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化学物質過敏症の方へのピアノ - 2013.02.01 Fri

昨年、お客様で化学物質過敏症になられた方のことを書かせて頂きました。
こちら

その方がご自身のブログで化学物質過敏症の方へのピアノのことを書いてくださって、お知り合いの同じご病気の方から問い合わせがありました。
そしてN様に合うピアノを探すことになりました。

病気の症状が人によって違うそうなので、その方だけのピアノを探さないといけません。
何に反応してしまうのか、樹脂、接着剤、塗料、年代による外装、、、




何度もご相談をして、探すピアノの候補を出し、無事ピアノが決まって、納品するための作業を行いました。
経験のある知り合いの調律師にも手伝ってもらいました。

20年経ったピアノには反応しなかった、ということを参考に探し、ピアノは20年以上経ったヤマハに決まりました。
この時代のヤマハはアクションのある部分が切れてしまうので、それを修理しておかないといけません。
しかし、接着剤の化学物質のボンド類は使えません。
そこはニカワで対応しました。

またピアノを磨くためのポリッシュ、コンパウンドも使えないため、これらが必要の無い綺麗なピアノを選びました。
ピアノを拭くクロスもどんな薬品が染み込んでいるかわかりません。
キーカバーも無し。
ピアノ椅子も使い古した状態の良い物。
ゴムのインシュレーターはビニールを被せて使用していただくことで新しい防音防振対応のものが使えるという発見もありました。

これで無事納品ができ、ピアノには反応しなかったとのことで、ホッとしました。
そして1か月後、納品調律に伺うことになりました。
ご指定の洗剤で洋服を選択し、シャンプー、リンスで体も化学物質の無い状態で伺いました。
一般の洗剤はこれらがふんだんに含まれているそうです。
カバンの中身も心配です。
接着剤やいろんな薬品、これらは絶対に開けないようにします。

気になるという音色の調整を行いました。
ご希望の甘く奏でられる音色です。


今までの生活の中にご自身で奏でられる音楽が生まれました。
家からほとんど出られないという状況から、楽しみが増えたと言ってくださいました。

このピアノがご主人からのご結婚10周年の記念プレゼントとのこと。
なんと暖かく、微笑ましい。
一生使い続けます、と言われピアノも喜んでいたと思います。

いろいろと考えさせられる事柄ですが、ピアノで幸せが生まれるということが次への活力になります。


● COMMENT ●

なんと、半導体製造現場に搬入・立ち入りするのと同じ位の神経の使いよう。
荒木さんでも、化学物質回りはご専門ではないでしょうに、
頭の引き出しとお客様へのお気遣いでご対応されているのはさすがです!
そっか、枯れるまで20年かかるのか…。

ところで、「甘く奏でられる音色」というところにとても魅かれていて、
キンキンしていない、ああゆう音を言うのかなと想像しているのですが、
次の工房セミナーのときにでも、お話をお聞かせください。

Re: タイトルなし

うさま
頂いた天然素材の洗剤やシャンプーで身を固めたら、何故か世の中のいろんな匂いが気になりました。
特に今の洗剤などは匂い付きなので、横切ったら匂いの帯ができますね。
私は嫌ではありませんが、これらに反応してしまうとのことなので、生活が大変ですね。
人間は自然に帰るべきでしょうね。その基本を忘れてはいけないのだと思います。

とてもありがたい情報でした

私の子どもも、最近の洗剤の強い香りで化学物質過敏症を発症しました。教室の空気は避けることはできないのでとても困っています。学校に行くことも大変な状態でとても辛いです。大好きなピアノだけは取り上げたくないと思い、グランドピアノを中古で購入できないか調べていたところ、こちらのHPにたどりつきました。こんなにも親身に相談して下さる方がいるのかと心にしみました。この記事はとても参考になります。ありがとうございました。

Re: とてもありがたい情報でした

あじさいの季節さま
コメントありがとうございました。子どもさんで発症してしまうのはしんどいですね。大変ですね。お察しします。私はピアノのことしかわかりませんが、なにかお手伝いできることがあればご連絡下さいませ。
どうぞ、お大事に。


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Author:arakipiano
32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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