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オーガストフェルスター 現地での納品整音 Vol.3 - 2013.01.29 Tue

S様が留学先のチェコから持って帰ってきたピアノ。
それが80年ほど経っている戦前のピアノ。
工房での修理を終え、ようやく納品となりました。
納品と言いながら、本体に入れて初めて聴く音になります。
P1270021.jpg

以前の音色の記憶と、S様のご希望の音色を考え、アクションの調整も含めまとめていきます。



オーガストフェルスター 工房でのこだわり修理 Vol.2 - 2013.01.23 Wed

ドイツから帰ってきたハンマーを取り付け、ハンマーウッドにフェルトを巻いてもらった時に起きた、接着部分のニカワ切れを直し、ハンマーが動くところの軸となる部分のガタを直し、今回から鍵盤に移ります。

昔の鍵盤は象牙が使われています。
年数が経っていくと、だんだん剥がれていきます。
そういうピアノは多分年数の経った象牙でしょう。
そして、象牙でも戦前のピアノに多いのはジョイント象牙です。
手前側と奥側、つまり幅の広いものと狭いものの2枚で一つの白鍵を作っています。

その手前部分が剥がれてしまいます。

はがれた鍵盤の修理は貼り直すだけなのですが、これが結構難しいのです。

P1220027.jpg




オーガストフェルスター ドイツでのこだわり修理 - 2013.01.08 Tue

昨年からお預かりしている修理で、80年以上経っているオーガストフェルスターのグランドピアノアクションです。
S様がチェコに留学中大変気に入られて購入して持って帰った来られたピアノです。
向こうでは当たり前のようにこのような古いピアノがいっぱい使われています。

普通に部品の交換を行なっていくのと今回はちょっと違う、こだわりの修理をお客様とお話して決めました。
80年前の部品が今は手に入りません。
また、マイナーなメーカーなので、販売台数も多くなく、オリジナルのアクションの設計がメジャーにはならなかったので、現在は作られているモデルではありません。

すると必然的にその当時からの部品を極力直すというやり方以外ありません。
もしくは自作する。

ハンマーの木部の形とフェルトの厚み、そしてハンマーシャンクの素材の良さから、このハンマーウッド自身にフェルトを巻いてもらう修理をしようという選択を取りました。
この修理はドイツでしか行われていないため、ドイツのハンマー工場に送ってやってもらいました。
8年前にうたまくら茶論にある120歳のベヒシュタインのアップライトの修理の時も同じやり方を行いました。
古い部品が蘇ります。

P1040007.jpg
完成してドイツから送られてきたハンマーアッセンブリー




新年のあいさつ - 2013.01.03 Thu

新年あけましておめでとうございます。

昨年一年間このブログをお読みいただいてありがとうございました。
いろんな取り組み、コンサート、修理の模様を綴ってまいりました。
ピアノに特化した内容ではありますが、道具であるピアノが主役になるだけではなく、ピアノに携わる方々もこれまで以上に綴っていきたいと思います。
ブログを通じて情報の提供、いろんな考えの発信、共有も出来ました。

今年も今まで以上に意味のある情報発信を心がけて、少しでもピアノに携わていて良かった、携わっていきたいと思っていただける方々が増えれば嬉しいと思います。

どうぞ今年もよろしくお願い申しあげます。

荒木欣一



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arakipiano

Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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2013年01月29日 (火)
オーガストフェルスター 現地での納品整音 Vol.3
2013年01月23日 (水)
オーガストフェルスター 工房でのこだわり修理 Vol.2
2013年01月08日 (火)
オーガストフェルスター ドイツでのこだわり修理
2013年01月03日 (木)
新年のあいさつ
by AlphaWolfy

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