ピアノ弾き語録 Vol.5 鍵盤が渋い!? - 2008.10.11 Sat
久々のピアノ弾き語録です。
今日コンサートがあり、普段あまり見ていないホールでのピアノでした。
ピアニストはいつも関西に来られるときに担当させていただいている方ですが、数年させていただいている中、未だに要領がつかめないこと多々有りです。
リハーサルが始まり、今日のプログラムを淡々とこなして行かれる中、今日は何を聞かれるだろうか?何を感じてどのポイントで話が進むだろうか?など演奏を聴きながら緊張して、心の中で予行演習をしています。
開場10分前にリハが終わり、開口一番
「鍵盤が渋い!」
さてどうしようか???
開場時間も入れてあと40分。
調律もしなくては、、、
この鍵盤が渋いというのは、鍵盤の動きが敏感でないということでした。
特にppで弾くときに抵抗がありすぎてppが出ないということです。
つまり、鍵盤は上下運動をしていますが、上下運動だけではなく、微妙に左右にも振られています。
左右に振られすぎないようになっている構造として、鍵盤手前の下側に穴が空いてピンがささっています。
そのピンと鍵盤穴の壁との接触で抵抗があるということなのです。

(本番のピアノではありません。緑の丸いフェルとの真ん中のピンです。このような掃除をする時間は本番前の客入れのときにはできません。)
奏者は中音だけを弾くということはありません。
低音、高音をppで弾くとき腕の動きは円を描くように、自分の体から外側に手が伸びて行きます。
鍵盤の動きとしては上下に動くというより、横の力がかかりながら下がって行きます。
つまりピンと穴の接触が大きな摩擦としておこるということです。
この摩擦をなんとかしなくては。
なんとか作業を終え、調律をして本番を迎えました。
1曲目が終わって戻ってこられ「弾きやすいタッチになっていたよ!」
これで今日の渋い仕事は終わりました。
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