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職人の技 変わらないものと変わっていくもの - 2009.07.30 Thu

先日、日本でも有数の神社仏閣用衣裳、調度品、雅楽衣裳・楽器制作販売をしている井筒装束店に行きました。
このお店は創業300年経っているとのこと、そういえばピアノは今年で発明されてから300年と言われていますので、同じ時間をかけて現代にあり続けていることになります。

そこで、興味深いいろんなお話を伺うことができました。
P7270032.jpg







昔々の平安時代からの文様を使って衣装を作ったり、神輿、鈴、太鼓などの雅楽の楽器を作ったり、神社仏閣に関するありとあらゆるものを、作っているということなのですが、大きく時代で変わったことがあるということでした。

それは戦後の高度成長から後の時代のことだそうです。

質が変わった。
1.金属精製の技術が良くなったため、純度が高く、きれいになりすぎたということです。
昔はそこまでの技術が無かったために、不純物も少しは混ざっていて、それがかえって鈴などの音色の「味」になっていたということだそうです。
純度が高ければよりピュアな音が作れるのでしょう。
しかし、人間が心地良いのは?

2.蚕の繭の糸の太さが細くなって、絹の織物としてのボリューム感が出なくなった。
なるほど、これは蚕がどういう桑を食べているか、どこになっている物を食べているのか、そこは栄養あるところか?酸性雨で侵されていないか。
明治時代の織物とは絶対的に違うそうです。
また、その時代には戻れないそうです。

3.職人の技を伝えるためには。
やはり仕事場が無いといけません。
それがこういう特殊なものつくりはだんだん減ってきているので、若者が寄らない、育たないという流れになっているとのことです。
この井筒屋さんはその技を経験できる場を作られているとのこと。
伝承とは、時間がかかり難しい物だと改めて知りました。

4.道具。
良い仕事をするためには、良い仕事ができるための道具作りから。
これはうんうんと納得してしまいました。
まずは刃物研ぎだと言われていました。
これは同感です。
これらができて初めて良い作業ができるということ。
そして、道具を大切にするということ。
私の時代の調律学校(25年前)はまずは刃物研ぎからでした。
それが今は替え刃式のオルファだそうです。使い捨て!

5.技とは。
師匠から、先生から教わる、盗む物ですが、その技も時代とともに変わる材料の質の変化に対応していかなければなりません。
いくら良い物を持っていても、時代に合わなければ終わってしまうということなのです。

いろんな貴重なお話を井筒屋の谷川部長さんにお聴きすることができました。
おる意味ピアノとも共通する部分が多くあるということが驚きと、今取り組んでいることが間違っていないという、一つの確信が見えた日でした。


この日の詳しいことはうたまくらの和歌劇ブログに載っています。
一度ご覧ください。

● COMMENT ●

週刊文春今週号での林真理子さんのエッセイで
井筒さんのことが取り上げられてますよ。
面白い内容でしたので是非ご一読を。

Re: タイトルなし

そうなんですね。ありがとうございます。
週刊文春今週号是非買って読んでみようと思います。
これだけ歴史を感じさせる会社も無いなあ、すごいなと思っていました。


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32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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