ペトロフ GP これで差が出るプレップアップ2 - 2011.01.12 Wed

ハンマーのテールを整形したことによって、ハンマー自身の重さが変わり、それによっての鍵盤の重さも変わったため、鍵盤の重さ調整を行いました。
その時の残骸です。
つまり、鉛を削った形になり、その削った鉛の写真です。
最初からの重さも、けっこうばらつきがあったため、よい機会でした。

1鍵1鍵重さを測って、何回か繰り返し、行いました。
ここからは現地へアクションを運び、本体に合わせて整調、整音を行っていきます。

写真では見づらいですが、最初から弦の間隔はばらついています。
これらを弦をずらしながら、等間隔に並べ直します。

ダンパーが取り付けられている部品の高さも、実はいい加減です。
定規をあてると一目瞭然。
これらの誤差は生の楽器ですから出てくるのですが、最初にしっかりと直しておかないと、後々までタッチのばらつきに悩まされます。

白い定規との間に隙間が見えます。
そして、整調を作り上げていき、このピアノの最大の特徴でもある、まろやかなかつ輪郭のはっきりした音色に揃えていきました。
また、その音響を助けてくれるものが次の写真の、壁にかかっている吸音パネルや、角の拡散パネル、床置の拡散パネルなどです。

壁掛け吸音パネル(厚みが違います)
お部屋の角の価格さんパネル(音の溜まる場所に置き、音を広げていきます)

床置の拡散パネル
これらは全て今あるお部屋の構造そのままの形を変えずに、フローリングを最大に生かした、防音と、お部屋の心地良い音場を作るためのものです。
天井にも施していますが、これらすべてが相まって、素晴らしいピアノ室が出来上がりました。

N様、「今は亡きお父さんから贈ってもらったピアノだと思って、これから弾いていきます。」と、このお言葉で、このピアノの運命が素晴らしい物になったと確信しました。
それに少しでもお力になれて嬉しく、かつ、楽しく作業をさせていただきました。
● COMMENT ●
トラックバック
http://arakipiano.blog43.fc2.com/tb.php/427-9a8c8930
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)