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相性 - 2012.12.07 Fri

工房月間中、修理に取り組んでいたピアノはヤマハのグランドピアノアクションの修理の修理でした。
どういう意味かというと、数年前にどこかで修理をしたにもかかわらず、調子が悪く、弾きにくく肩が凝ってしまい、長時間弾けないとのことでした。

その原因を追求して弾きやすく直さなければいけません。
交換された部品とオリジナルの部品がちゃんと噛み合うかの判断がポイントです。

修理内容を検証して疑問に思う所は、
ドイツ製部品を使用していますが、ヤマハとマッチしていない。
つまり相性が悪いということです。
ドイツ製部品も色々とあり、ドイツだから良いか、ということではありません。





現にこのピアノは鍵盤を下げると、ギギギ〜ッと音がして、かなりの抵抗があります。
そして、鍵盤の下がる最後の2mmで大きく引っかかります。
力を入れ直してやっと最後の2mmが押し下げられる感じです。
これではppが弾けません。
細かいニュアンスも付けられません。

交換修理のポイントは
ドイツ製部品の天然皮を使用しているハンマーローラーとヤマハの黒鉛の相性が悪く、滑らないといけないものが引っかかるという逆の現象が起きてしまっています。
これは人工皮革製ローラーとの交換をします。
黒鉛の塗替えも考えて試しましたが、いまいち良い結果にはなりませんでした。

PB190004.jpg

PB190005.jpg

ローラー抜きで外します。

PB210011.jpg

角度、接着の量など気をつけてニカワでローラーを接着しました。

そして、穴の開いたクロスの貼り替えです。
湿気が多かった所にあったのか、黒鉛部分がホコリなどが付着してザラザラになって、クロスを削っていました。
PB190003_20121207001856.jpg

完全に穴が空いています。
これでは安定したタッチが求められません。

PB200007.jpg
ポンチで穴を開けて作ります。

PB210008.jpg
接着します。
でも疑問が残るのは、なぜオーバーホールした時に気づかなかったのか。
見なかったということで答えは出ているのかもしれませんが、弾いても分かる部分なので余計に中途半端なオーバーホールになっていました。

そして、何より興味深かったのが、最初に思いタッチで軽快さがなかったのが、悪い部分をちょっとずつ直していくと最終軽すぎる鍵盤の重さになっていました。
鉛調整で、かなりの鉛を取り除くということになっていました。
軽いところでは40g。

動きを整え、摩擦を整え、相性の合う部品に交換して、重さを整え、現地で整音をして納品完了。

見違えるピアノになったとのこと。
これでドイツ製部品の意味が出てきたと思います。
相性って大事です。

● COMMENT ●

相性

# 遂に茶論に侵略!?(遂に…じゃないかも)

ナルホド、適材適所。高い部品だから良い結果が出ると言うものではないですね!
部品相互の相性、更にはピアノと弾き手の相性が合わないと、目的完遂になりません。
これで、所有者様もお喜びだと思います。

鉛を取り除いた分、アクション回りの慣性重量が減ったので、更にタッチが軽快になったことでしょう。

Re: 相性

うさま
工房が使用中は侵略がときたまあります。
修理をしているピアノのランクがどの位置かで部品も変わるということですね。
年代やメーカーで違うので面白いです。


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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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