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フッペル 仕上がりました - 2013.12.05 Thu

HUPFER フッペル
この90年以上は経っているピアノの修理は大変な時間を費やすことになりました。
今はもう現存しないということと、40年ほど前に修理されていてオリジナルのいろんな寸法のデータが変わっているのでオリジナルのタッチ、音色を想像しての調整に大変頭を使いました。

PC030020.jpg


仕上げてみるとかなり重厚感のある響きになっていました。
低音の豊かな響き、中音の奥行きを感じさせる響き、高音の伸びやかで柔らかい響には我ながらびっくりしています。

今まで修理を行ってきて、大変だったことは、全てにおいて規格外という所でした。
規格外と言う事はいろんな工夫が施されることになるのですが、よくよく頭を使わないと二度手間になってしまうことや修正が効かないことになってしまうことも考え、かなり慎重に行わないといけない修理がいっぱいありました。




PB270012.jpg
PB270013.jpg
錆び付いていたピンを全て交換します。

PC010014.jpg
PC020017.jpg
整音をしたのですが一度接着したハンマーを外します。
音色が揃わないので、打弦点を変更します。


今のドイツ製部品でさえ、フッペルには合わなかったり、特注になったりするので、こうなったら自分で細工したほうが良いと、早くきれいにできたので大変でしたけどやりがいのある修理でした。


修理ができたといってもまだまだ落ち着くまで時間がかかると思います。
細かな手直しもこれからもどんどんやらなければいけないのも覚悟しています。
生きている、というのを実感してピアノと二人三脚というところでしょうか。

黒からウォールナットに変わったりいろんな職人の手が加わってようやく仕上がったのです。

ようやく音楽が奏でられる状態になった喜びがピアノから聴こえたような気がしました。


PC030031.jpg

どうぞ、12月15日、16日の「時代を語るピアノの響きコンサート」を楽しみにしてください。

● COMMENT ●

ついに!

荒木さんが大切に仕上げたピアノ、ぜひ弾いてみたいです!年内には伺います!!

Re: ついに!

中島さん
ついにです。ようやくです。是非お待ちしています。早めに予約入れてくださいね。


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Author:arakipiano
38年ピアノ技術者として世界中のピアノを見てきました。
ピアノがピアノだけで終わらない、人とのかかわりの中で、心に残るいろんな出会いをご紹介していきたいと思います。
よろしくお願いします。

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