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鍵盤の重さ 鉛調整の技術研修 - 2007.07.29 Sun

8月12日(日) 鍵盤鉛調整の秘密


鍵盤の重さを決める重要な作業がしっかり行われているピアノは大変少ないです。
鍵盤が下がるスピード、上がるスピード、感触、全てが兼ね備えられ最良のタッチに仕上がります。
ワンランク上の調整の秘密に迫ります。


日 時2007年8月12日(日) 15:00~18:00
会 場うたまくらピアノ工房
料 金¥3,000.- (税込み)
お 話荒木欣一
対 象技術者(一般の方でご興味ある方も受け付けます)
使用楽器うたまくらピアノ工房展示楽器



なぜこの企画を考えたかと言うと、ある家庭調律がきっかけでした。
YAMAHAのグランドピアノの整調を頼まれて、かなり細かい作業を行うとびっくりした結果になりました。
精度の高い調整を行って、それに伴う繊細なタッチが出来上がると思ったのですが、結果タッチはそろいましたが、鍵盤の重さがバラバラになってしまいました。
つまり、最初から工場出荷時点で鍵盤の物理的重さのバラツキがあって、アクションの調整がきちっとできていなかったのが、その物理的重さのバラツキをオブラートに包んだように曖昧にしていました。

スタインウェイのように一流のメーカーは工場での製作段階で、何度も手間ひまかけて鍵盤重さ、鉛調整を行います。
それだけ整調や、アクションの変化で重さが変わってくるのです。

国産ピアノの多くは設計時点での鉛の位置決めしか行っていません。
同じようにやっているとコストが上がってしまいます。
鍵盤は1本1本重さが違います。
ハンマーも、アクションも同じく一つ一つ違うために、それに合わせた鍵盤の鉛調整が必要なのです。
特に国産メーカーで物理的重さが重すぎるピアノもよくあります。


そして、オーバーホールを行ったピアノで鉛調整が施されているピアノも少ないです。
よくメーカーでオーバーホールしてもらいました、と言われ見ますが、実際始めより弾きにくくなったと聞くこともよくあります。
たいがい鉛調整がされていません。
特にハンマー交換とセットの作業になるのに完全に省かれています。
国産的な考え方ですと部品は右から左への交換すればそれでよし。
交換だけではそろう物ではありません。

技術者の方へ
この作業を行うことにより、より高度な整調が可能です。
それによって弾く方の満足度もかなり上がってくるはずです。
お客様にもご案内できます。
ワンランク上の作業を行いませんか。

演奏者の方へ
うまくトリルなど早いパッセージが弾けないとお感じの方、ppが弾きにくいとお感じの方。
ご自分の演奏上の鍵盤コントロールは決してテクニックが未熟だからではありません。
ピアノのせいかも知れません。
ご自分のピアノの鍵盤重さを一度測ってみてください。
右ペダルを踏んだまま10円玉を手前に載せて、何枚で鍵盤がゆっくり下がり始めますか?
それが低音、中音、高音とそろっていますか?
(湿度の高いお部屋、長年調整を行っていないピアノは正確な数値は出ません)

ヤマハなどの精度の高いアクションではかなり効果があると思います。
そういう作業が十分できるピアノだとも思います。

一般の方も含めて是非重さの秘密に触れてみませんか。



株式会社うたまくら
http://www.utamakura.co.jp/

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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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