうときはピアノの動きを頭の中で分解していくつかの想定をします。
鍵盤なのかアクションなのか、壊れているのか外れているのか何か挟まっているのかetc

原因を追究しないと症状は改善されませんから、先生との電話のやり取りからです。
「いつから動きませんか?」
「昨日まで普通に動いていましたが、今日ピアノを弾こうとすると急に下がったままになりました。それも白鍵と横の黒鍵が一緒に下がるのです。手でぐっと上げないと上がりません。」
「ということは、昨日までに徐々に支障が出てきたのか、昨日から今日にかけて急に出てきたのかですね。昨日何か変わった事はありましたか?」
「いつものように子供のレッスンをしていただけです。以前、この部屋に洗濯物を干したせいで湿気たのでしょうか~。」

「湿気でしたら、他の鍵盤も症状が少しでも出ていてもおかしくないのですが。それではピアノの上のふたを開けてアクションや、ハンマーが見える様にしてください。」
「はい、開けました。」
「それでは動かない鍵盤のハンマーがわかりますか?わかったらそのハンマーを手で動かしてみてください。」
「普通に動きます。」

「その時鍵盤は下がりますか?」
「いいえ、下がりません。ほかの場所は鍵盤下がります。」
「動かない場所はアクションではありませんね。鍵盤のどこかに原因がありますね。ナイフのような薄いへらのようなものをお持ちですか?」
「えっ?何するんですか?」

「とにかく持ってきてください。そして動かない鍵盤の隙間を見てください。何か挟まっているようなものは見えませんか?」
「わかりません。でもナイフの先に何か当たるものがあります、引っかかります。見えます!見えます!何かあります!」
「その引っかかっているものを鍵盤の下に落とすか、ほじくり出してください。」
「えっえっちょっと待ってくださいね。あっあっ出てきました、出てきました!」

「何が出てきたんですか?」
「小石です。」
「はぁ?小石ですか。子供さんが入れたんでしょうね。」
「よかったー。ありがとうございます!」
「よかったです。以前ご飯粒のからからに固まったものが挟まって動かないということもありました。原因は子供さんの袖についていたご飯粒でした。明日から3日間出張でいませんのですぐには飛んでいけない状態だったので、遠隔操作で解決したのはよかったです!お疲れ様でした。」

30分の遠隔操作での緊急対応でした。

生まれ変わりますヤマハC7 - 2009.03.21 Sat





お客様からお預かりしたヤマハC7

修理になったきっかけは、あまりにも音が割れて大きすぎ、そして何年も使っての消耗。
ここまで来て今までの調律師さんからは買い替えを勧められ、まだまだ良いピアノなのに納得できないとの事。

う~ん。わかります。

C7といえばフルコンの次に大きなグランドピアノ!
このパフォーマンスは昔から定評があり、フルコンが入らないところはこのセミコンで、というのがよくありました。
きっと満足いただけるよう、ppからffまで自由に弾いていただけるよう、いっぱい音色が作れるよう仕上げます。


納品までの2ヶ月弱このピアノの修理をレポートいたしますのでお楽しみに。

ベヒシュタイン B 1971年製 完成! - 2009.03.15 Sun





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ようやく完成しました。

道のりは長かったですが(単純に時間がかかっただけということでもありますが)できてしまえば苦労も忘れてしまいます。

最後の作業は写真を撮る時間もありませんでしたが、
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一本一本ハンマーのニカワ付けをして、整調をして、調律、命を吹き込む整音。

どなたの手に渡って行くか、今から楽しみです。
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このピアノの詳しい情報はこちら

速報!煌めきピアノコンサート ライブ - 2009.03.15 Sun





本日、うたまくらピアノ工房で全てのピアノを使ったコンサート「煌めきピアノコンサート」が行われました。

写真がその模様ですが、それぞれの楽器にあった選曲、時代背景、また作曲者とのまつわり、そして一貫したテーマを通して音楽や語りが繰り広げられていきました。
演奏は歌枕直美(弊社代表)


遠くは埼玉、三重、そして関西圏の方々。
いろんな世代、高校生から70代の方まで、そして技術者、ピアノの先生、生徒さん、いろんな職種の方々が大変近い距離で聴いていただけました。
その分、いろんな空気を一緒に体感していただけます。
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一台一台ピアノの説明と(それは私荒木がいたしました)そのピアノに合った曲の演奏。
間近に聴く木の響き。
小さいスペースだからこその贅沢なコンサートです。


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タローネでのファリャの「火祭りの踊り」



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オーガスト・フェルスターでのショパン
(映画「戦場のピアニスト」でも最後のレコーディングのシーンでこのピアノが登場します。)


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最後はうたまくら茶論に移りお茶を飲みながら、その場で出会った方々がテーブルを囲み談笑しています。
ろうそくの光の中でクラヴィコードチェンバロフォルテピアノ
そして120年経った創始者カール・ベヒシュタインが生存していた頃のベヒシュタイン。


まだあさっても同じコンサートが行われますので、異空間を体感しに是非お越し下さい!

煌めきピアノコンサート ご案内! - 2009.03.08 Sun





ピアノが弾けたらかっこいいなぁ、ピノが弾けたらすてきだなぁ、って思ったことありませんか。そんな方々に是非来ていただきたいコンサートが、今度の日曜、火曜とうたまくらピアノ工房で行われます。

展示してあるピアノを全て使ってそのピアノに合った曲で演奏です。

今まさにこのコンサートで使われるピアノたち10台を順番に調整、調律しているところです。
ベヒシュタインのグランドピアノもコンサートでは使用しませんが、この日までに間に合わせて弾いて頂けるように仕上げています。

下記詳細です。
是非お友達、お知り合い、親子でお越し下さい。
そして、コンサート後は是非これらのピアノをご自身で弾いてみてください。



詳 細
日 時 2009年3月15日(日)14:00~16:00
        3月17日(火)10:00~12:00
会 場 うたまくらピアノ工房・うたまくら茶論
料 金 一般¥2,500.- 学生¥1,800.-(お茶付)要予約
演奏・お話 歌枕直美
楽器案内人 荒木欣一
内 容 一部ではうたまくらピアノ工房にある全てのピアノを使ってので様々なジャンルの音楽を演奏いたします。きっとお気に入りの曲が見つかるかもしれません。
 二部は茶論でお茶を召し上がり、歴史的鍵盤楽器(チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ)を使った演奏や120年前の新生されたベヒシュタインを使っての演奏を聴いていただき鍵盤の歴史をたどってのコンサートです。

お申し込みはこちらへ
utasha@utamakura.co.jp
件名:歌枕直美の煌めきピアノコンサート参加

お名前、参加日、参加人数(大人、子ども)をお知らせください。


お待ちしています!

グロトリアンーシュタインヴェッヒ 救出! - 2009.03.04 Wed





80年ほど前のグロトリアンーシュタインヴェッヒをお持ちのI様宅へ伺いました。
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10年ほど前に購入されてから、このピアノの本来の音、タッチを体感されていないと感じました。
それはこのピアノの状態によりました。

音は出ているものの、タッチの不揃い、そして何よりグロトリアン・トーンのまろやかさが出ていません。
オーバーホールでハンマーなどいろんなところを交換されているようですが、全ての部品がマッチングしていません。

古い体に新しい部品がポンと取り付けられているだけでした。

これはしっかり救出しなければ!
せっかくの素晴らしい楽器が活かされていません。


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あちらこちらに付いたハンマーへの弦の跡
あっちこっちに向いたハンマーの傾き
土台から整音のやり直しでした。
左がビフォー、真ん中が途中、右がアフター(完成)


分解していて面白かったのは、鍵盤に埋め込んであるある部品です。
現在では垂直に埋め込まれていますが、これは
DSCN5485.jpg
手前に傾いています。
スタインウェイはこの時代、反対の奥に傾いて取り付けられていました。
それぞれメーカーの考えがあったのです。

最後に、この時代のグロトリアンの音色をもう一度今に再現し、I様に弾いていただきました。半分あきらめかけておられたI様は10年目にしてやっとこの楽器と向かい合えることができたと感じられたそうです。

よかったよかった!

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プロフィール

arakipiano

Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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2009年03月31日 (火)
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by AlphaWolfy

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