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オーガストフェルスター 工房でのこだわり修理 Vol.2 - 2013.01.23 Wed

ドイツから帰ってきたハンマーを取り付け、ハンマーウッドにフェルトを巻いてもらった時に起きた、接着部分のニカワ切れを直し、ハンマーが動くところの軸となる部分のガタを直し、今回から鍵盤に移ります。

昔の鍵盤は象牙が使われています。
年数が経っていくと、だんだん剥がれていきます。
そういうピアノは多分年数の経った象牙でしょう。
そして、象牙でも戦前のピアノに多いのはジョイント象牙です。
手前側と奥側、つまり幅の広いものと狭いものの2枚で一つの白鍵を作っています。

その手前部分が剥がれてしまいます。

はがれた鍵盤の修理は貼り直すだけなのですが、これが結構難しいのです。

P1220027.jpg





よく見かけるのが、剥がれたものを瞬間接着剤でくっつけてしまう、というものです。
その場しのぎの修理ならなんとかごまかせますが、数年後にはまた剥がれてきます。
P1220028.jpg
P1220029.jpg

このように白ニカワの上に瞬間接着剤が乗って、変な形に固まって、空気層があったりして、また剥がれてきます。
そしてきれいに貼って、抑えこまないと、ジョイントの境目に隙間ができたり、段差ができたり汚れてしまいます。
P1220030.jpg

今回、剥がれているものの他に、過去に瞬間接着剤で貼って、汚くなったものをもう一度剥がしてやり直しました。
左:その場しのぎの瞬間接着剤での修理
右:今回の白ニカワでの修理


P1220033.jpg
最後に艶を出すためにバフをかけます。
かけたところはピカピカになります。
古い象牙は弾くところが凹んでしまいますね。
これも使用者の年輪だと思います。



そして、皮でできている部分の皮の交換です。


打弦したハンマーをキャッチするところです。
摩擦が起きるために消耗します。
3枚-4

鹿革の交換です。
P1160009.jpg
鹿革を裁断します。

P1160011.jpg
ニカワで貼って

P1170012.jpg
はみ出た部分をカットします。


過去の修理でいい加減な接着のところがまた見つかってしまいました。
P1160007.jpg
鍵盤の裏側ですが、クロスが完全に剥がれています。

P1160008.jpg
ニカワで再接着です。

ようやく鍵盤、アクションそれぞれの修理が終わり、調整に入っていきます。
次のランクの面白さですね。

● COMMENT ●

ニカワ

白く染めるのは別にして、全部の箇所の修理が一種類の接着剤「ニカワ」でできるというのも面白いです。天然素材同士の接着には、天然素材の「ニカワ」が合いますね。

20日、ありがとうございました。

発表会、お世話になりまして、ありがとうございました。
ごあいさつしないまま、帰ってしまい、気になっていました。
去年は、荒木さんのピアノ演奏、聴かないで帰ってしまったので、今年はと楽しみにしていましたが・・・・・・
オペレッタの時の飛び入り、タイムリーでなかなか、よかったです。
私も無事、終わらせていただいて、ほっとしています。また、次をめざして、頑張ります。

Re: ニカワ

うさま
原点に帰ればそうなるのかもしれません。
扱いは難しいですが、すぐくっつき、すぐ乾いて、作業が素早く出来ます。そして何より次の修理もしやすいというのが好きです。

Re: 20日、ありがとうございました。

松田千恵様
先日は聞かせて頂きましたよ。緊張の中素晴らしい歌声でした。
また次回を楽しみにしています。

飛び入りの件は、2日前に決まったです。とにかく私は盛り上げ隊です!


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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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