親子3人で来られ、工房のピアノを弾き始められました。
100年前のピアノを弾かれ「こんな美しい響きのピアノがあるんですね。オリジナルでここまで保っているなんて素晴らしい。」
いろんな質問、お話をしていくうちに最初の疑問の「なぜ、うたまくらに来られたのですか?」
と聞くと、
「実は昔あるピアノの音を聞いて驚いたのです。国産の普通のアップライトがとても素晴らしい響きで、誰が調律されたのだろうと聞くと、そのお店の調律師さんだとわかりました。それ以来K調律師さんに頼んでいました。しかし数年前に亡くなられて、、、。調律師を変えた時にあまりにも合わなくて愕然としました。調律師でここまで違うのかと思い、ちゃんと自分のピアノに合う調律師を探さなくてはと思った次第です。」とのことでした。
「1年前からずっとブログを見ていました。いつか工房に来たいと思っていました。」
「荒木さん、K調律師さんはご存知ですか?毎年2回遠くから来ていただいていました。」
「はい、知っています。20歳上の大先輩で、25年以上前からお世話になった方です。この業界の歴史やお客様との接し方や、この道でのいろはを教えていただきました。数年前に亡くなられたそうで、、、えっ?!!!もしかしてこの話知っています!k調律師さんからいつも話しを聞いていました!関西でいつも歓待してくれるご家族がいるんや、一日中ずっとお邪魔して家族のみなさんが素晴らしい方で、自分が行けなくなったら荒木さん頼むよ、と聞いていました。」
お話をしていただいたWお母様の目から涙が溢れて来られ、私もK調律師のことを走馬灯のように思い出され目頭が熱くなりました。
「なんか漫画のようですね!何度かいろんな調律師さんとコンタクトを取ったけれど、そのk調律師さんの想いを継いでくださるような方と出会わなくて。」
k調律師さんが巡りあわせてくださった事を大切に思い、自分も日々の仕事をより大切に行っていこうと思えた素敵な日でした。