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この季節の湿気対策 - 2009.11.27 Fri

今日伺ったお客様、2台のグランドピアノとも、湿気による影響で動きが悪くなっていました。
緊急の処置をして、なんとか普通に弾いていただけるように持って行きましたが、根本のお部屋の環境を直さなければまた、同じ繰り返しになってしまいます。
湿気は梅雨時期だけの物ではありません。
この季節だからこそ注意しなければ行けないことがありますので、是非試してみてください。


ピアノは木でできているので、急に変化してしまう物ではなく、徐々に影響を受けて行くので、弾き手はその変化について行っていないのが現状です。
そして、ある時、「最近タッチが重いかも?」「鳴りが悪いかも?」
などと思ったときには症状が進んでしまっている場合がほとんどです。

まず確認方法は、





1.鍵盤がベタついたりしていませんか?特に寒い日の温度が低い時。
2.窓に結露がおきていませんか?
3.タッチが重たく感じませんか、連打が、トリルがしにくくありませんか?
4.暖房は何を使っていますか?(エアコン、ガスストーブ、石油ファンヒーター、ハロゲンヒーター、オイルヒーターなど)
5.お部屋は使っていない時かなり寒いですか?



対処方法
a.まず、いまのピアノがおかれている環境を把握してください。
湿度計はお持ちですか?
お持ちならば現在の天気、時間で、何%ですか。
無ければできるだけご用意ください。
¥5000前後でデジタルの物が売られています。
エンペックス デジコンフォ
私もこれを持ち歩いて、コンサートの時、一般家庭のときなど重宝しています。

これで、ピアノのお部屋の現状を把握してください。
晴れの人雨の日の湿度の違い、一日の中での湿度の違い、季節での違い。

一般家庭では1年を通して一定というのは不可能です。
でもできる限り大きな変化を無くすることはできます。

b.湿度が高い場合
除湿器をご用意ください。
あまりいろんな機能がついていない物をお勧めします。
単純に湿度を下げる機能があれば十分です。
できれば50%近くまで下がるのが理想です。

我が家はダイキンのルームドライヤーを使用しています。
水捨て不要というのが便利で1年中つけっぱなしです。

暖房を入れると湿度も変わるので、暖房との兼ね合いで使用してください。
理想の湿度 45~65%

c.湿度が低すぎる場合
加湿器が理想ですが、湿度が高くなりすぎる場合があるので、かなり慎重に使用しなければなりません。
噴霧器は厳禁です。
お勧めはボネコ(スイス製)のディスク型気化式加湿器
ゆっくりと湿度を上げてコントロールしてくれます。

d.暖房器具
もう既にいろんな物がありますが、厳禁なのはガス、石油ファンヒーター
これらは湿気を出してしまいます。
石油ストーブでお湯を沸かす!ダメ!
特に楽器が冷えていると急激に暖めることで、ピアノの中で結露を起こしてしまいます。
よく窓で起っている結露が、あの水滴が、ピアノの中で起きてしまうのです。
理想はゆっくり暖めて、一日を通してあまり温度変化の無い物。
デロンギ オイルヒーター(イタリア製)お部屋の広さで選べます。
一日中付けていても暑くなりすぎず、電気代もお財布に優しいです。


全て、エアコンで管理できているところは何も言うことはありません。
強いて言えば、冬の乾燥には湿気を、夏のジメっとしたのには乾いた空気を、のダイキン うるるとさらら。 これはすぐれものです。

上記のような物が使えない環境にあるピアノは、乾燥剤がある程度の効き目があると思います。
これは調律師に相談してください。

冬場の湿気には十分気をつけてください。

● COMMENT ●

結露・暖房・・・の件

 実は、建設業に従事し、リフォームが専門です。
書かれていないなかで、重要なことが忘れられているかな?と言う事項あるかも?

 まず、ピアノのある部屋は、締め切らないで、
温度を一定にしておいて欲しいのです。
弾くときだけ暖房!これをしないで欲しい。

 最近の住宅の考え方は、「全室暖房」です。
居間が暖かいのなら、それと同じ環境をピアノの部屋も、と言うことになります。
このとき、おっしゃるとおり、暖房機器は、選んでいただきたい。FF機器が最善です。

 この「部屋」の温度差問題が、ご記入無かったようですので、老婆心で。
 押しかけでのコメントなので、簡単にさせていただきます。
もし、詳しくと言うのであれば、再度・・・

Re: 結露・暖房・・・の件

ご丁寧にご意見ありがとうございます。
ただ、ピアノという楽器の性質上防音が必要になるので、締め切らないというのは難しいと思います。
そこで、楽器のためにもその部屋だけの除湿を最低限考えていただきたい、ということです。
弾かない間は空けておくということは可能かもしれませんが、そうなるとすべての部屋全体の湿度管理も必要になってきます。
室温が一定というのは理想ですね。

しかし、弾くときだけ暖房というのは温度変化が激しいので出来るだけ避けていただきたいですね。


お返事を感謝します。

 なぜ、「弾く時だけ暖房」がいけないのか?
確かに「温度差」は問題です。

 私の立場から一言言わせていただくと、
弾く時以外は非暖房の部屋・・・・
つまり、冷え切っているワケです。ピアノも、壁も天井も・・・・
 そこで暖房をする。
そこには、暖房室からの高温高湿の空気が流れ込んでいる。
それは、冷え切ったピアノ、壁、天井で、冷やされ・・・・結露する。
温度差以前の時点で、発生することです。
これは、決して楽器のコンディションのためには、無視できないことと考えますが?
 いかがでしょうか? 

Re: お返事を感謝します。

全くその通りだと思います。同感です。
楽器のためには一定の温度湿度が理想です。

だからすべての家の中の暖房は無理があるので、せめてピアノの部屋だけでもデロンギなどで温度を一定に暖房してくださいと提案させていただいています。
(説明がたりなかったかもしれません。)

調律のときでも、調律師さんが来るので、暖かくしました!というのが一番困ります。
帰った後、暖房を切って寒くなって、調律が変化してしまいます。

昔から言い続けていますが、なかなか実行していただけないのが現状ですね。
今はブログなど媒体があるので、利用させていただいています。

貴重なご意見ありがとうございます。
楽器以外の方から伺えることは大変貴重なので、これからもアドバイスお願い致します。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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