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100年前のスタインウェイ 修理完成 - 2010.02.14 Sun

ようやくスタインウェイ修理が終わり、お客様の家に納品となりました。
IMG_0109.jpg
この写真はアクションを真横から見たところですが、スタインウェイ特有の真鍮のレールが3本見えます。
そこに、ダンパーとハンマー、ウィペン、レギュレイティングボタンが取り付けられています。
今のアクションと違う部分でもありますが、このアクションの最悪なところが、自立できないところです。
足が両端に一本ずつしか無いので、支えてたてるしか無く、いろんな調整には大変面倒なアクションです。
それで無くなっていったのかもしれません。

100年経っているので、どこかの段階で誰かの手が入って修理されていますが、それが適切だったかどうかは、数十年後にわかるという大変怖いものだと改めて思いました。
今自分がやっている修理が何十年後かに評価されるときが来るのです。






IMG_0107.jpg
白くなっているクロスの交換、黄色く見える鹿革の交換、白いリボンの交換。

IMG_0110.jpg
全部の交換が必要になったときは、全て同じ色のフェルトに交換できますが、今回は消耗部分のみの交換だったので、紫色のフェルトの交換は、今この色のフェルトがなかなか無いので、消耗した部分をあまり使わない音域のものと交換して、消耗した部分に他のフェルトを足して、裏を向けてはりつけ、見た目では交換されていないような工夫をしました。


IMG_0111.jpg
アクションの修理は、調整寸法がかなりずれてしまうので、後の調整が大変です。
本体に収めてから時間をかけて調整をして、外装を付けて完成です。
このピアノを譲り受けたO様は合唱団の代表をされており、大事にこのピアノで練習されています。
しっかりとスタインウェイの音色で奏でていただけたらと思います。

● COMMENT ●

どんな音なんだろう~?

外観は素敵な色ですね~。
どこかに「2010年2月、私が修理したぞ~!」
ってこっそり書いておいて、
10年後の調律師さんが、荒木さんの
お弟子さんだったりしたら笑えますね。

Re: どんな音なんだろう~?

昔、ピアノの工場にいたとき、こっそり自分だけがわかるサインを入れでいたことがあります。
そのピアノは世界の何処かにあると思いますが、オーバーホールとなると話しは別で責任ある事なので、もっと自信がついてからにします。(笑)

やわらかく、奥の深いピアノ

1902年生まれの由緒あるピアノです。
白寿のお祝いをするよ と言ったら 弾きたい、聴きたい、歌いたいという人たくさん!!!!
東京からも日程に合わせて弾きに来るって
ブログに公開していただいたおかげで、評判になりました。
丁寧に修理していただいて、感激です。ありがとうございました。今後もメンテナンスよろしくお願いします。

Re: やわらかく、奥の深いピアノ

そうなんですね。
皆さんでお祝いをしてくださる、ピアノは大喜びだと思います。

こちらこそ、よろしくお願いいたします。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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