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ベヒシュタイン8 1908年製 オーバーホール.3 - 2013.05.17 Fri

ようやく、形が見えて来ました。
本体の張弦が終わってから外装の方を進めてくださっています。
P4180039.jpg

昔のピアノはデザインにも凝っていて細かい部品が多いため、塗装は大変!と嘆いておられます。
また、105年という歳月で過去に何度も外装の塗り直しの跡が見え、しっかりとした修理が施されているかが40年50年後の今に見られます。
きっと次の修理となる時に恥ずかしくない中身にしておきたいです。

黒のつや出しで風格ある仕上がりが想像出来ます。

そして、中の方も順調に進んでいます。がしかし、細かい作業のオンパレードです。




P4150030.jpg
オリジナルのスプリングは短く巻も反対だったので、新たに作り直しです。
作ったもの写真上
市販されているものは長い、写真下

P4150031.jpg
手作り簡単治具です。

P4150033.jpg
取り付けるとこのような形。

P4160034.jpg
コードも切れているため、新しいのに交換です。

P4160036.jpg
これで数10年は大丈夫でしょう。

P4180040.jpg
105年前のピンです。
両端の摩擦部分はメッキが剥がれてしまっています。
これも新しいものに交換です。

P4190041_20130512214527.jpg
完成部分です。
この先にハンマーが接着されていきます。

P4190043.jpg
今回はある意味錆との戦いでもあります。
ねじ類が全て錆び付いています。
アクションだけでも250本、鍵盤には170本、全ての錆を落とし、磨きます。
左:磨きました
右:錆だらけ

これらが徐々に組上がっていっています。
そして、6/2のコンサートにはお披露目できる予定です。
どうぞお楽しみに!



時代を語るピアノの響きコンサート

● COMMENT ●

いいなあ

105年も昔のものが、よみがえっていく様子。
作業の様子を見学に行ってみたいです!

指先

8枚目の写真、右手の指先、何かすごいダメージを受けているような。
ネジの防錆は、何か塗られるのですか?

Re: いいなあ

中島様
もう少しで全貌を見ていただけると思います。風格があり、荘厳な感じです。
いやいや、音で感じていただきましょう。

Re: 指先

うさま
いえいえ、職人の手は不死身です。
ネジの防錆は何もしません。強いて言えば磨いた時の熱で黒錆になっていると思います。

Re: 指先

あ、右手じゃなくて左手でしたね。失礼しました。
ネジの表面に黒錆ができる位に、磨くときに加熱されるんですね。すごいなー。

Re: Re: 指先

うさま
歳とともに、手は荒れてきています。笑
金属回転ブラシで磨くため熱せられコーティングできます。
もう少しで完成です。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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