一番ピアノが売れた時代1980年代前後までのピアノ特有の症状があります。
それは人口皮革の劣化です。
天然のものと違って加水分解で化合物が粉々もしくは脆くなっていきます。
元々皮は耐久性、耐摩耗に優れています。
そこが脆くなるとどうなるか。
写真の鍵盤蓋ように人口皮革は削れて無くなり、その下地の木部が削られてしまい、動きに支障がでてきます。
この時代の木材もラワン材を多用していて道管が太く柔らかいため削れやすいのです。
お客様から鍵盤蓋がうまく閉まらなくなったという相談を受けたそうです。
他のアングルからの写真
左側がかろうじて残っていてオリジナルの高さがわかります。

このバネで削られていきます。

オリジナルの形は

ある技術者からの依頼で伺いました。
現地にベルトサンダーや接着剤、木片を持って行って行いました。
無くなった膨らみを復活させるべく新たな木を削りながら形を近づけていきます。
大きさが出来上がると貼り付けます。

新しい天然の皮を貼ります。

皮に油分を足して出来上がり。
こういうピアノが日本に何万台とあることになります。
対応ができない場合は受け付けますのでご連絡ください。
utasha@utamakura.co.jp
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