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鍵盤重いねー。 - 2010.09.22 Wed

あるピアニストのリサイタルでのこと。
リハーサル中に「このピアノ重いねー。」
こう言われました。

うむ、前回も言われたため、かなり意識して調整したのですが…。
他にどんな方法があるか、無い頭から絞り出しました。

しかし、「重い」という言葉のからくりがどうしてもわかりません。

鍵盤が重いのか、タッチが重いのか、音色が重いのか、はたまた雰囲気が重いのか。






トレーニング用ピアノだね。
「フェルトなどの摩擦の抵抗ではなく、湿気などの動きが悪いと言うのでもなく、なんかこう重いです。」

ますますわからなくなってしまいました。


逆に質問をしました。
もしこういうピアノに出会われた場合、どう対処されますか?

「可能なら曲を変えます。」

なるほど。
そのピアノに合った曲に変更すると言うことか。
でもコンチェルトでは無理だろうな。

ピアニストは自分のピアノを持っていけないため、設置されているピアノを弾かなくてはいけません。
たとえ、スタインウェイであっても、どれもが素晴らしいピアノと言うわけではありません。
過酷な仕事だなと思いながら、それにできるだけ対応するピアノに仕上げるのが私の仕事。

今回の「重い」と言う言葉に、思い悩まされそうです。

● COMMENT ●

鍵盤の重さ

鍵盤を押し下げる静的重量でもなく、摩擦抵抗でもなくとすれば、ハンマーを加速するのに要する打鍵の力が普段より大きいということ?たとえば、内部機構の可動部分の重量が重いとか。ど素人の意見ですが。

Re: 鍵盤の重さ

うさま
私への課題としてこれからずっとのしかかってきます。
良い時のピアノと、今回のようなピアノを比べて見つけていきたいと思っていますが、なかなか難しそうです。
旗また、感覚の問題だったら、手のつけようがありません。
話術でごまかすか、、、。

Re: 鍵盤の重さ

感覚の問題、、、電子ピアノでは、タッチカーブを変えて鍵盤の重さを変えることなく鍵盤の重さを“感覚的に”変える機能がありますが、それに似た状況があるのかも?
逆のアプローチとして、あちこちの要素を調整して、感覚として重い状態になるような状態が再現できれば。。。

Re: Re: 鍵盤の重さ

コルグのデジピではタッチの重さを買えるのに、液晶モニターでは「重く」を押すと画面のグランドピアノの絵の天屋根が、どんどん閉まる絵になっていました。
この発想にはびっくりしました。
なるほど、聞こえにくくすれば「重く」感じるのですね。
デジピから教えてもらったことがありました。

感覚のことは、曖昧で、難しい問題です。
わからなくても相手に合わすまで妥協できませんので。

がんばってください

いつも大変だなーと思いながら読ませていただいています。
感覚が自分の基準が最も正しいと思わなければピアニストとしてはやっていけないとは思いますが、それを調律師の方へすべて求めるのはどうなのかな、と思って読んでいました。
ピアノそのものの問題であれば、それはそれで、その条件下でまとめるのがプロなのでは?と思ってしまいました。
自分で最高を求めるなら、いつも自分の最高と思うピアノを運べばいいわけですし、それは難しいことだと理解していれば、その場に合わせることも、プロとして、他の仕事では当然のことなのに、と思ってしまいます。
あるいは、調律師の方への絶対的な信頼から、あくまで希望として話されたのだとすればいいのですが・・・。
いずれにしても、調律師のお仕事の大変さ、精神的な負担は大きいと思います。大変かとは思いますが、がんばってください!

Re: がんばってください

Kさま
いつもコメントありがとうございます。
今回の件は信頼関係のもと、発せられた言葉だと、私は信じて作業をしました。
でないとやりきれないですね。

もちろん自己主張するときもあるので、それはこちらが絶対正しいと思った時です。

次回も頑張ります。

Re: Re: 鍵盤の重さ

もう一度、荒木さんの記事を読み直して思ったのですが、
「このピアノ重いねー。」と書かれているので、
調整の出来不出来ではなくて“このピアノ”固有の感触でしょうか?
演奏者が普段お使いのピアノとの比較はともかく、
きっと、あちこちのホールのピアノを触られての感触でしょうから、
きっと何か違いが隠れているのでしょうね。

Re: Re: Re: 鍵盤の重さ

うさま
鋭い感覚です。
そうなんです。このピアノの何か固有のものがあると私も思っているのですが、それがわからない。
そして、その表現が「重い」ということなのです。
同じ年代のピアノもあちこちで弾かれている方なので、うさまの言われていることなのだと思います。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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