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ベヒシュタイン8 1908年製 オーバーホール.2 - 2013.04.05 Fri

105年前のベヒシュタイン8の修理を行なっています。
100年というと過去に何度かの修理が行われています。
それがまた消耗したり、剥がれていたり、折れていたりと悪くなってきています。

今の進行状況は張弦です。

張弦に行くまでに下準備が山ほどあります。
弦枕の作製。
ベヒシュタインの弦枕は木にフェルトが貼ってあります。
この時代のオリジナルは水色のクロスなのですが、これと同じ物が無いので、現在のものと同じ緑のフェルトを使用しました。
木片にフェルトを包むように貼るのですが、一工夫があります。
チューニングピンに近い辺の部分はフェルトに余裕を保たせ、木片よりフェルトをはみ出させて巻きます。
見た目はきっちりと包んでいるように見えます。

P4040013.jpg




P4040012.jpg
チューニングピン側のフェルトはだぶつかせて巻いています。
木片で抑えて見せています。

他に、鉄骨の弦が当たる所にフェルトを貼る、など。


そして、今回の大きな修理はチューニングピンが刺さるピン板が、穴が広がってトルクの保持ができなくなってしまったので、交換ということになりました。
浜松の工場で交換していただき、吹田に運んで張弦です。
新しいピン板はチューニングピンのサイズがオーバーサイズではなく、新品ピアノと同じ一番細いサイズということと、穴が揃っているので、調律時のチューニングピンを回す感じが完璧に揃っていて全く違和感がありませんでした。

オーバーホールの作業では場合によりますが極力オリジナル部品を使うことも考えます。
88鍵きれいに使われているということはまず無いので、音域で調律の感じが変わります。
また、音域の張力の違いでピンの回る感じが違うようになってしまいます。
これらはどうしても避けられないのですが、新品のピン板では揃っているということがあらためてわかりました。

P4010004.jpg


この時代のベヒシュタインの張弦の特徴は一音一音が干渉し合わないように工夫されています。
総アグラフのピアノなのでそうすることによって、より独立したピュアな音が鳴るのでしょう。

P3260003_2.jpg



張り終えて弦を弾いて音を鳴らしてみると澄んだ音がずっと鳴り響いていました。

お披露目は4月の終わり頃でしょうか。お楽しみに。

● COMMENT ●

緑のフェルト

赤のフェルトを見慣れていると、緑のは随分と地味に見えますね。
新工房でこのピアノがお披露目されるときには、顔を出したいです。

Re: 緑のフェルト

うさま
緑のフェルトはベヒシュタイン系に多いですね。国産のオオハシなど。地味と言わずシブイと言ってください。笑
新工房でお待ちしています!


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32年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
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