ユンディ・リの要求 - 2010.04.17 Sat
今日の調律は朝一番からユンディ・リのオールショパンリサイタルの準備でした。
今、日本をツアー中ですね。
今年はショパンイヤーなので、どこのホールもショパンの企画を立てています。
10年前に優勝した年に大阪にやって来られ、若干18歳。お父さんとお母さんが一緒について来られていました。それから何度か仕事をさせていただきましたが、まだまだ若いというのが前に出ていたように思います。
そして、10年が経ち貫禄も出て、その演奏が楽しみでした。
調律と彼の好みであろう調整を施したピアノを用意して待っていると、間もなくして来られました。
座って弾き出して、開口一番「重い、鍵盤をもっと軽くしてください。しばらく弾きますから後で調整してください。」
この状態で弾かれると結構慣れてしまうと思うのですが、1時間ほど弾いた後、「調整をお願いします。音色も透き通ったように開いた感じで!」
身振り手振りで伝えてくださいました。
30分ほどの作業した後、また弾き出しました。
「重さは直りましたが、音色は先ほどの方が良かったので、戻してください。」
と時計を見ると開場2分前!
さあどうする。
とにかく調律の状態を戻さなければいけません。
開場して、お客様が入ってこられます。
久しぶりの大阪とあって、大入り満員です。
しかも女性が多い!
ガヤガヤとなり出しても、黙々と音を整えました。
なんとか作業を終え後は開演を待つのみ。
開演時間になり、お客様は補助席、立見席もすべて満席。
凄い人です。
照明が明るくなって、さあ開演です。
何年ぶりかの演奏ですが、年数がしっかりと余裕と音楽性を育てていたのでしょう。
貫禄ある演奏でした。
今年になっていろいろとショパンを聴きましたが、さすが違います。
しかし、、、、、
前半が終わって、戻ってこられると
「ピアノの音が湿気ているように思います。輝いてブリリアントな音にしてください!」と言って楽屋に戻られました。
休憩は20分、この時間でなんとか。
輝く音?さて、どうしよう~。
と迷っている暇もなくステージへ。
とにかく、今日は寒い雨の昨日と打って変わって、暖かい。そして、お客様も満員で結構湿度が高い、彼も演奏中は汗びっちょり。
リハーサルと違い本番のこの熱気にピアノも変わってしまったのか、響きが変わったのか。
ステージ上はムッとした空気で、これは湿気てるなあ。
しかし、この状況で彼の言う"輝いてブリリアントな音”にしなければ。
満員のお客様の中での響きはそれはリハーサルと全く違っていました。
音の伸び、、、、。
ポーン、ポーン、・・・・・・・。
やるだけの事をやって、後編の演奏に移りました。
40分の後半のプログラムが終わり、アンコール。
中国の民謡「サンフラワー」を弾き、そして大きな拍手に迎えられ、2曲目はショパンのノクターン。
他の公演では、アンコールは1曲のみ、東京でもそうだったのこと。
大阪では2曲演奏してよほど乗っていたのですね、とマネージャーさん。
よかった。
誰もいなくなったステージで、ホッと。
ピアノを方付け、鍵盤を拭いて帰りました。
外にはサインを求める長蛇の列でした。
ツカレタ~。
今、日本をツアー中ですね。
今年はショパンイヤーなので、どこのホールもショパンの企画を立てています。
10年前に優勝した年に大阪にやって来られ、若干18歳。お父さんとお母さんが一緒について来られていました。それから何度か仕事をさせていただきましたが、まだまだ若いというのが前に出ていたように思います。
そして、10年が経ち貫禄も出て、その演奏が楽しみでした。
調律と彼の好みであろう調整を施したピアノを用意して待っていると、間もなくして来られました。
座って弾き出して、開口一番「重い、鍵盤をもっと軽くしてください。しばらく弾きますから後で調整してください。」
この状態で弾かれると結構慣れてしまうと思うのですが、1時間ほど弾いた後、「調整をお願いします。音色も透き通ったように開いた感じで!」
身振り手振りで伝えてくださいました。
30分ほどの作業した後、また弾き出しました。
「重さは直りましたが、音色は先ほどの方が良かったので、戻してください。」
と時計を見ると開場2分前!
さあどうする。
とにかく調律の状態を戻さなければいけません。
開場して、お客様が入ってこられます。
久しぶりの大阪とあって、大入り満員です。
しかも女性が多い!
ガヤガヤとなり出しても、黙々と音を整えました。
なんとか作業を終え後は開演を待つのみ。
開演時間になり、お客様は補助席、立見席もすべて満席。
凄い人です。
照明が明るくなって、さあ開演です。
何年ぶりかの演奏ですが、年数がしっかりと余裕と音楽性を育てていたのでしょう。
貫禄ある演奏でした。
今年になっていろいろとショパンを聴きましたが、さすが違います。
しかし、、、、、
前半が終わって、戻ってこられると
「ピアノの音が湿気ているように思います。輝いてブリリアントな音にしてください!」と言って楽屋に戻られました。
休憩は20分、この時間でなんとか。
輝く音?さて、どうしよう~。
と迷っている暇もなくステージへ。
とにかく、今日は寒い雨の昨日と打って変わって、暖かい。そして、お客様も満員で結構湿度が高い、彼も演奏中は汗びっちょり。
リハーサルと違い本番のこの熱気にピアノも変わってしまったのか、響きが変わったのか。
ステージ上はムッとした空気で、これは湿気てるなあ。
しかし、この状況で彼の言う"輝いてブリリアントな音”にしなければ。
満員のお客様の中での響きはそれはリハーサルと全く違っていました。
音の伸び、、、、。
ポーン、ポーン、・・・・・・・。
やるだけの事をやって、後編の演奏に移りました。
40分の後半のプログラムが終わり、アンコール。
中国の民謡「サンフラワー」を弾き、そして大きな拍手に迎えられ、2曲目はショパンのノクターン。
他の公演では、アンコールは1曲のみ、東京でもそうだったのこと。
大阪では2曲演奏してよほど乗っていたのですね、とマネージャーさん。
よかった。
誰もいなくなったステージで、ホッと。
ピアノを方付け、鍵盤を拭いて帰りました。
外にはサインを求める長蛇の列でした。
ツカレタ~。
● COMMENT ●
さすがは荒木さん!
Re: さすがは荒木さん!
いえいえ、本当に成功したかは本人だけが知っています。
私は良い方に考えているだけです。
でも10年て早いですね。その10年、ずっとファンを引きつけているというのも大したもんです。
私は中老年どころか、もうこの世にいない人好みです。(笑)
私は良い方に考えているだけです。
でも10年て早いですね。その10年、ずっとファンを引きつけているというのも大したもんです。
私は中老年どころか、もうこの世にいない人好みです。(笑)
日経の夕刊
4月27日の日経夕刊にユンディ・リ大阪公演の記事が出ています。「休憩後のマズルカでは音色が一変し、つややかで多彩」「曲がソナタになると音色は深い重量感を帯び・・・」と書いてありました。ユンディの高い要求とそれに応えられた荒木さんの高い技術、耳の肥えた評論家氏はちゃんと聞き分けていらっしゃったのですね!
びっくりしました!
訪問履歴からきました!歌枕の荒木さんではないですか!お噂はかねがね聞いております。調律をされてるお姿も何度か拝見したことがあります~~とにかく驚きました!!
Re: 日経の夕刊
秋月庵さん
ありがとうございます。新聞に出ていたんですね。
こういう形で、後で知るということは嬉しいですね。悪評でなく良かったです。聞きに来ていた方からも好評だったようで、ユンディもこの10年で変わっていったんでしょうね。
ありがとうございます。新聞に出ていたんですね。
こういう形で、後で知るということは嬉しいですね。悪評でなく良かったです。聞きに来ていた方からも好評だったようで、ユンディもこの10年で変わっていったんでしょうね。
Re: びっくりしました!
みかんぴあのさん
ぜひ次回見かけたときはお声がけください!
いろんなところに出没しますので。
ぜひ次回見かけたときはお声がけください!
いろんなところに出没しますので。
ありがとうございました!
おかげさまで、エリザベスは健康です。
楽しいお話を聞かせていただけてよかったです。
今度は調律のお手伝いもさせていただきます!?
ベーゼンが手に入るまで、エリザベスは手放す
すもりはないので、またお世話をお願いしますね。
楽しいお話を聞かせていただけてよかったです。
今度は調律のお手伝いもさせていただきます!?
ベーゼンが手に入るまで、エリザベスは手放す
すもりはないので、またお世話をお願いしますね。
Re: ありがとうございました!
こちらこそ長い時間お世話になりました。
これからもしっかりと見させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それにしても、いろんなところにバイタリティーあふれる紫游さん、素敵です。
これからもしっかりと見させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それにしても、いろんなところにバイタリティーあふれる紫游さん、素敵です。
ユンディ・リのリサイタルのとき、荒木さんのお姿を拝見しました。真剣に調律、調整?されていました。
今回の大阪公演大成功だったと思います!
今回の大阪公演大成功だったと思います!
Re: タイトルなし
ゆこさん
ありがとうございます。
また、見かけたときはお声がけください!
手を振りますので!
ありがとうございます。
また、見かけたときはお声がけください!
手を振りますので!
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一流のピアニストの要求に応えるには、心身ともにタフでないと絶対無理ですね~もし私が同じ状況におかれたら、うろたえてしまって、何もできないままタイムリミットかな?二度とオファーないと思います(笑)
荒木さんの最高の技術と感性のおかげで、大阪のお客さんは一曲得したわけですね!おめでとうございます!
それにしてもユンディ・リさんの女性ファンの多いこと。
現代のショパンという感じでしょうか。私は中~老年好みだからいいけれど・・・