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ペトロフ プレップアップ1 - 2010.07.30 Fri

K様が購入されたペトロフのグランドピアノ、これを調整させていただくことになりました。
このピアノは技術者で変わるといっても過言ではないピアノです。
つまり、素材は良いのに、それを仕上げる技術で完璧に施されていないということです。
どこまで手を入れるかは見極めた技術者次第ということです。

戦前のものはすばらしい技術ですばらしいピアノを作っていっていましたが、戦後、社会主義国となって、どんどん落ちていきました。
1980年代になると、それはもう、何じゃこりゃという状態のものが平気で出てきていました。
これらをイタリア時代にいやというほど触ってきたのですが、でも音色はどのメーカーにも無い暖かい、深みのある音がしていました。

冷戦が終わって、技術が向上して、どんどん良くなっていったペトロフをここ数年前まで知りませんでしたが、お客様のお声から、今のペトロフは違うということをお聞きして、実際に扱う機会があり、そのすばらしさを再確認できました。

今回、K様は購入の際、中身はいっさい触らず、そのままご自宅まで運ばれ、その仕上げ調整(プレップアップ)を頼まれました。
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まずはバラバラにできるだけして、掃除からです。
鍵盤を外して、裏返して、クロスの掃除です。
意外と黒く汚れています。

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鍵盤の収まっている木枠はしっかりとしたものでした。
しかし汚れているため、これも掃除です。

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数年前から進展していなく、アップライトでも全く同じ状態のキャプスタンスクリューです。
角を削って、角りばりをとろうとしたのはいいのですが、そのためバリが出ています。
この面はクロスと接触するため、このバリがあると削っていってしまいます。
以前ホフマンで経験しましたが、同じチェコ製、この部品の製造は同じところなのでしょう。
今ホフマンが騒がれていますが、同じような状態になっていなければ良いのですが。

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表面と角をペーパーで削りバフがけします。

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右:ビフォー
左:アフター

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弦の高さもバラバラです。
3本水平になるように調整します。

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意外と知られていない、ハンマーの傾きも、中音以下すべて傾きがダメでした。
右:正規の傾き
左:間違って取り付けられているハンマー
これでは鍵盤を弾いたのパワーが逃げてしまいます。

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ひとつひとつチェックして、アルコールランプで、傾きを直します。
けっこう時間がかかります。

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鍵盤のバランスピンも前後にバラバラに傾いたままです。
ピンが一直線に並んでいないのがわかると思います。
この傾きで、鍵盤の下がる重さも変わってきます。

K様のお嬢様(小2)がずっと作業を見ていました。
その間、いろいろと手伝ってくれたり、ピアノのクイズを出し合ったり、こちらも楽しく作業をさせていただきました。

今回は土台作りと掃除でした。
楽器としてのパフォーマンスはすばらしいので、次回はそれを引き出すアクションの整調と整音、仕上げです。

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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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