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調律学校の30周年記念で思うこと - 2009.10.31 Sat

先日、名古屋にある私の卒業した調律学校が30周年ということで、記念のコンサートがありました。
そのコンサートの仕事をさせて頂きました。
クラシック用、ジャズ用と二台合せです。


私はその学校の4期生になり、卒業して四半世紀たったことになります。
その時の状況から様変りしていることに、改めて驚くのと、この業界の厳しさを目の当たりにしました。





学校も時代に合ったものを提供していかないと、先が無くなってしまいます。
調律科以外に管楽器リペアー、ギタークラフトなど、ピアノだけでは成り立たなくなっている現実があります。
というより、ピアノ科の勢いが全くありませんでした。
よく考えてみても、毎年いろんな学校で何人もの調律師が養成されていて、同じ数の調律師が毎年辞めている訳ではないので、しかもピアノが売れなくなっている時代、調律師が余るのは当然です。

これらの事情がわかってか、男性の生徒はかなり少ない状況です。
もっと高収入の仕事はいくらでもあります。

コンサート調律というのが最終目標ではありません。
コンサートもいろんな物があり、テンションがあり、全てが最高という訳ではないこともこの仕事をしてよくわかりました。

やはり一人一人のお客様を大切にして、自分のお客様というのが財産です。

コンサート調律というのは一見華やかですが、それに比例した充実感があるかは難しいところです。

「今回のこの2台のスタインウェイは本校卒業生が調律しました。」と会場に案内くださいました。
頂いたお仕事は大変ありがたく感謝していますが、コンサートの内容が内容だけに仕方ないかもしれませんが、調律師はあくまでも黒子、黒子のプロに徹しないといけないと思っています。

世の中が、ピアノ調律という特殊な職種にほとんど、目を向けていないという事実をしっかりとふまえ、今の仕事を精一杯やり遂げ、弾き手を安心させる何かを常に持っていられるよう、また、それをちゃんと発揮できるよう努力しないと、次の10年はないと思いました。
そして受け継いでくれる若手にメーッセージを残さなければ、今日の記念コンサートという華やかな場面での頂いた仕事が無駄になると思いました。
今回、現実が見え、しっかり立たなければという再確認ができた良い機会を与えていただきました。

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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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