緊急事態!鍵盤が動かない! - 2009.03.25 Wed
突然のお電話。
「荒木さん!ピアノの真ん中の音の鍵盤が急に下がったまま上がってこないのです。どうなったのでしょ~。」
と、助けを求める電話でした。
ピアノのI先生、鍵盤が動かないためその日のレッスンを全てキャンセルしたとの事。
ピアノを弾く人は鍵盤と外装ぐらいしか見えません。
技術者はこういうときはピアノの動きを頭の中で分解していくつかの想定をします。
鍵盤なのかアクションなのか、壊れているのか外れているのか何か挟まっているのかetc
原因を追究しないと症状は改善されませんから、先生との電話のやり取りからです。
「いつから動きませんか?」
「昨日まで普通に動いていましたが、今日ピアノを弾こうとすると急に下がったままになりました。それも白鍵と横の黒鍵が一緒に下がるのです。手でぐっと上げないと上がりません。」
「ということは、昨日までに徐々に支障が出てきたのか、昨日から今日にかけて急に出てきたのかですね。昨日何か変わった事はありましたか?」
「いつものように子供のレッスンをしていただけです。以前、この部屋に洗濯物を干したせいで湿気たのでしょうか~。」
「湿気でしたら、他の鍵盤も症状が少しでも出ていてもおかしくないのですが。それではピアノの上のふたを開けてアクションや、ハンマーが見える様にしてください。」
「はい、開けました。」
「それでは動かない鍵盤のハンマーがわかりますか?わかったらそのハンマーを手で動かしてみてください。」
「普通に動きます。」
「その時鍵盤は下がりますか?」
「いいえ、下がりません。ほかの場所は鍵盤下がります。」
「動かない場所はアクションではありませんね。鍵盤のどこかに原因がありますね。ナイフのような薄いへらのようなものをお持ちですか?」
「えっ?何するんですか?」
「とにかく持ってきてください。そして動かない鍵盤の隙間を見てください。何か挟まっているようなものは見えませんか?」
「わかりません。でもナイフの先に何か当たるものがあります、引っかかります。見えます!見えます!何かあります!」
「その引っかかっているものを鍵盤の下に落とすか、ほじくり出してください。」
「えっえっちょっと待ってくださいね。あっあっ出てきました、出てきました!」
「何が出てきたんですか?」
「小石です。」
「はぁ?小石ですか。子供さんが入れたんでしょうね。」
「よかったー。ありがとうございます!」
「よかったです。以前ご飯粒のからからに固まったものが挟まって動かないということもありました。原因は子供さんの袖についていたご飯粒でした。明日から3日間出張でいませんのですぐには飛んでいけない状態だったので、遠隔操作で解決したのはよかったです!お疲れ様でした。」
30分の遠隔操作での緊急対応でした。
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