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時代を語るピアノの響き 整音セミナー1回目終了 - 2013.03.28 Thu

時代を語るピアノの響きとセミナーが無事終わりました。
東京、名古屋、関西一円からお越しいただきありがとうございました。
教室のみなさん、調律でお世話になっている方々、様々な技術職の男性陣、ピアノの先生。
いろんな個性あるピアノの音色とそれを生かした歌枕の選曲でいつもの工房が別世界の空間でした。

ドイツのピアノ ベヒシュタイン、ザウター
フランスのピアノ エラール
アメリカのピアノ キンボール

戦前戦後、そして最近に作られた様々なピアノですが、それらに合ったクラシックだけではないいろんなジャンルの歌枕の選曲がよりピアノの魅力をひき立たせていました。
言葉で表すよりも是非一度聴いていただきたいて体感していただきたいです。


いろんなジャンルの技術者の方々が来てくださったことは非常に嬉しいことで、グランドピアノの下に潜って聴いてくださって下から分析していただいたり、3歳から80歳近くの方まで幅広い年齢層で子供さんの反応も素直に、「わぁきれいな音!」と言葉が出ていたことに、ここでのコンサートの意味をあらためて認識しました。
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本番までの準備の調律、調整は大変ですが、「気」を入れるとピアノと聴いている方々とが反応して、聴く人の基準を上げるという空間になってきています。

後半の茶論ではお茶を飲みながら、ピアノが出来るまでの歴史と、ピアノが生まれて300年の歴史を代表する鍵盤楽器で奏でていきます。音源ではなく実演です。

チェンバロ
クラヴィコード
フォルテピアノ
そして、120年前の燭台付きベヒシュタイン

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ろうそくの火でより雰囲気が出てきます。
歴史的な楽器だけではなく、茶論に置かれている様々な歌枕が選んだこだわりのものにも反応してくださいました。

余韻を残したまま、歌枕手作りのランチタイムになりました。


コンサートスタッフブログにも詳しく載せています。


その後にはセミナーを行いました。
ピアノの一番大切な感覚の音を揃える整音に関するものです。
音色に関しては人様々なので基準があるようでありません。
ピアノメーカーそれぞれの考え方、基準はありますが決して統一されたものではありません。

ですからピアノに対してどういう作業を施すかは調律師の考え方一つです。
その調律師が弾き手に対してどんな言葉でのやり取りをするかもセンスが問われます。

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整音のいろんなやり方がある中、現状のピアノに何が大切で何が必要かを見極め、弾き手に伝えることを見ていただきました。

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40年使用し続けたハンマーの弦跡

大きくは使用によるハンマーの消耗、環境の変化でハンマーフェルトの状態が悪くなる、木部のズレなど音色がばらつく具体的な症状を紹介して、それに対して具体的な技術を施しての変化を見ていただきました。

ピアノとはある意味消耗との戦いです。どれだけ保たせるか、交換するかの判断を弾き手とのやり取りで決めて行きます。

その中で綺麗な音色を保たせながら。

新品ハンマーへの針刺し体験
P3240016.jpg
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いろんなシチュエーションのハンマーを作って音の体感。


もう一度4/6に行いますので、ご興味ある方は是非お越しください。

● COMMENT ●

針刺し

とても高密度なセミナーでした。大胆かつ繊細な整音作業。
そして、噂の荒木さんの超高速な針刺しの“技”を見せて頂きました。
掛け値なしで、血で学んだのですよね!

Re: 針刺し

うさま
遠いところをありがとうございました。
満足いただけたでしょうか。

高速針刺しあれは押し刺し(じわっとゆっくり)でなければあの速さになってしまうのです。
今度やってみて下さい。お貸しします!ハンマーを赤くしないように!

得るものがありました。

名古屋から参加させていただきました。考えてみれば、調律師として世に出ていると、ほかの調律師の作業内容はなかなか触れる機会が無いので、とても勉強になりました。

また機械を見つけて参加させていただきたいと思います。

刺激的な時間でした。

荒木さん、お疲れ様でした。有難うございました。あっという2時間でした。
2日間、お客様の層が全然違っていたとの事、それがうたまくらの良さですね。“将来の大物”チビッ子達の参加も、刺激的でした。そして、うたまくらに来たことによって息を吹き返したピアノ達。
集中して音を聴くことによって、又ますます音に磨きがかかることでしょう。
次回も、楽しみです。

Re: 得るものがありました。

レフティさま
遠くからありがとうございました。
また刺激になるような企画を考えますので、都合が合うときには是非お越しください。
みんなが良くなっていかないといけないと思うので、そのため何かができる工房にして行きたいと思います。

Re: 刺激的な時間でした。

妹尾様
毎回のご参加ありがとうございます。
次回は新ピアノ工房ですね。こちらもぜひお楽しみに!
どうなっていくは今は私にもわかりません。でもワクワクです。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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