ネジバカ修理(応急処置編) - 2008.01.19 Sat
ピアノを弾く方にはあまり縁のない話かも知れませんが、ピアノをダメにするのも、長持ちさせるのも調律師の腕にかかってきます。
ちょっとした修理が、長持ちするのか、逆にすぐ大きな修理へとつながってしまうのか、難しいところです。
ちょっとした修理が、長持ちするのか、逆にすぐ大きな修理へとつながってしまうのか、難しいところです。
今回は、何度もネジを付けはずすことによって、ネジ山が崩れ、ネジが効かなくなっていつまでもまわり続けてしまう、いわゆるネジバカの修理、応急処置編をお伝えします。
特にアクション部分で多いんですね。
特にアクション部分で多いんですね。
よくネジバカのときに行う修理で、ネジ山が崩れて広がってしまった穴に、つまようじなどの木の破片、竹串などをつっこむのを見かけます。
ネジを締めたり取ったりしないところではある程度の効果はありますが、何度も付けはずしをするようなところでは、詰めた木の繊維が崩れてしまいます。
ネジを締めたり取ったりしないところではある程度の効果はありますが、何度も付けはずしをするようなところでは、詰めた木の繊維が崩れてしまいます。
本来はネジより大きな穴をあけて、埋木をして、また新しい穴をあけるというのが理想です。
しかし、出先などで、ドリルなどの工具を持っていないときにはこの修理はできません。
しかし、出先などで、ドリルなどの工具を持っていないときにはこの修理はできません。
用意するもの
1.天然皮革セーム皮
2.はさみ
3.瞬間接着剤
4.細い棒
5.ナイフ
1.天然皮革セーム皮
2.はさみ
3.瞬間接着剤
4.細い棒
5.ナイフ
1.セーム皮を切る
長さ:ネジの長さの2倍
幅:穴の直径くらい(切った皮を引っ張ると、伸びて細くなるため少し広めの方がいいです)
長さ:ネジの長さの2倍
幅:穴の直径くらい(切った皮を引っ張ると、伸びて細くなるため少し広めの方がいいです)
2.半分に折り、折った山の端をカットする。穴に差し込みやすくするため。
3.穴にまんべんなく瞬間接着剤を流し込んでおく。
4.素早く棒を使ってセーム皮を差し込む。
4.素早く棒を使ってセーム皮を差し込む。
5.もう一度瞬間接着剤を流し込む。今度はネジと接触する部分を硬くする。
6.ネジを一度入れてみる。
6.ネジを一度入れてみる。
6.上にはみ出ているセーム皮を切る。
7.ネジを抜いて皮の柔らかい部分があればもう一度、瞬間接着剤をつける。
8.完成!
このように穴の中にしっかりとネジ山が出来上がりました。
7.ネジを抜いて皮の柔らかい部分があればもう一度、瞬間接着剤をつける。
8.完成!
このように穴の中にしっかりとネジ山が出来上がりました。
ピアノに限らず、蓄音器でも行いましたが、しっかりとした仕上がりになります。
家具でも、つかえると思います。
特におがくずを固めたようなものには効果があると思います。
この応急処置が結構持ちます。
特におがくずを固めたようなものには効果があると思います。
この応急処置が結構持ちます。
是非お試しください。
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