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大修理 スクエアーピアノ6 - 2011.04.17 Sun

本体の仕上げにかかっていきます。
とにかく弦が無いことには楽器に見えません。
鉄骨を本体に乗せ、ボルトを締めていきます。
P4130002.jpg

鉄骨のまわりのネジを締めていきます。

鉄骨を乗せる前にもう一度響板のニスを塗りました。
ざらつきを取るために軽くペーパーでならしています。
また、ピアノの内側の部分の塗装も忘れてはいけません。
鉄骨が乗ってしまうと、隠れて塗れなくなってしまい、雑な塗装で「これは後から塗ったなぁ~。」というのがすぐ分かってしまいます。


張弦するための前準備はいろいろとあります。
もうひとつは、これです。






P4140003.jpg

弦枕など止音するためのフェルトを、反物から必要な幅で切っていきます。
そして、いよいよ張弦をやっていきます。

新しいピン板、ピンブッシュ、低音の駒などしっかりと支えてくれるか、ポジションなど大丈夫か、張力に耐えうるか、これらの真価が問われます。
楽器としての真価は仕上がっての弾き心地の時ですから、今から大げさにならなくてもいいのですが、出来るまでは全てが心配で、、、。

P4150006.jpg

張弦のやり方もいろいろありますが、今回は一本づつT字ハンマーにチューニングピンをはめてそれに弦を巻きつけ、ピン板に打ち込んでいきます。
クルクルクルと弦をT字ハンマーに巻きつけているところ↑。

P4150008.jpg

低音弦(巻線)を張る前に、低音弦の下になる真線の響かなくてよいところに、止音フェルトを編み込みます。

P4160009.jpg

そうして低音弦を張り終えたところです。
ここまではざっくり張っただけなので、ここからはチューニングピンの高さなどのまわりの処理、、弦の密着、駒、ヒッチピンの処理など、音程を作る前の音がベロベロの状態で行うことも山ほどあります。

全く音程の無いところから張力を上げて音程を作っていきます。
ビュワ~~~~ン、ウィ~~~ンと音を上げていきます。
楽しい!
結構いい音しているので、ちょっと嬉しい!(まだ出来上がっていないので、調子にのってはいけません。)

弦が張られると、楽器に見えてきますね。
ここから先は細かいアクション、鍵盤などの調整になっていきます。

● COMMENT ●

R大修理

大修理も少しずつゴールがみえてきました。スクエアピアノの修理、調律を依頼されることは、滅多にないことだし、まして修復の過程が公開されることはまずないことです。興味深く見ています。
 アクションの出し入れや、調律はどうやるのかなあ?高音部はピンが密集、中音部は真ん中で分断され、低音部は腕が届くのか・・・?先の展開がとても楽しみです。

Re: R大修理

Yさま
今度作業を見に来られませんか?仕上がりも見えてきているので、お披露目をいろいろと計画をしているところです。
お楽しみに。

ぜひとも

たいへん珍しいピアノです。ぜひ作業を見せて頂きたいです。よろしくお願いします。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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