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煌めきピアノコンサートに出てくるピアノの紹介1 ベヒシュタインB - 2011.10.21 Fri

来月1日に始まる工房月間のオープニング、歌枕直美の煌めきピアノコンサートに登場するピアノを紹介いたします。

BECHSTEIN B

ピアノ工房で唯一のグランドピアノですが、3年前にオーバーホールをして順調に育ってきています。

ベヒシュタイン、BECHSTEINこの工場に研修に行ったのが、約20年前。
当時はまだベルリンに工場があり、そこでこわーいマイスターに怒られながら、鍛えられていました。
ちょっとでも失敗したり、間違ったことをする、マイスターが見本を見せて、「これがベヒシュタイン。ダス イスト ベヒシュタイン。」と言われ続けました。

多分、そのマイスターが40代で現役バリバリ(だと思います)の頃の1971年製のグランドピアノです。
縁あってうたまくらに来て、オーバーホールをすることになりましたが、最初はベヒシュタインの特徴でもある、「木の響き」には程遠い荒れて湿気った面白くないピアノになっていました。
ピアノの本質を見るということは難しいのですが、研修していた当時の事を思い出し、じっくり修理に取り掛かりました。

出来上がったのはまさに「BECHSTEIN」で、自信を持って工房での煌めきピアノコンサートに望みましたが、歌枕が練習した時に言われた言葉に、今までやってきたことは何?と思ってしまうほどのシビアな意見でした。
それは、





・音が伸びない
・反応が硬い
・木の響きがしない
・よってコンサートにはまだ使えない

これはと思って行った修理はまだまだ完成には遠かったみたいです。
その原因は、大きな修理をやったんだ、という自己満足と私個人の技術者寄りの感性が、ピアノの奥行きが無いものにしていたようです。

謙虚にピアノを見なおした時、技術者という一方からの目線をやめた時、まだまだ小さなピアノでした。
本来のベヒシュタインが出ていませんでした。

面白いのはここからです。
歌枕とのやり取りを何回か行い、ピアノを育てていく、ということが見えてきて、今のピアノになってきたわけですが、まだまだ育つような気がしています。
修理したては、まだまだ赤ちゃんのようなものです。
演奏者と技術者で育てていくんだなあとつくづく思います。

そして、全てがマッチしたときに、思いもかけない音のシャワーが降ってくるのを体験しています。
昔のベヒシュタインの音を知っているからこそ、それを目標に修理ができると思っています。

このベヒシュタインも新しくなった部分と、昔からの部分が相まって、現在(いま)の音色を奏でています。
王道のベヒシュタインB。

● COMMENT ●

なるほど!

歌枕先生によるBECHSTEIN Bの演奏は、過日の「煌めき~」で聴かせて頂きました。
前日の「金曜日の夜は~」で、楽器にまつわるエピソードの紹介はありましたが、
さらに「よってコンサートにはまだ使えない」という位、こだわった後の企画なのですね。
なるほどと思いました!

お天気によって、季節によって楽器の音が違って聞こえるのは煌めきコンサートやピアノ工房、茶論の音を聞いているから!?…と、ちょっとうれしくなります。
う様の仰るとおり、「煌めきコンサート」のこだわりにも驚きですが、歌枕さんが「~というわけで、今回はこの楽器は演奏しません」と仰る意味もわかります。
そして、次の回でその楽器が蘇っている時は感激します。11月も楽しみです。

驚きと感動がいっぱいです。

毎回、煌めきコンサートは、驚きと感動がいっぱいです。
このピアノって、こんな音がするの?このピアノは、こんな曲が合うなんて…。
でも、きっと自分が弾くと、こんなはずはないのだけれどと思います。コンサートは、三位一体があってこそ、誰でもが、うん!なるほど と他では味わえない音となって感動を得るのだと思います。
11月の会が、楽しみです。

Re: なるほど!

うさま
最高の状態に持っていく、楽器のパフォーマンスを最大に活かす、これは演奏者が見える部分です。これらの意見を聞いて、技術者は動いています。

曽和様
演奏しません、と言われたときはかなりのショックを受けるのですが、でも蘇るときはワクワクしますね。

妹尾様
技術者のひとりよがりが無いようにうまくできているコンサートです。
ピアノが本当に活かされるコンサートなので、毎回楽しみです。
11月もお楽しみ下さい!


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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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