グロトリアンーシュタインヴェッヒ 救出! - 2009.03.04 Wed
80年ほど前のグロトリアンーシュタインヴェッヒをお持ちのI様宅へ伺いました。

10年ほど前に購入されてから、このピアノの本来の音、タッチを体感されていないと感じました。
それはこのピアノの状態によりました。
音は出ているものの、タッチの不揃い、そして何よりグロトリアン・トーンのまろやかさが出ていません。
オーバーホールでハンマーなどいろんなところを交換されているようですが、全ての部品がマッチングしていません。
古い体に新しい部品がポンと取り付けられているだけでした。
これはしっかり救出しなければ!
せっかくの素晴らしい楽器が活かされていません。

あちらこちらに付いたハンマーへの弦の跡
あっちこっちに向いたハンマーの傾き
土台から整音のやり直しでした。
左がビフォー、真ん中が途中、右がアフター(完成)
分解していて面白かったのは、鍵盤に埋め込んであるある部品です。
現在では垂直に埋め込まれていますが、これは

手前に傾いています。
スタインウェイはこの時代、反対の奥に傾いて取り付けられていました。
それぞれメーカーの考えがあったのです。
最後に、この時代のグロトリアンの音色をもう一度今に再現し、I様に弾いていただきました。半分あきらめかけておられたI様は10年目にしてやっとこの楽器と向かい合えることができたと感じられたそうです。
よかったよかった!
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