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生まれ変わりますヤマハC7 Vol.8 整音編 - 2009.05.15 Fri





一通りの調整も終わり最終段階に入っていきました。
メインイベントでもあり、修理をやっていて一番面白い部分でもある整音です。

整音とは?

文字の通り音を整えることなのですが、弾いていて気持ちのよい音色に作っていくわけで、その作業というのはかなりいっぱいあるのです。
一般的にハンマーに針を刺す作業のことを言われていますが、実はこの作業は全体の20%ぐらいでしかありません。

もっと面白くて大変な作業がいっぱいです!

ハンマーが弦を叩いて音が出るわけですが、その弦は一音につき3本張られています。
果たしてその3本の弦はきれいに並んでいるのでしょうか。

写真のようにアグラフという三つ(中音)の穴があいている部品があります。
この穴の中に弦が通っています。

P5140008.jpg

しかし、この弦は3本ともきれいに横に並んでいるのでしょうか。


P5140007.jpg
見てお分かりのように、弦の上に水平なまっすぐの金属をのせて弦の平行を見てみると、なんと真ん中の弦が上に上がっています。(真ん中の弦が金属片に接している)
両サイドの弦は真ん中の弦よりも低いため、金属片との間に隙間が出ています。

つまり、いくらハンマーの打弦点をまっすぐにしても弦の水平が保たれていなければ、ハンマーが弦を打つのに時間差ができてしまいます。
このことで、変な倍音が生じたりして、音色がそろいません。
アグラフの穴開けの誤差、弦の屈折の度合い、など最後にこれらをクリアーにする人間の手作業が残っています。

そこで弦を3本とも平行にする作業があります。
これが最低限の弦のポジションとなります。
実際問題こういう作業はヨーロッパの一流メーカーでは当たり前のように行われていますが、国産ではほとんど行われていないのが現状です。
時間がかかる作業なので、コストが上がってしまいます。

これら弦水平をしっかりと行って、ハンマーのファイリングを行い、音の固さを見ての針刺し作業を行いました。
P5140014.jpg

お決まりのポーズでの写真です。
これ以外の写真は作業やりながら難しすぎました!

これら大事な作業を行うことによって、最後に出てくる音色のクオリティーが決まるのです。

もし興味のある方はグランドピアノの中音のところの弦を、指の腹で横になぞってみてください。(指の汗を拭いてくださいね)
凸凹がありませんか?
あれば是非お声がけを!!!

● COMMENT ●

オーバーホールはワクワクしますね

一つ質問です。
荒木さんが作業中のC7は新しい弦ですが、2、30年経ったピアノの弦は引き上げるのが難しいものですか?
水平な弦にハンマーが当たるのと良い音がするのは実際に見たことがあるのでわかっているのですが、私の知っている技術者の方達はたいてい弦の引き上げに消極的です(というか否定的というか)。

小さな作業の積み重ねがトータルで大きくピアノの印象を変えるんですよね。。。。

Re: オーバーホールはワクワクしますね

バンブー様

する同質問ですね。


> 荒木さんが作業中のC7は新しい弦ですが、2、30年経ったピアノの弦は引き上げるのが難しいものですか?

そんなことはないと思います。
弦の高さを変える、そろえるのは結構な力でやってますので、同じように行えばできるはずです。
調律をしていったりすると変化するものですが、大きなずれはないと思います。

> 水平な弦にハンマーが当たるのと良い音がするのは実際に見たことがあるのでわかっているのですが、私の知っている技術者の方達はたいてい弦の引き上げに消極的です(というか否定的というか)。

スタインウェイ、ベヒシュタイン、グロトリアンほか、これらの工場では弦の水平を取るために普通に行っている作業です。これが当たり前、基準なんでしょうね。
ですから行わないなんてことは考えていないような気がします。
ということは水平な弦、水平なハンマーで初めてきれいな整音ができるのではないでしょうか。

> 小さな作業の積み重ねがトータルで大きくピアノの印象を変えるんですよね。。。。
本当にそう思います。
一度遊びに来てください!


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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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