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共鳴 - 2009.10.09 Fri

共鳴と一言で言ってもいろんな種類の物があるので、一概に言えないのですが、最近体験したことをお伝えしたいと思います。

共鳴とは、ある同じ振動数のときにその振動に反応してもう一つの物が振動しだすことです。

例えば太鼓をドンと叩くと、窓ガラスが、ビリビリと響くことです。
どれだけ叩いても同じ振動数で響く物が無ければ共鳴しません。

ところで今回は買ってまだ数年というカワイのグランドピアノで起きた現象です。







症状:
モーツアルトを弾いていると、ある音だけがずっと残っている。でも弾いている鍵盤の音は止まっている。そして、日によって音がずれて行く、というお電話を頂きました。
他の曲では出ないかと質問すると激しい曲のときは出ないとのこと。
全てピアノの中で鳴っている。

ピアノ:
購入後4年のカワイグランド

使用状況:
かなり熟達された方が弾かれています。

共鳴状況:
中音域を弾いて鍵盤が戻った状態で、かつペダルも踏んでいない状態で、ヒィーンと音が残ります。
弾いている音よりオクターブ高い音が鳴り続いています。
早く弾いても、ゆっくり弾いても同じ症状です。
特にペダルをゆっくり戻したときが顕著に出ます。
日によって、残る音が変わって行きます。

原因:
いきなり原因を書いてしまうとな~んだと思われてしまいますが、一番最初探すのは結構苦労します。
ダンパーの止音不良です。詳しくは↓

ピアノというのはいろんな太さの弦が張られていて、その太さ長さに合った弦の振動を止めるダンパーというフェルトでできた黒い部品が弦の上のに乗っています。
右ペダルを踏むとそのフェルトが一斉に上がり、ペダルを離すまで、音が伸び続けます。

そのフェルトの形状は音域で全く異なります。
今回の原因は低音2本張り弦の止音不良です。
2本弦の間にV型のフェルトがはさまっています。
その2本のうち1本がしっかり止まっておらず、止まっていない弦のオクターブ上の鍵盤を弾くと共鳴して、倍音が鳴ってしまうということです。


対処方法:
ピアノを弾いていない状態で、ダンパーペダルを上げて、ゆっくり戻します。
戻しきったら、爪で弦を一本ずつはじいてみます。
2本弦であればはじいた音が同じ止まり方をしているか確認します。
左右とはじきますと、
○ツッ、ツッ
×ツッ、ツ~ン

きれいに止まっていれば○です。
止まっていないと、その止まっていない弦に共鳴してしまいます。


止音不良の大元の原因:
1.工場での取り付け不良。微妙に定位置にはいっていない。
2.ピアノを置かれている環境の変化が大きく、湿気などでフェルトが変形硬化してしまう。後に止音不良として出てきます。

この止音不良をダンパーの取り付けワイヤーなどを曲げてしっかりと直すことによって、問題は解決します。

今回は5~6鍵症状が出ていたため、日によって止まりにくい音が変わっていったということです。

工場ではかなり熟練した技術者がダンパーを取り付けます。
経験が浅いと取り付けムラがあり、後々今回のような症状として現れます。
また、出来上がったピアノのダンパーをしっかり調整できる調律師は少ないです。
音が止まらないと怖いため、極力さわらないようにしている調律しがほとんどです。
怖がらずに、ダンパーのスペシャリストを!

止まってほしい音が鳴り続ける、イライラしますね。
特にモーツァルトの時はしっかりと一つ一つが鳴ってこそ、良さが出ます。


工場出荷時点での取り付けムラはありますが、置かれている環境でも出やすくなるということをお伝えしたいと思います。


次回また種類の違う共鳴を取り上げたいと思います。

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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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