トリルが入らない? - 2010.04.06 Tue
先日伺ったあるお宅での出来事です。
そこは高校生の娘さんと、お母さんがピアノをされています。
ヤマハのグランドピアノで、サイレントが付いています。
娘さんが、「このピアノで弾く時、トリルがうまく入っていかないんですよ。」と言われました。
どういうことだろう?調整がまずいのか、合っていないのか、と考えていると
「先生のピアノでは出来るんですよ。でも家のピアノでは出来ないのはどうしてでしょうか?」
私も???
サイレントのせい???
でもここでハッと気がつきました。
先生のピアノは2台とも、鉛調整をさせていただいて、全ての鍵盤の下がる重さ、上がる重さががそろっています。
そろっているから当然鍵盤をコントロールできるわけです。
そうだ、これだと思い、鉛調整のお話をさせていただきました。
国産ピアノではこの調整がざっくりとしか出来ていません。
つまり重さがバラバラなわけです。
このピアノの重さを量ったら、48g~63gの重さで、バラバラでした。
特に黒鍵が10gくらい白鍵より重く、娘さんの言う「白鍵の方が弾きやすい。」というのもうなずけます。
鉛調整
これはピアノの製造段階で、調整するもので、88鍵あるうち全て形がいっしょ、大きさがいっしょ、重さがいっしょというものはありません。
ハンマーも低音が大きく、高音に行くに連れて徐々に小さくなっています。
鍵盤も見えない奥の部分は、角度が付いていて、どれ一つとして同じ角度の鍵盤はありません。
これらのいろんな誤差を均一にするため、鍵盤の重さを測り、鉛でバランスを取り、鉛を埋め込んでいきます。
この埋め込む位置がヤマハは設計図面上で計算して位置を決め、そこに埋め込まれています。
現物の調整を行っていません。
それ以上の調整は施されていません。
要するに、何グラムという決まった重さを持たず、だいたい○○g~○○gの範囲内で収まっていたらOKということです。
一流メーカーでは実際は製造工程で何回かこの作業を行い、厳密に一つ一つ重さを測って埋め込んでいきます。

今回ちょうど良い重さを得るために、写真の数だけ鉛が必要でした。
次高音あたりは、逆に軽くて奥に鉛を付けました。

白鍵には入れる鉛が無く、黒鍵だけのところもありました。
今までいろんなピアノにさせていただきましたが、今回はまだそろっている方でした。
全ての作業が終わって、弾いていただくと
「わ~っ、弾きやすーい!」
これで、先生のピアノといっしょになりました。
これでまたトリルの練習をしてください。
きっと、入っていきますよ。
そこは高校生の娘さんと、お母さんがピアノをされています。
ヤマハのグランドピアノで、サイレントが付いています。
娘さんが、「このピアノで弾く時、トリルがうまく入っていかないんですよ。」と言われました。
どういうことだろう?調整がまずいのか、合っていないのか、と考えていると
「先生のピアノでは出来るんですよ。でも家のピアノでは出来ないのはどうしてでしょうか?」
私も???
サイレントのせい???
でもここでハッと気がつきました。
先生のピアノは2台とも、鉛調整をさせていただいて、全ての鍵盤の下がる重さ、上がる重さががそろっています。
そろっているから当然鍵盤をコントロールできるわけです。
そうだ、これだと思い、鉛調整のお話をさせていただきました。
国産ピアノではこの調整がざっくりとしか出来ていません。
つまり重さがバラバラなわけです。
このピアノの重さを量ったら、48g~63gの重さで、バラバラでした。
特に黒鍵が10gくらい白鍵より重く、娘さんの言う「白鍵の方が弾きやすい。」というのもうなずけます。
鉛調整
これはピアノの製造段階で、調整するもので、88鍵あるうち全て形がいっしょ、大きさがいっしょ、重さがいっしょというものはありません。
ハンマーも低音が大きく、高音に行くに連れて徐々に小さくなっています。
鍵盤も見えない奥の部分は、角度が付いていて、どれ一つとして同じ角度の鍵盤はありません。
これらのいろんな誤差を均一にするため、鍵盤の重さを測り、鉛でバランスを取り、鉛を埋め込んでいきます。
この埋め込む位置がヤマハは設計図面上で計算して位置を決め、そこに埋め込まれています。
現物の調整を行っていません。
それ以上の調整は施されていません。
要するに、何グラムという決まった重さを持たず、だいたい○○g~○○gの範囲内で収まっていたらOKということです。
一流メーカーでは実際は製造工程で何回かこの作業を行い、厳密に一つ一つ重さを測って埋め込んでいきます。

今回ちょうど良い重さを得るために、写真の数だけ鉛が必要でした。
次高音あたりは、逆に軽くて奥に鉛を付けました。

白鍵には入れる鉛が無く、黒鍵だけのところもありました。
今までいろんなピアノにさせていただきましたが、今回はまだそろっている方でした。
全ての作業が終わって、弾いていただくと
「わ~っ、弾きやすーい!」
これで、先生のピアノといっしょになりました。
これでまたトリルの練習をしてください。
きっと、入っていきますよ。
● COMMENT ●
トラックバック
http://arakipiano.blog43.fc2.com/tb.php/356-8855140c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)