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シュベスター修理2 - 2012.01.20 Fri

中盤に入って来ました。

ボディーでは張弦に入りました。
P1160002.jpg

今回の張弦はT字チューニングハンマーでピンに弦を巻いてから、打ち込むやり方で行いました。
全部を張り終えるまで9時間。
張った後は弦をきれいに揃えたり、間隔を揃えたり、張力をかけたり、密着させたりと、いろいろと手順があります。




P1160001.jpg
とにかくざっくりと張っていってます。
ピンに弦を軽く巻いている感じです。
でも弦は結構硬いのです。

P1170004.jpg
真線を張り終え、巻線に移ります。
巻線は真線の上に張るので、真線を先にきれいに揃えておかなくてはいけません。
ある程度の張力もかけます。
巻線は一本一本ひねりながら張っていきます。

P1170005.jpg
貼り終えて、ピンの高さ、弦の間隔、音程も上げました。
外はすっかり真っ暗。


さて、ボディーを終えると、アクションにとりかかります。


P1190007_20120120012955.jpg
アクションのほとんどが動きが悪くなっていて、つまり、硬いのです。
分解して、動きをなめらかにします。


そして、今回の大きな変更点です。
P1190014.jpg
アクションのある部分にスプリングが付いているのですが、今のピアノではほとんどこのスプリングの付いたものは使われなくなりました。
スプリングの力を借りることは無く、アクションの動きが重力だけの自然な動きになって、タッチもなめらかで良いので、その方式に変えます。

P1190015.jpg
スプリングを外しますが、これを行う前にしっかりと鍵盤の重さの調整が出来るかの下調べを行なっておきました。
スプリングを外すと、アクションの重みが鍵盤に来るので、それを鉛で調整できるかがポイントでした。
しっかり、きれいなタッチになり、スプリングの変な力が無くなったので、鍵盤の加速のスムーズさが良い感じです。
ハンマーを交換した後、しっかりとした鉛調整を行います。

P1190009.jpg
分解して、壊れているところを発見。
木が割れています。
この部分は動きの軸を支えているところなので、重要です。

P1190010.jpg
割れた部分に鋸目(ノコギリ目)を入れてその間に化粧板を接着し埋めます。

P1190011.jpg
完成。
これでこの部分は絶対に割れません。補強のようなものです。
この方式はいろんな所に応用が効きます。

P1190013.jpg
ダンパーのフェルトもご苦労様、になっていたので交換です。

P1190018.jpg
音がしっかり止まるように方向や傾きを見ながら接着していきます。

まだまだアクションはやることがいっぱいです。
でも張弦後の響板の音も良かったのと、さすがレンナーアクションの頑丈さと質の高さを見て、仕上がりが楽しみです。

● COMMENT ●

修理内容について

今回の修理の内容を心待ちにしていました。目を皿のようにして見ています。
張弦は計算上一本約2分少々の早業です。
外されたスプリングはたまに見ますが、外して整調、鉛調整がベストということですね?
動きの悪いアクション部分はセンターピン交換をされるのですか?
補強の化粧板はメイプルですか?
 画像を400%にして、かじりついてもわからないもので・・

鋸目を入れて

鋸目を入れて化粧版を埋め込み。部分的な合板構造を作るですね!
確かに、これならもう割れないです。さすが、うまい直し方です。

Re: 修理内容について

Yさま
今度お会いしたときに詳しくお話します。(書くと長くなるので)
その時のお楽しみに!
修理は面白いですよ。

Re: 鋸目を入れて

うさま
この方法は昔からいろんな所で使われていました。
木目の方向を変えて埋め木します。強度は増しますね。
木だから行える修理です。


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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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