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セミナー 鍵盤の重さ ピアノ工房月間第2弾 - 2011.08.01 Mon

今注目の鍵盤が重い軽いのカラクリがわかるセミナーを行いました。
夜行バスで東京からのご一行様、ありがとうございました。
ピアノを弾いていらっしゃる方、先生はもちろんのこと、技術者の方々も視点を変えたところから見るピアノを体感して頂きました。

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いろんな実験を行い、体感し、じっと座っているのは最初と最後だけという内容になりました。

・鍵盤の重さの歴史の説明
・当時流行っていた音楽を聴く。
・指一本で鍵盤の重さを感じ、自分の感覚を確かめて頂きました。重さ当てクイズ。
・歴史的鍵盤楽器クラヴィコードの重さを感じて頂きました。
・アクションモデルで重さの測り方を確認、アップリフト、ダウンリフト。どんな状態が正常か?
・鉛を置いての実験。

そして、 鍵盤が重いと感じる場合を言葉で表現して頂きました。
また、軽い場合も。
するといろんな言葉が出てきて、しかも皆さん頷いて、「うんうん、そういうことあるある。」という内容に盛り上がりました。




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アクションモデルで、物理的な重さの調整を行いました。

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メーカーによっても考え方の違いがあり、何が正解は無いという感じです。
しかし、全体がバラついていては話しになりません。
揃っていないと意味がありません。

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1800年後半のピアノの重さを感じて頂きました。
110gというとんでもない重さの時代、ppは弾けませんでした。

P7310014.jpg
まとめを話しているところですが、「鍵盤の重さ」は、物理的なところと感覚的なところが混じっているので、技術者はそれがどちらなのかを正確に判断することを求められます。
演奏者は感覚的に捉える場合が多いので、もっと物理的なことを知っていただきたいと思います。

今回、準備をしている時に判明した事実があります。
現在の国産ピアノは正確な鍵盤の重さを測って揃えていません。(コストダウンのためと私は思っています)
特に上位機種以外がそうなっていて、バラバラなのです。
しかし、たまたま昭和38年製のYAMAHA G3の修理をしていたところ、見事に鍵盤の重さは揃っていました。
人間の手で揃えていたのです。
50年前にできたことが今はできない。
継承されていないというところが残念なことです。

逆にビジネスチャンスでもあると、皆さんに伝えました。
もっとピアノを良くして行って、業界を盛り上げていきたいと思います。

真夏の暑い中、皆さまありがとうございました。

来週は、これまた調律に伺った際、よく質問のある、お部屋の響きをどうにかしたい!にお答えします。
ピアノのサウンドデザイン入門です。
お楽しみに。

● COMMENT ●

ご一行様

皆さん、勉強熱心ですねー!
「鍵盤の重さ」も定番セミナーとして、またやりますよね?機会を見て参加したいと思います。
1日の午前、午後で2コマ位、セミナーをまとめてやって頂けると、効率よく“履修”できるような。(笑)

Re: ご一行様

うさま
もちろん定番でやっていきたいと思っています。
1日に2コマですか、喉が枯れて、ヘロヘロになってしまいますよ。

実はこの日、午後から子供たち相手にもう1コマセミナーを行いました。
終わったら、バタンキュウでした。
でも楽しかったです。
子供の反応は新鮮です。

ウワァ重いわこの鍵盤!

 110gの重い鍵盤には、驚きました。音が出せない! 交響曲や歌劇全盛期の鍵盤の重さという説明に納得しました。それぞれの時代に合ったピアノが存在したわけですね。
 見る。聞く。触れる。そして感じる。充実した時間でした。他の方の意見や感想も大変参考になりました。 
 質問連発の生徒でスミマセン。迷いが消えスッキリしました。またよろしくお願いします。

Re: ウワァ重いわこの鍵盤!

Yさま
歴史を知るとその変遷が見えてきて、妙に納得できますよね。
自分も勉強です。

またYさまの視点が面白いです。
是非次回もお願いします。あーでも次回はお手柔らかにです。



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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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